「100年後の街つくり」を目指すNENGOの若手女性監督
建設業の中でも存在感を増しているリノベーション業界。リノベーションは、まちづくり、文化の創造に参加できる仕事として、若い建築施工管理技士の就職・転職希望者も増加傾向にある。
株式会社NENGOで働く森井珠実さんも、転職理由はさておき、ハウスメーカーからリノベーション業界に転職してきた一人だ。NENGOは神奈川県川崎市に本社を構え、100年後の街つくりに貢献することを理念に掲げるリノベーション企業。社名は「年後」に由来する。
「入社3年で現場監督として成長を実感できた」と語る現場監督の森井珠実さんに、リノベーションとハウスメーカーでの仕事のやりがいの違いや、NENGOへの転職を決めた理由などについて話を聞いてきた。採用教育担当の三ツ橋典子さんにもご同席いただき、風変わりな社内制度や採用事情なども伺った。
「圧倒的な熱量」にハートをつかまれ、街つくり会社・NENGOに転職
——NENGOに入社された経緯は?
森井珠実 前職は岡山県のハウスメーカー勤務で、新築の監理業務をしていました。その頃から、リノベーション業界に転職したいと思っていて、たまたま東京で「リノベーション転職フェア」(主催:リノベーション住宅推進協議会)というイベントが開催されると知って岡山から参加しました。そこでNENGOの存在を知って1年越しに転居、転職しました。
——イベントのために、わざわざ東京まで?
森井 はい(笑)。ハウスメーカーに勤務していた時は、ひと月に50棟ぐらい建設していて、施主さんへの引き渡しが多く、それなりにやりがいはあるんですが、「流れ作業」的なところが引っ掛かっていました。一人ひとりのお客さんにかける時間が短くて、お客さんの中にどうしても踏み込むことができない。これではお客さんに寄り添った家づくりはできないと考えていました。その点、リノベーション会社では、お客さんとのコミュニケーションがもっと深いですし、引き渡してからもお付き合いできると考えて、ずっとリノベーションの会社に転職したいという希望がありました。
——他のリノベーション企業でなく、なぜNENGOへ?
森井 「リノベーション転職フェア」は10社ぐらいのプレゼンを聞いた後、気になった会社のブースへ行くのですが、NENGOのスタッフが言っていた「NENGOは100年後の街つくりを理念としていて、その土地の風土や歴史、文化までも考慮した建築を目指しています」という言葉が心にささりました。そういうNENGOのヴィジョンに共感し、かっこいいと思ってぜひ入社したいという気持ちが強くなりました。
——NENGOは他社と違う?
三ツ橋典子 「リノベーション転職フェア」で森井のハートをつかんだプレゼンは、弊社の和泉直人という者が担当しました。彼はNENGOに在籍しながら、副業として個人事業主もやっていて、社内では「圧倒的な熱量」と呼ばれています(笑)。
——NENGOは副業OK?
三ツ橋 はい、NENGOでの仕事はおろそかにできないので申請が必要となりますが、社外での経験やアイディアをNENGOに還元してくれると期待して後押ししています。和泉の場合、NENGOで働きながら、自分の出身地である北海道釧路市のまちづくりプロジェクトでリノベーション事業に関わっています。
その他にもNENGOでは「100年後の街つくり」というミッションに合致すれば、新規事業で独立して社長になれる制度も設けています。まだ活用例はありませんが、転職説明会では、そうしたキャリアアップの展望もアピールしています。
森井 私もいつか和泉さんのように、首都圏だけでなく、地方でも「100年後の街つくり」を目指した家づくりがしたいという夢があります。なので新規事業の独立制度を活用する第一号になってみたいです(笑)。私は街つくりに関して、どの家もどの街も同一性が強すぎる点に疑問を感じているので、街ごとに特色があったら面白いし、そこにNENGOでの仕事のやりがいを感じています。NENGOでは建物をリノベーションする際、その建物やその土地の歴史的経緯から調べて、そうした情報をもとに、建物単体ではなく街並みや歴史にも配慮して、施工、外装などを決めていきます。
前職の上司としても、応援しています。