個人差に振り回される、設備工事の騒音問題
人間の五感には個人差があります。
Aさんは全く気にならない程度でも、Bさんは夜も眠れないくらい嫌悪感を抱くケースがあります。
建築物の中でも特に「設備」の分野では、そのような五感に関する様々な問題が潜んでいます。
今回は「客観的な基準がないと泥沼にハマる」という事例を紹介します。
騒音規制法の適用外「生活音」の問題
何事も「数値」で測ることが出来れば、ハッキリ白黒つけることが容易です。
例えば、騒音問題では「騒音規制法」という法律によって、現場の境界地点で「85dB」を超えてはいけないと定められています。
そこで最近の建設現場では、仮囲いに「騒音計と振動計のリアルタイム」を表示しているケースも多く、誰の目にも「法律を遵守出来ているか?」が一目瞭然です。(当然ながら、法律違反も一目瞭然です。)
しかし、本当に厄介な問題に発展しがちなのは、もっともっと小さな「生活音」の問題です。
なぜなら、生活音は騒音規制法の適用範囲外かつ85dBよりもはるかに小さなレベルで発生し、何より「問題になる音量の境界線がない」ということが一番問題になるからです。