サッカーと現場を両立する新人技術者
「サッカーがしたい」という一心で、現場監督になった若者がいる。
新藤舜輝(みつき)さんは、幼少期からプロサッカー選手を夢見て、大学在学中には地域リーグ(JFLの一つ下のセクション)でプレー。ドイツへのサッカー留学も経験するが、”プロ”という夢はなかなか叶わず、建設会社に入社。内装工事の現場監督として働きながらも、休日は都道府県リーグでサッカーを続けている。
日々、現場とピッチを駆け巡る、新人技術者の原動力はどこにあるのか。
サッカーひと筋、ドイツへ単身留学
「サッカー王国」の埼玉県は浦和に生まれ、幼稚園の頃からサッカーを始めた。親戚には某球技のスーパースターで東京オリンピック候補もいる、スポーツ家系で育った。
幼いころから、夢は「サッカー選手」ひと筋。ポジションはボランチ。高校では、インターハイや冬の高校サッカーにも出場している古豪・埼玉栄高校でプレー。大学進学後はサッカー部には所属せず、「(埼玉栄時代の)コネがあった」という関東サッカーリーグの1部でプレーを続けた。
だが、上位リーグであるJFLへの昇格は叶わなかった。新藤さんは、卒業を目前に控え、海外へのサッカー留学を決意。在学中に焼肉店や小学生相手のサッカースクールの講師などで地道に貯めたお金で、卒業と同時に単身ドイツへと渡った。
ドイツのマインツに拠点を置き、現地クラブの練習に参加。ドイツ語はできなかったので、カタコトの英語でコミュニケーションを取りながら、2カ月間にわたり自らをアピールした。
結果、すぐに現地クラブからのオファーがあった。が、下部リーグのクラブで、希望する条件のオファーではなかった。滞在費が底をつきかけたこともあり、志半ばで帰国した。
夢のためにここまでできる人はなかなかいない。
建設業界に残ってほしい気持ちもあるけど、
サッカー一本でやっていけるまで成功することを願っています