プラント独特の施工方法
私は今、北関東のプラント工事で安全担当の仕事を任されている。
プラント建築は、様々な配管設置や電気計装関係の都合上、鉄骨でないと細部の工作や後付け部材の取り付けが難しい。また、面倒なのでコンクリート構造はどうしても敬遠される。
鉄骨のボイラー棟の中には、これから繋がれる多くの直径2~3mの配管が鉄骨の構造体間に搬入され、仮止め固定され溶接作業を待っている。狭い敷地の中に、70m程の高層のボイラー棟が中央に建ち、その周囲にタービン棟、冷却塔、その他の小さな建物が建っている。
どこのプラント現場でも同じような手順を踏むので、これらはプラント工事では毎度お馴染みの風景だが、一見すると建築の鉄骨工事と同じに見える。しかし、建築工事では見られない、”プラント工事独特の施工方法”がすでに始まっているのだ。
決定的な工法の違いは、鉄骨構造体の構築と大口径・大重量の配管の設置を同時進行でやらなければならないことだ。
鉄骨の組み立てだけではなく、その間に、大口径のぶつ切りにされて現場に搬入された配管をどのタイミングでどこから楊重し、どうやって各階の所定の位置に持って行き、どう溶接するかを考えなければならない。非常に難しいところだ。
最終的には、それぞれの配管を現場溶接で繋げていくのだが、その技術だけでも並みの溶接工では出来ない。溶接の際、どこから初めてどこで終わらせるか、その間 配管がどう曲がっていくか、その曲がりを予測しながら仕事を進めなければならない。
その見極めは、一種の名人芸で「職人技」と言えるだろう。ゆえに、配管が繋がっていない段階では、まだ最終的な位置を特定し固定することが出来ない。
まずは、おおよその位置に置き、重機やチェーンブロックで吊り、微調整しながら溶接し固定していくのだが、簡単に動かせるモノではないので、その作業は専門の手慣れた作業員によって行われる。
建屋への搬入は、重機を使って吊りながら出来るが、数トンも重量のある大口径の配管なので、最終的には下から支える構造になる。これは理窟は分かっていたとしても、実際にやるのは非常に難しい。しかも、とても危険な作業である。
やり慣れてる業者じゃないと、到底できないだろう。この施工方法は、プラントならではの工法で、建築の現場ではまず見られない。
いいんじゃないでしょうか?
建築は見た目、プラントは機能重視で。
アホかァ?現場の話し合いもしないで、机上の話し合いだけで。だから、まとまらない。