注文住宅での電気配線の工程
注文住宅での電気配線の工程について、ちょっとした提案をさせていただきます。先日、中間検査が完了した注文住宅の現場での電気配線の話です。
注文住宅と分譲住宅では当然、工事フローが違います。注文住宅を建てる場合は、間取りや材料などをお客様と一緒に考えて形にしていき、ハウスメーカーさんや工務店さんとの打ち合わせが進むにつれて、建物配置図、平面図、立面図、断面図、内部仕様書、外部仕様書、外構図面など、かなり多くの図面や書類が作成されていきます。
電気配線を平面図で打ち合わせる弊害
多くの工事では、お施主様との打ち合わせの中で、電気配線図をもとにコンセントやスイッチ、照明の位置を決めていくと思いますが、はたして、お施主様は平面図の打ち合わせだけで、ちゃんと完成した住宅をイメージできているのでしょうか?
僕は、平面図だけでこれからのライフスタイルをイメージできる方は、ごく少数だと考えています。実際、長時間の打ち合わせを経て、その内容をそのまま現場に反映させて工事を進めた場合、かなりの確率で変更・追加工事が発生してしまっています。
しかも、内装の仕上げまで完了した後での変更・追加工事になると、せっかく職人さんが造ってくれた壁や天井を壊さなくてはなりません。
配線工事後の変更・追加工事はイヤだ!
そこで僕は建て方後に、配線ボックス(黒い箱みたいの)をスイッチやコンセントの位置に先に取り付けることにしました。
その上で、実際の現場でお施主様と打ち合わせをさせていただくという方法をとります。
こんな感じで配線前に、お施主様との打ち合わせを現場で行うことによって、後の変更・追加工事をできるだけ避けようとしています。
配線工事後に変更・追加工事があると、電気業者が2日の工程で終わるはずの工事があと1日必要になります。そうなると変更であっても金額がかかってしまいます。そんなことにならないよう、あらかじめ新しいお家での生活をイメージしながら打ち合わせをしていきます。
配線工事は初期段階なので、後になればなるほど、変更・追加工事は難しくなりますし、余分なお金もかかってきます。そのため実際に配線工事に入る前に現場で打ち合わせすることは大事だと思います。
実際の建物の大きさでの打ち合わせですので、お施主様にも説明しやすいですし、イメージもしやすいのではないでしょうか。
最近はVRを使って、住宅の内部を体験できるサービスも出てきていますが、まだ僕の周辺までは浸透してきていません。すでに同じ方法をとっている方も多いかもしれませんが、お施主様のためにも、自分のためにも、ぜひご参考いただければ幸いです。