建築現場で裁判沙汰にならないために
建築現場では、いくつもの裁判事例がある。品質的に不具合があり、誰かが怪我などをした場合には、責任の所在を求めて度々裁判が起きている。
普段の現場管理で、ちょっとした対応のマズさが裁判の「引き金」になってしまう可能性もある。 「裁判なんて私には関係ない」と思っている建築施工管理技士は多いが、決して他人事ではない。
裁判沙汰に巻き込まれれば、建築施工管理技士としてのキャリアに傷が付き、余計なストレスにさらされることにもなる。
ステンレスは錆びる?錆びない?裁判を避けるために建築現場で注意すべきこと
「ステンレスは錆びる?錆びない?」
十数年前、私は現場所長からこのように尋ねられたことがある。あまりの突拍子もない質問に、当時、現場に入って間もなかった私は何も答えられなかった。私の困った顔を見て、所長はこう言った。
「ステンレスは錆びない、ではなく、錆びにくい。そこの言い回しを間違えて裁判になったことがあるから気をつけろよ」
知っている人もいるかもしれないが、あるマンションの内覧会で、マンションの購入者から「ステンレスが錆びているのでは?」と聞かれた若い職員が「ステンレスは錆びません」と答えたことから、言い争いになって裁判沙汰まで発展したという話。
所長が言いたかったのは、「購入者と話す時は気をつけろ」「間違った情報を提供することで信頼を一気に失う」という内容だった。