施工の神様 powered by 施工管理求人ナビ
  • 施工の神様とは?
  • 記事掲載・取材をご希望の方へ
  • キャリアを考える
  • インタビュー
  • 失敗を生かす
  • 技術を知る
  • エトセトラ
  • 資格を取る
  • 建設用語

「現場を知らずに10年も構造設計してきて疑問に」土木技術者は失敗で成長する

  • インタビュー
  • キャリアを考える
『施工の神様』編集部
公開日:2017.08.08
  • シェア
  • Tweet
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0 コメント
  • メールで共有
「現場を知らずに10年も構造設計してきて疑問に」土木技術者は失敗で成長する
目次
  1. 30代の土木技術者、「失敗談」を大いに語る
  2. 長岡技術科学大学を卒業後、建設コンサルタントに入社
  3. 道路の概略設計で根拠不明の報告書・図面を作成
  4. 設計事務所での失敗。現場を知るため施工管理にも挑戦
  5. スキルアップを「給与」として評価する会社
  6. 建設業の欠点は「自分たちの言葉」で発信しないこと

30代の土木技術者、「失敗談」を大いに語る

建設コンサルタントや設計事務所、大手ゼネコンの現場を渡り歩いてきた金山直志さんに、30代の土木技術者にとって建設業界はどう映っているのか、これまでの失敗談も含めて大いに語ってもらった。

金山さんは大学卒業後、建設コンサルに入社し、ダムや道路の構造計算、図面作成、数量計算、測量、設計などを経験。その後、設計事務所に転職し、山岳トンネルの設計業務などを中心に手掛けてきた。そして今は派遣社員として大手ゼネコンの現場で働いている。

建設業界紙では、若手建設技術者や女性建設技術者などの活躍が紹介されるが、光があれば影があるもの。失敗にこそ土木技術者が成長するための「気付き」があるのではなかろうか。

長岡技術科学大学を卒業後、建設コンサルタントに入社

施工の神様(以下、施工):金山さんが建設業に入った理由は?

金山直志さん(以下、金山):高校受験のとき、「不況に強い」と親や周囲の人から聞かされていたので、新潟工業高校の土木科を受験し、そのまま建設業の世界に腰を据えました。工業高校の機械系の学科への進学も考えていましたが、やんわり周囲から止められました。今となっては建設業が「不況に強い」のか疑問ですが、食いあぶれる心配はせずに済んでいるので、正しい選択だったのかなと思っています。建設業はそれなりに楽しいですし。

施工:大学進学は?

金山:高卒では就職に不利だと思い、長岡技術科学大学に入りました。工業高校から大学へ進む流れがとても活発になってきた時期で、それに乗っかる形で大学に行こうと。ただ、私の場合は少し特殊で、大学に行く前に長岡高専環境都市工学科の4年生編入を経ています。工業高校から大学へ進むには、当時は推薦が一般的で指定校推薦もあったのですが、その枠から漏れてしまい、高専へ進学しました。その後、長岡技術科学大学の建設工学課程(現在は環境社会基盤工学課程)に編入しました。

高専ではコンクリートの研究室で再生骨材を用いたコンクリートの耐久性の、大学では土を扱う研究室に入り、鉄塔基礎の研究をしていました。

施工:影響を受けた先生はいた?

金山:大学の地盤工学の先生が、ゼネコン出身者で面白かったです。机上の論理だけではなく、現場でこういうことがあった、学校の授業の内容は現場でこういうふうに使われている、という実地的なことを教わりました。

高専では校長先生が面白かったですね。土木の先生でもあり、研究室にしょっちゅう顔を出しては、いろいろなお話をしてくれました。血の通った話は役に立ちますし、人柄に惹かれると影響も受けますよね。

施工:就職活動は苦労した?

金山:就活はそれほど苦労しませんでした。大学院生と競合になったときは少し不安でしたが。受験した会社は地盤調査の会社と、建設コンサルタント会社で、結局、学生の時から設計の仕事に興味があったので、建設コンサル会社に入社しました。当時は、設計を建設コンサルタント、工事をゼネコンがやる、というイメージを抱いていました。

道路の概略設計で根拠不明の報告書・図面を作成

土木構造設計、AutoCADが得意な土木技術者 金山直志さん

施工:建設コンサルではどんな仕事をした?

金山:農業土木施設や道路の設計、測量をしました。農業土木施設は扱うモノが幅広く、とても勉強になりましたし、今も役に立っていることが多いです。具体的には圃場整備、農道や用水路・排水路の測量、設計、図面作成、数量計算などです。道路関係では概略設計業務、高規格道路ルート選定、構造物概略設計、図面作成、数量計算、概算工事費算定などを担当しました。 ダムの設計業務や洪水吐の構造計算、図面作成も経験しました。

施工:失敗したこと、怒られたことは?

金山:多すぎて数えきれないほどありますね。入社して最初にやらせてもらった業務では、水理計算を間違えて上司にかなり怒られました。道路の概略設計では根拠があまりにも不明な報告書や図面を作って、お客様に多大な迷惑をかけました。その他にも、キリがないほど失敗しているので、若い方々も失敗は怖れないでほしいです。

施工:失敗が多いから、コンサルから設計事務所に転職したの?(笑)

金山:いえ、残業時間が多すぎて体調を崩してしまい、職場環境を変えようと考えたことと、コンサルで担当したトンネルの概略設計を経験し、トンネルの設計業務をやりたくなったので転職しました。失敗は成長の糧ですよ。

施工:コンサルとその設計事務所の違いは何?

金山:会社名は設計事務所でしたが、実際は建設コンサルタントと変わりはないですね。

施工:で、設計事務所ではどんな仕事を?

金山:希望通り、NATM(山岳トンネル)の設計業務。道路だけでなく、鉄道や水路のトンネルも扱ったので、かなり勉強になりました。トンネル設計の中でも、私がよく担当していたのは、坑口位置や形式の検討、地山分類、図面作成や数量計算です。

次のページ設計事務所での失敗。現場を知るため施工管理にも挑戦

123»
  • この記事をシェアする176
  • この記事をツイートする20
この記事のコメントを見る0
こちらも合わせてどうぞ!
「マニュアルエンジニア」が一番苦手。自分の頭で掘り下げてこそ、土木技術者だ!
「マニュアルエンジニア」が一番苦手。自分の頭で掘り下げてこそ、土木技術者だ!
高知大学 教育研究部 自然科学系 原忠教授にインタビュー 大学の土木の先生の役割は、土木に関するさまざまな研究や、土木を志す学生の指導育成、国・自治体・民間企業との共同研究、国や自治体の会議のメンバー、講演会の講師など、...
コン打ち後に「スナックのママ」に変身する若い女性建設技術者(けんせつ小町)の話
コン打ち後に「スナックのママ」に変身する若い女性建設技術者(けんせつ小町)
スナックのママに変身する理由 私は、いわゆる「けんせつ小町」、女性現場監督24歳です。私の会社では、現場が終わったときや、何か大きな工程が終わったとき(特にコン打ちが終わったとき)に、現場員全員で打ち上げをします。ときに...
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
※本記事は『建設ITワールド』の許諾を得て掲載しています。 「BIMを活用したいけれど、人材が見つからない」「どう始めたらいいの?」—そんな悩みを解決するのが、ウィルオブ・コンストラクション(本社:東京都新宿区)が提供す...
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
※本記事は『建設ITワールド』の許諾を得て掲載しています。 「BIMを活用したいけれど、人材が見つからない」「どう始めたらいいの?」—そんな悩みを解決するのが、ウィルオブ・コンストラクション(本社:東京都新宿区)が提供す...
目標評定90点。近隣クレーマーを説得する意外な施工管理術とは?
目標評定90点。近隣クレーマーを説得する意外な施工管理術とは?
工事成績評定90点を目指した道路改良工事 小さな町の商店街で道路改良工事の現場を担当したときの話です。それはメインストリートの排水構造物や舗装の打ち換えをする工事で、道路沿いには商店や事務所がたくさん建ち並んでいました。...
「魔女の宅急便」を見て土木の世界に? これが私のドボク道! 高知県土木部・木下美喜さんに聞く
「魔女の宅急便」を見て土木の世界に? これが私のドボク道! 高知県土木部・木下美喜さんに聞く
高知県土木部 高知土木事務所 道路建設課主幹・木下美喜さんにインタビュー 木下美喜さんは、高知県の土木職員の草分け的存在として平成10年4月に入庁。以来20年間、道路を中心に、高知県のインフラ整備などに携わってきました。...

この記事を書いた人

『施工の神様』編集部
この著者の他の記事を見る
施工の神様とは、株式会社ウィルオブ・コンストラクションが運営する、「現場目線」の情報を伝える新時代の建設メディアです。

建設業では、しばらくの間、現場の「生の声」が置き去りにされてきました。
長らく3Kと呼ばれてきた建設業は今、国土交通省主導による働き方改革やi-Construction、若手人材の確保育成、資格制度の見直し、地域防災の観点などから、大きな変革期を迎えています。
施工の神様は、施工に関する技術やノウハウ、体験の共有・伝承・蓄積という側面に加え、実際に建設現場で働く建設技術者・技能者の生の声を、建設業界および世間一般に伝えるという役割も積極的に担ってまいります。

個人・企業を問わず、取材してほしい方・執筆協力いただける方・PRしたいことがある方を募集しています。 お問い合わせはこちらへ。
「現場を知らずに10年も構造設計してきて疑問に」土木技術者は失敗で成長する 「現場を知らずに10年も構造設計してきて疑問に」土木技術者は失敗で成長する

施工の神様をフォローして
最新情報をチェック!

  • フォローする5388

現場で使える最新情報をお届けします。

  • 施工の神様
  • インタビュー
  • 「現場を知らずに10年も構造設計してきて疑問に」土木技術者は失敗で成長する
  • 施工の神様
  • キャリアを考える
  • 「現場を知らずに10年も構造設計してきて疑問に」土木技術者は失敗で成長する

コメント(0)

コメントフォームへ

コメントする コメントをキャンセル


コメントガイドラインをお読みになった上で投稿してください。

email confirm*

post date*

あなたも施工の神様に記事を投稿してみませんか?
おすすめ記事
  • 【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞

    【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞

  • 点数稼ぎに走るのは「なんか違う」

    点数稼ぎに走るのは「なんか違う」

  • 「暗闇の先の光見て」コロナ禍の”希望のトンネル貫通写真”が心に響く

    「暗闇の先の光見て」コロナ禍の”希望のトンネル貫通写真”が心に響く

  • 「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督

    「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督

  • 建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!

    建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!

  • 人と機械はどう補完? これからの橋梁点検

    人と機械はどう補完? これからの橋梁点検

注目のコメント
  • 権力を振りかざす世間知らずの勘違い野郎どもは本当に消えていただきたいです。

    「○んでくれ」「くせーんだよ」 発注者からの脅迫・暴言集【実録】
  • 公務員なんて、甘ったれのわがまま人間の巣窟。特に、バブル世代にパワハラとかするのが多い気がする。

    「○んでくれ」「くせーんだよ」 発注者からの脅迫・暴言集【実録】
  • 34℃で湿度がどれくらいか判断出来ないが今日びの38℃超え猛暑に比べればまだまし。 皆が言う体調管理なんかで対応出来る範囲を超えている。 朝一番から警戒レベルMAXが普...

    最高気温36℃の”猛暑日”。舗装工事は中止すべきか?【熱中症対策】
  • 勝手に喫煙休憩するな→即飛び蹴り シュールなコントみたいだな

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 辞めていいんじゃねーか? 下請けの奴隷ならともかく、大手ゼネコンの現場監督ならやりたい奴いくらでもいるだろw

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 若くても無能なら要らない

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • そんな無能はやめた方が現場のためだよ

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 飛び蹴りは普通に罪にならないか?

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 休憩するなら水分取るだけで充分なのにねwタバコまで吸いに行き注意されると即飛び蹴りとはヤニ中毒は危険だな

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 結局本人の申告によるものでしかないので、無理がありますよ。 すべての作業員さんにカメラつけて録画でもするならば別ですが。 公共工事にしろ民間工事にしろ、昔からすれ...

    「チェックシートで熱中症を防ごう!」 それができたら誰も苦労しない
  • 熱中症チェックシートは本当に不毛。 挙句の果てに、それを書いていても熱中症が発生したら「管理が甘かったからだ!」といってチェック項目を増やしたり、記入内容の真偽を...

    「チェックシートで熱中症を防ごう!」 それができたら誰も苦労しない
  • 建設業界のパワハラと言うよりは特定の会社の特定の上司のパワハラ。

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 返信した人の日本語もわかりません。 やり直し

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 建設業界って 何処に業界のパワハラをかいてるの? やり直し

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 所長が部下の人間性を否定するような現場がうまく回るはずがない。 現場は信頼関係で成り立っている。 現場の雰囲気は主に所長がつくりあげあてしまう。そのような管理職が...

    65歳以上と外国人は、全員”安全弱者”のヘルメットバンドをつけろ!? 納得できない話
  • この著者は神様とは思えないです まず、職人は工程を縮めたいんじゃなく無駄が嫌いなんです。それは管理者もだと思いますよ。 無駄=損害ですからね。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • スーパーゼネコンの監督とは仲良くなれないな。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • まったく現場の事を理解していない! もっと色んな事を経験して、勉強して下さい。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • 不仲は横柄で生意気ななゼネコンのセコカンが原因だと思いますけどね。 舐められない様な教育受けているので仕方ない所もありますが。 職人さんも見栄えよりも工数へらして...

    「不仲説」 現場監督と職人
  •  不仲なら発注しない、請負わない。 お互い仕事できなくなればいい。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • キャリアを考える
  • インタビュー
  • 失敗を生かす
  • 技術を知る
  • エトセトラ
  • 資格を取る
  • 建設
    用語
【PR】施工管理技士の転職に特化した求人サイト
施工の神様ロゴ
  • 施工の神様とは?
  • 原稿募集
  • 取材ライター募集
  • 運営会社
  • PR・プレスリリース
  • プライバシーポリシー
  • 広告掲載について
  • お問い合わせ
Copyright © 2025 WILLOF CONSTRUCTION, Inc. All Rights Reserved  リンクフリー
施工の神様