建設現場で「週休2日制」が普及しない理由
建設業界における「週休2日制」の導入は、私の勤める会社でも最近、話題に上ることが増えています。建設業は本当に休みが少ない業界で、私自身、もう少し休日があればと思ったことは何度もあります。国土交通省が指摘している通り、休日の少なさが理由で、若者が建設業界にあまり興味を持ってくれないのも事実でしょう。
しかし、施工管理技士の目線から言わせてもらうと、建設業で「週休2日制」が普及しにくいのは、ある意味、当然のことだと思っています。その理由を管理者目線で説明します。
工事の材料単価を見直すべし
近年、工事における材料の単価は上がっています。材料単価が高価になると、真っ先に削減されるのは人件費です。施工管理技士の場合は固定給の会社が多いので「週休2日制」を導入されても正直それほど影響はありませんが、問題は下請けの施工者の方々です。
ほとんどの施工会社の社員さんは日当給です。日当給の場合、「週休2日制」の導入によって所得が低下します。施工管理技士の立場としては、材料費を見直して工事単価を上げることが出来れば問題ないのですが、書類の作成時に工事内訳書に提唱してある指定材料を使わないといけないことがほとんどなので、現実的には難しいのが現状です。
また、品質管理も厳しくなってきており、JISマークの2次製品を使用する決まりなど、細かい拘束も多々出てきます。例えば、法面の土工の後には、水路や集水桝の設置などがありますが、そこに使われる水路の材料の2次製品も、JISマークで品質管理されていることがほとんどです。国が指定した2次製品を使用することが公共の工事では当たり前になってきています。材料の単価が値上がりした上に、材料指定までされては、作業員の所得の確保は正直厳しいのが現状でしょう。
私のお父さんはおじいちゃんが立ち上げた法面会社を引き継ぎ社長として働いてます。社員同様暑い夏も寒い冬も早朝から夜まで現場に出て働いています。やっぱり休日は日曜だけです。ぱぱに小さいころ遊んでもらった記憶があんまりないのは、今まで自分の中で少しコンプレックスでした。(それでも、作業着を着た日焼けした筋肉もりもりのぱぱはかっこよくて面白くて大好きなぱぱでした?)
これが当たり前だと思って育った私も、21歳になって社会を少しだけ知った今ならその理由がわかります。疲れた体を休めることができるのは週にたったの1日。そして責任感の強い人なので、社長として精神的な負担もわたしには計り知れません。
50歳を過ぎた父ですが、体力仕事を任せられる若手社員はなかなか入ってこず、これからも今まで同様せっせと働き続けることでしょう。
いつか建設業界で働くお父さんたちに、娘や息子、孫とのかけがえのない時間が十分にとれる時代がくることを、建設業界で働くお父さんをもつ子供たちにお父さんとの素敵な思い出が作れる時代がくることを願います!?