LHGF(大規模波動地盤総合水路)とは、3.5mもの風波を発生できる超大型水路のことで、水理模型実験に用いられる。港湾海岸構造物の設計に際しては、防波堤に作用する波力や、護岸/堤防を乗り越える量(越波量)を試算する必要があり、古くから波力公式や越波量算定手法が構築されてきた経緯がある。LHGF(大規模波動地盤総合水路)は長さ184m、幅3.5m、深さ12mの造波水路であり、4台の電動モーターによる駆動で風波を発生させるものである。ちなみに、造波板の14mものストロークにより、一気に2.5mの津波が発生可能とされ、水中振動台の設置によって地震と津波の複合災害の再現が可能となる。尚、LHGF(大規模波動地盤総合水路)はこれまでの各種大規模実験により、砂地盤の洗掘/吸い出し現象が、砂の沈降速度を含むパラメーターとフルード則の組合せで再現できることが解明されたが、今後も高波/津波/高潮に関する実験の必要性に際しては、比較的小規模の実験で仮説を立てた後に、大規模実験で検証することが肝要とされ、同時に、大規模実験の補完ツールとして数値計算の比較検証も期待されている。
LHGF(大規模波動地盤総合水路)
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