1級建築施工管理技士の合格率と推移|最新の難易度を解説
1級建築施工管理技士は、建設業界で高く評価される国家資格ですが、その合格率は決して高くありません。
資格取得を目指す上で、試験の難易度を客観的に把握することは非常に重要です。
この記事では、最新の合格率データや過去の推移を基に、1級建築施工管理技士の難易度を多角的に分析し、合格に向けたポイントを解説します。
【最新】2025年度1級建築施工管理技士の合格率データ
1級建築施工管理技士試験の難易度を測る上で、最新の合格率は重要な指標です。
試験は第一次検定と第二次検定に分かれており、それぞれで合格率が異なります。
ここでは、2025年度(令和7年度)の試験結果を中心に、最新の合格率データを見ていきましょう。
第一次検定(旧学科試験)の合格率
2025年度(令和7年度)における1級建築施工管理技士・第一次検定の合格率は48.5%でした。(参考:令和7年度 1級建築施工管理技士 合格発表(アガルート))
受験者数41,812人に対し、合格者数は20,294人という結果です。
第一次検定は、建築学や施工管理法、法規など幅広い知識が問われるマークシート形式の学科試験です。
合格率は例年40%前後から50%程度で推移することが多いですが、年度によっては30%台に落ち込むこともあり、十分な対策が求められます。
第二次検定(旧実地試験)の合格率
2025年度(令和7年度)の1級建築施工管理技士・第二次検定の合格率は39.0%でした。
第一次検定の合格者などが受験する2次試験ですが、合格率は例年40%前後から50%程度で推移しており、半数以上が不合格となる難関です。
第二次検定は、自身の施工経験を基に記述する「経験記述」が中心となり、知識だけでなく実務能力や応用力が問われます。
このため、第一次検定を突破した受験者であっても、入念な対策なしでの合格は難しい試験と言えます。
最終合格率は約2割!合格の難しさ
第一次検定と第二次検定の合格率をそれぞれ見ると40%前後から50%程度ですが、最終的に資格を取得できるストレート合格率は大きく下がります。
例えば、第一次検定の合格率が48.5%、第二次検定の合格率が39.0%の場合、両方を一度で突破できる確率は約18.9%です。
実際には、第二次検定には前年度までの第一次検定合格者も含まれるため、その年の新規受験者だけで見ると、ストレート合格率はさらに低くなる可能性があります。
この数値からも、1級建築施工管理技士の資格取得がいかに難しいかがわかります。
過去5年間の合格率推移から見る難易度の変動
1級建築施工管理技士試験の難易度を正確に把握するには、単年度の結果だけでなく、長期的な合格率の推移を確認することが不可欠です。
過去5年間の推移を見ると、第一次検定は30パーセント台から40%台、第二次検定は40%から50%程度で推移しており、いずれも半数以上が不合格となる厳しい状況が続いています。
特に2021年度(令和3年度)の試験制度改正は、難易度の変動に大きな影響を与えました。この改正により第一次検定に応用能力問題が導入され、合格者に「技士補」の称号が付与される仕組みへと変わりました。
この変更直後には合格率が急落するなどの変動が見られたため、過去の傾向だけでなく最新の出題形式に合わせた対策が求められます。
各資格の難易度比較はこちら!(1級施工管理技士の難易度は?建築など種目別の難易度や勉強時間を解説)
第一次検定の合格率推移をチェック
過去5年間における第一次検定の合格率は、年度ごとの難易度や受験者層の変化により、30パーセント台から60パーセント台の間で大きく変動しています。このような合格率の推移に大きな影響を与えたのが、2021年度から導入された新試験制度です。第一次検定に「応用能力」を問う問題が追加されたことで、従来の暗記中心の学習だけでは対応しきれない場面が増えています。また、合格者に技士補の称号が付与されるようになったことで受験の動機が多様化し、結果として合格率の上下動につながる要因となっています。
さらに、近年の制度改正が今後の推移にさらなる変化をもたらす可能性があります。2024年度以降の受験資格緩和により若手受験者の増加が見込まれており、今後も母集団の変化が合格率に影響を与える可能性があります。実務経験の指定期間が短縮されたことで、これまで以上に幅広い層が挑戦しやすくなる一方、受験者数が増加すれば合格率の数値自体も不安定になりやすい傾向にあります。
過去のデータを見ると、令和3年度は36.0パーセント、令和4年度は47.3パーセント、令和5年度は41.6パーセントと推移しており、40パーセント前後がひとつの目安となっています。しかし、試験制度の過渡期にある現在は、過去の平均値のみを頼りにするのではなく、新しい出題傾向や受験者層の動向を注視しながら対策を練る必要があります。
第二次検定の合格率推移をチェック
第二次検定の合格率は例年40パーセントから50パーセント程度で推移しており、第一次検定を突破した実力者同士の競い合いであることを考えると、非常に難易度の高い試験といえます。過去5年間の具体的な推移を辿ると、2021年度(令和3年度)は52.4パーセント、2022年度(令和4年度)は45.2パーセント、2023年度(令和5年度)は45.5パーセントでした。2024年度(令和6年度)は40.8パーセント、2025年度(令和7年度)は39.0パーセントとなっています。
この合格率の変動は、2021年の試験制度改正によって、より高度な応用能力や実務に即した判断力が問われるようになったことが背景にあります。特に記述式の問題では、単なる知識の暗記ではなく、現場での実務経験に基づいた論理的な文章構成力が厳しく評価される傾向が強まっています。
2025年度の1級施工管理技士第二次検定の結果を見ても、合格基準である6割以上の得点を確保することは決して容易ではありません。 受験者の約6割が不合格となっている現状を直視し、早い段階から経験記述の準備を進める必要があります。 合格率が40パーセントを下回る厳しい状況下では、過去の出題傾向を徹底的に分析し、採点者に伝わる具体的な記述対策を行うことが、合格を勝ち取るための絶対条件となります。
【2021年改正】試験制度変更は合格率にどう影響したか
2021年の建設業法改正により、施工管理技術検定の制度が大きく変わりました。
大きな変更点は、第一次検定の合格者に「技士補」の資格が与えられるようになったことです。
これにより、第一次検定のみの合格にも価値が生まれました。
1級・2級施工管理技士補の違いについては「1級・2級施工管理技士補の違いを比較」で詳しく紹介しています。
この変更に伴い、試験内容も見直され、第一次検定に応用能力を問う問題が追加されるなど、難易度が上がったと考えられています。
実際に、改正後の2021年度の第一次検定合格率は36.0%と前年から大幅に低下しました。
この制度変更は、受験者の学習戦略にも影響を与えており、1級建築施工管理技士補としてのキャリアも視野に入れた対策が求められるようになっています。
1級建築施工管理技士の合格基準は正答率60%
1級建築施工管理技士試験に合格するためには、定められた合格基準を満たす必要があります。
第一次検定、第二次検定ともに、原則として全体の得点が60%以上であることが合格の基準です。
ただし、試験の内容によって基準が若干異なるため、それぞれの詳細を正しく理解しておくことが重要です。
第一次検定で求められる合格ライン
第一次検定の合格基準は、全体の得点が60%以上であることです。
出題される問題の6割以上を正解する必要があります。
試験はマークシート方式で、建築学、施工管理法、法規など多岐にわたる分野から出題されます。
出題範囲が広いため、すべての分野を完璧にこなすよりも、過去問題の傾向を分析し、頻出分野で確実に得点できる実力を身につけることが合格への鍵となります。
第二次検定で求められる評価基準
第二次検定の合格基準も、第一次検定と同様に得点60%以上が目安とされています。
しかし、記述式が中心となるため、明確な採点基準は公表されていません。
特に合否を大きく左右する「経験記述」では、設問の意図を正確に理解し、自身の経験に基づいて論理的かつ具体的に記述する能力が評価されます。
単に経験を羅列するのではなく、品質管理や安全管理上の課題に対し、どのような工夫や対策を行ったかを明確に示すことが重要です。
合格率からわかる!1級建築施工管理技士に合格するためのポイント
1級建築施工管理技士の合格率データは、試験の難易度だけでなく、合格に向けた対策のヒントも示しています。
出題範囲が広く合格率が40%前後の第一次検定と、経験記述が鍵となりさらに合格率が絞られる第二次検定。
1級建築施工管理技士の試験勉強のコツについては「1級建築施工管理技士の試験勉強のコツ」で詳しく紹介しています。
それぞれの特性を理解し、戦略的に学習を進めることが重要です。
出題範囲が広い第一次検定は学習計画がカギ
第一次検定は、建築学、施工管理法、法規など、学習すべき範囲が非常に広範です。
そのため、やみくもに勉強を始めるのではなく、試験日から逆算した綿密な学習計画を立てることが、最短での合格に不可欠です。
全ての範囲を均等に学ぶのは非効率なため、過去問を分析して出題頻度の高い分野を特定し、そこから重点的に学習を進めるのが良いでしょう。
特に施工管理法は配点が高いため、優先的に取り組む必要があります。
合格率が低い第二次検定は経験記述の対策が最重要
第二次検定の合格率が第一次検定よりも低い傾向にある最大の要因は、「経験記述」問題の存在です。
この問題では、自身が経験した工事内容を基に、品質管理や施工の合理化といったテーマに沿って、具体的な課題や対策を論理的に記述する能力が問われます。
1級建築施工管理技士の試験合格の秘訣については「1級建築施工管理技士の試験合格の秘訣」で詳しく紹介しています。
一級の施工管理技士としてふさわしい実務能力と応用力を示すため、事前に自身の経験を整理し、複数のテーマで記述できるように準備しておくことが最重要対策となります。
独学が不安な場合は通信講座の活用も検討する
1級建築施工管理技士は独学での合格も不可能ではありませんが、特に働きながら学習時間を確保するのは容易ではありません。
学習計画の管理や、難解な箇所の理解、モチベーションの維持に不安を感じる場合は、通信講座の活用が有効な選択肢となります。
通信講座には、効率的に学べるカリキュラムや、専門講師による分かりやすい解説、経験記述の添削サービスといったメリットがあります。
これらを活用することで、学習の質を高め、合格の可能性を引き上げることができます。
1級施工管理技士 合格率に関するよくある質問
ここでは、1級建築施工管理技士の合格率や難易度に関して、受験を検討している方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
他の資格との比較や必要な勉強時間など、具体的な疑問にお答えします。
他の1級施工管理技士(土木・電気工事など)と比べて難易度は違いますか?
1級施工管理技士は建築、土木、電気工事など複数の種目に分かれています。合格率は種目や年度によって異なりますが、一般的に最終合格率が10%台になることが多いです。ただし、種目によっては最終合格率が30%を超える場合もあります。どの種目も監理技術者として大規模工事を担うための難関資格であり、専門分野に応じた深い知識と実務経験が求められます。
2級建築施工管理技士と比べて合格率はどのくらい違いますか?
1級は2級に比べて合格率が低く、難易度は格段に上がります。
2級建築施工管理技士の合格率は第一次検定で40〜50%、第二次検定で30〜40%前後で推移することが多いです。
一方、1級はいずれも40%前後ですが、求められる知識の深さや応用力、第二次検定の記述内容のレベルが高く、最終的な合格のハードルは2級よりかなり高くなっています。
2級建築施工管理技士の試験概要については「2級建築施工管理技士の試験概要」で詳しく紹介しています。
合格に必要な勉強時間の目安はどのくらいですか?
1級建築施工管理技士の合格に必要な勉強時間は、一般的に100時間から400時間程度が目安とされています。ただし、この時間には個人差があり、これまでの実務経験や専門知識の蓄積状況によって大きく変動します。例えば、すでに2級を取得している方や、日々現場で図面や法規に触れている方であれば、基礎知識があるため100時間から200時間程度の学習で合格ラインに届くケースもあります。一方で、実務経験が浅い方や試験勉強から長く離れていた方の場合は、300時間以上の徹底した対策が求められます。
試験は第一次検定と第二次検定に分かれているため、それぞれの配分を考慮した学習計画が不可欠です。第一次検定は出題範囲が非常に広いため、過去問を繰り返し解いてパターンを把握する作業に多くの時間を費やす必要があります。また、合格率が低くなりやすい第二次検定では、自身の施工経験を論理的に記述する練習が不可欠であり、文章構成を練るための時間も十分に確保しなければなりません。
忙しい社会人がこれだけの学習時間を捻出するには、隙間時間の活用が鍵となります。通勤中の電車内や昼休憩の15分から30分を積み重ねるだけでも、数ヶ月単位で見れば大きな学習量になります。試験日の半年前から準備を始め、1日1時間から2時間の継続した学習を習慣化することが、難関資格を突破するための最短ルートとなります。
まとめ
1級建築施工管理技士の合格率は、第一次検定・第二次検定ともに例年40%前後から50%前後で推移しますが、ストレートでの最終合格率は10%台と非常に低い難関資格です。
特に、実務経験を基に記述する第二次検定が大きな壁となります。
合格後のキャリアでは、監理技術者として大規模な建設プロジェクトを率いることが可能となり、活躍の場が大きく広がります。
本記事で解説した合格率のデータや推移を参考に、自身の現状を把握し、計画的かつ戦略的な対策を進めてください。
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