コロナ禍でも安定感抜群? “電気保安業界”が不景気に強いワケ

コロナ禍にも負けない電気保安業界

業界の中でも不景気に強いと言われている電気保安業界ですが、今回のコロナの影響はあるのかについてお話しします。

結論から言うと、ほとんどの方が「影響はないね」でした。

これは、今現在「影響はない」という意味ではなく、コロナ禍がこのまま1年くらい続いたとしても、事業をたたむことはないという意味です。

大きな影響はないものの、「点検をさせていただけない」や「感染のリスク及び感染の拡散に関してはかなり気を使う」といった苦労はされているようです。

では、なぜ影響がないといえるのでしょうか。

不景気に強い”ストックビジネス”

私たちの電気保安業界は、実はストックビジネスと言われる”売り上げが安定する仕組み”になっています。なので、ほとんどの方が「影響はないね」と言えてしまうのです。

通常の電気工事業の方は、仕事を完成させてお金が入る仕組みになっていますが、私たちの場合は、お客様の設備の保安を委託され、設備の安全を守る対価としてお金をもらう仕組みになっています。

そのため、工事が延期や中止になってもお金が入らないなどということはなく、契約が解除にならない限り毎月一定(もしくは年一括 等)の金額が入ってくるという仕組みです。

さらに私たちが安定する仕組みとして、在庫を持たない業種というのも不景気に強い理由ではないかなと思います。

点検するうえで必要な道工具はある程度お金のかかるものではありますが、一度揃えてしまえば10~20年くらい使い続けることができます。それ以外に在庫として持つものは、点検報告書用の印刷用紙くらいです。


抜群の安定感だが「一人勝ち」とはいかない

不況に強く電気全般にも詳しい私たちですが、業務を行ううえで3つのルールがあります。

  1. 保安業務以外の作業は、基本的にしてはならない
  2. 移動距離が2時間以内で到着する事業場のみ
  3. 換算係数をオーバーしてはならない

このルールがあるため、点検を無限に行うことはできません。また、保安業務以外の作業も禁止されているなどの制限もあり、いくらでも稼ぐということは難しいのもこの仕事の特徴かもしれません。

とはいっても、他の業種から比べても抜群に安定しており、世の中の景気に左右されないことは揺ぎ無い事実だと、今回のコロナ禍でも証明されたのではないかと思っています。

この記事のコメントを見る

この記事をSNSでシェア

こちらも合わせてどうぞ!
電験一種よりも厄介! 電気保安業界で働くために必要な「実務経歴」とは?
60代は若手、40代は赤ちゃん? 電気設備のお医者さん「電気保安業界」の異質すぎる人材事情…
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
「おばあちゃん家のコンセントを新しくしてあげたい!」 小学5年生の電気工事士が教えてくれたこと
非公開: 「42Vは”死にボルト”」電気設備の点検で出会った大事故の芽
「サブコンは残業が多い」は偏見! 定時で帰れる電気設備会社の「異例の働き方改革」とは?
工業大学電気工学科卒業後、工務店、工事店、電気保安法人、太陽光のO&M会社などを経て、今現在は某電気保安法人にて、営業しております。もちろん、保安業務従事者としての登録済み(受託案件は0件)。
また、お客様と保安業者をつなげるサイト「キュービクル 保安点検価格比較サイト」のコラム及び業務のアドバイスを担当しております。
技術的な話よりも、業界を知らない方向けのお話を中心に執筆できればと思っております。
モバイルバージョンを終了