建築基準法で"現場の禁煙"を義務化しろ! コロナ禍でも密集してタバコを吸うオジサンたち

建築基準法で”現場の禁煙”を義務化しろ! コロナ禍でも密集してタバコを吸うオジサンたち

マスクを着けずに集合、駐車場ですぐに喫煙

昨年、地下1階、地上8階の複合ビルの改修工事を行いました。そして今年5月のゴールデンウィーク明けに、各下請け業者に集合を掛けて、機械設備工事なども含めて1年目の点検を実施することになりました。

ただ、5月頭と言えば、世界的にコロナ感染にかなり敏感な時期。工事関係者の皆さんも、さすがに予防対策をして来るだろうと期待しながらも、正直、一抹の不安も抱えていました。

当日は、私が早めに到着。管理室で鍵の解除を依頼し機械室、ボイラー室など、点検準備をしていると、下請け業者の職長さんたち3人が到着。皆さん、マスクと手袋を着用されていたので一安心しました。

ところが・・・その後、到着した年配の職人さんはマスクも手袋も身に付けず、タバコを吸いながら車を降りてきたんです。続けて、中堅クラスの40代職人さんたちが4人ほど集まってきましたが、こちらも4人中3人がマスク着用せず!

見かねて「マスク着用しないとダメですよ」と声を掛けましたが、「密集することないから要らないじゃないか」と反論されてしまい、仕方なくチェック用紙をそれぞれに配り、順番を説明しました。

そして「さっそく各自の持ち場へ」と言おうとした次の瞬間、私と下請けの職長1人を除く6人が、駐車場で作業前の一服を始めたんです。

いくら屋外の駐車場だからって、思いっ切り密集空間。オジサンたちが集まって「次の現場は決まったの?」など雑談しながら喫煙してる様はまるで、同業者オジ会?のようです。

彼らのタバコの火が消えるまでしばらく待っていると、誰かが「そろそろ行くか」と声を上げ、ようやく作業がスタートしました。

禁煙ポスターと選挙ポスターは同じ。誰も見てない

今回の点検は、持ち場によって早い人なら40分ほどで終わる程度のものだったので、私はそれぞれの作業状況を撮影しながら、30分後に集合場所へ行きました。

すると、集合場所では職人さん3人が一服しながら新しく買った工具の自慢話をしていました。私は「もう点検は終わったんですか?」と尋ねると、「ウエスを探しにきて、今戻るところよ」と言います。

「ただタバコを吸いに出てきただけじゃないか?」と内心思いながらも「お願いしますよ」と言うと、「はいはい」と気だるい返事だけが返ってきました。

その後、スタートから1時間20分ほど掛かって、ようやく点検は終了。その間、私が見ただけでも8本のタバコの吸いガラがありました。

昔の現場は、厳ついオジさんたちがタバコを咥えながら作業して、常に灰皿が溢れていたような、独特の風景でした。しかし、今も固定された灰皿が撤去されただけで、本質は変わっていません。現場の禁煙ポスターなんて、選挙ポスターと同じで誰も見ていません。

こんな調子では、建設業界で働く方々はいつか新型コロナウイルスや肺がんに侵されてしまうんではないか?と心配しながらも、せめて私が関わってきた方々の長生きを願うばかりです。

せめて、60歳以上の方々には、建築基準法で「禁煙」を定めていただきたいです。

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