現場監督はヒマなんです
職人さんが現場で汗を流しながら働いている。その横を、涼しそうな顔で現場監督が通過する。
特に若い職人さんに幾度となく言われました。
「監督ってヒマなんすか?」
僕はいつもこう答えていました。
「ヒマです」と。
今日は、そんなお話をします。
「今」がヒマなだけ
実を言うと、現場監督はヒマなんです。本当です。もちろんそうじゃない人もいますが、でも基本はヒマです。
ですが、「そんなんで高い給料取りやがって!」と怒るのはちょっと待ってください。ヒマなんですが、ただめちゃくちゃ忙しくもあるんです。
現場を見渡してみる時、職人さんは「今」忙しいですよね。ですが、監督は「今」はヒマなんです。これがポイント。
時間を1日さかのぼってみましょう。この現場に関して、職人さんは「昨日」はヒマだったはずです。でも、現場監督は「昨日」まで、忙しかったんです。
僕の言いたいこと、少し見えてきましたか?
そうです。現場監督は段取り屋。職人さんが働き始めるまでの間に、その準備をしていくのが僕らの仕事です。準備は、前日までに終わらせておくものですよね?
つまり、今現場で起こっていることに対して、今忙しかったらマズいということ。それは、準備ができていないのに、職人さんが入ってきたことになるからです。
要するに、現場監督の仕事ぶりに関して言うと、ここで今起こっていることは、もう過去のことなのです。
働いている時間帯が、職人さんと現場監督とで“ズレている”だけの話です。
ヒマな現場監督こそ優秀?
とはいえ、めちゃくちゃ忙しいとも言いました。
もうお分かりだと思いますが、確かに今ここで職人さんが働いている内容に関しては準備は終わっています。
ですが、同時に次の仕事の準備をしている真っ最中だともいえますよね。ゆえに忙しいという意味です。
あなたが職人さんであれば、現場監督に何か質問して「ちょっと確認します!」って言われたことないですか?そして、ずーっと待たされた…なんて経験。
それはつまり「今」のことを、現場監督が「今」やっているから、そういうことになるんです。
もし今働いている現場で、皆さんの仕事が止まることなく進められて、かつ現場監督がヒマそうだったとしたら、それは監督が優秀だということ。
「ここの監督忙しそうだな」と思った時、一見すると、よく働く現場監督、頑張っている現場監督と思ってしまいがちです。
でも、僕の言っている理屈から考えると、全然段取りが終わっていなくて、普段頑張っていない現場監督なんだと思ってしまうわけです。
しっかり準備をしてあれば、「確認します!」は必要ありませんよね?
現場監督は、先回りするのが仕事。だから職人さんが来る前までが忙しく、残業するんです。だからこそ、「今」はヒマだということ。
今日の残業は明日のためです。ぜひ覚えといてください。
※この記事は、『 【インスタで学べる】1日たった3分で学べる建設コラム 』の記事を再編集したものです。