アスファルトシングルとは?メリットやメンテナンス方法を解説

アスファルトシングルとは?メリットやメンテナンス方法を解説

日本ではあまり馴染みがないアスファルトシングルですが、アメリカやカナダなどの海外では一般的な屋根材です。アスファルトシングルは、防水性や防音性、耐震性に加えてデザイン性も優れています。

劣化により、剥がれや破れが生じるため、美しい外観を保つために定期的なメンテナンスが大切です。この記事では、アスファルトシングルの特徴やメリット・デメリット、メンテナンス方法を紹介します。

アスファルトシングルとは?

アスファルトシングルとは、100年以上前に北米で開発され、アメリカやカナダでは一般的に使用されている屋根材です。アスファルトシングルは一般的に、アスファルトをガラス繊維(グラスファイバー)の機材にコーティングし、砂粒で表面を着色して作ります。

アスファルトシングルと混同しがちなアスファルトルーフィングは、下葺き材に使用する防水シートを指すためアスファルトシングルとは別物です。では、アスファルトシングルの特徴を解説します。

アスファルトシングルが向いている人

アスファルトシングル材は、デザイン性を重視する人や屋根の形状に合わせて施工したい場合に適しています。北米では一般的なアスファルトシングルですが、耐震性が高いことから地震の多い日本にも適した屋根材です。

耐震性だけでなく、防水や防音にも優れているアスファルトシングルですが、住宅環境によっては向かない場合もあります。

アスファルトシングルの耐用年数は10~30年

従来では、アスファルトシングル屋根の耐用年数は10~20年ほどと、耐久性が低い素材として認識されていました。しかし、現在では技術の発達により耐久性が高まり、耐用年数は30年ほどです。

しかし、住宅環境によっては10~20年単位で、張り替えやカバー工法といった修繕が必要になる場合があります。ちなみに、アスファルトルーフィングの耐用年数は屋根材の種類に関わらず20年程度です。

つまり、アスファルトシングルに限らず、どの屋根材を使用しても、20年後には葺き直しや葺き替えが必要になる可能性があります。

アスファルトシングルの相場価格

アスファルトシングルの施工費は、使用する商品によって異なりますが、1平方メートルあたり5,000円程度が相場価格です。内訳は、既存屋根の修理や撤去、屋根材、足場などの費用がかかります。

屋根の広さや既存屋根の種類など、施工条件によって費用は異なるため、事前に依頼する業者に見積もりをもらいましょう。

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アスファルトシングルのメリット2つ

アスファルトシングルのメリットは、防水・防音・耐震性に優れている点と施工しやすい点です。

屋根は外の影響を受けます。屋根が雨水に弱いと雨漏りし、建物の内部が腐敗するため、防水面は非常に重要です。

さらに、地震が多い日本において、耐震性が高い素材だと長い間住み続けることができて安心です。では、アスファルトシングルを使用する2つのメリットを見てみましょう。

メリット1.防水・防音・耐震性に優れている

アスファルトシングルには、仕上げ材に防水シートを使用しています。

ガルバリウム鋼板やトタンといった屋根材では、防水シートを固定する際に釘やビスを多数使用します。防水シートに無数の穴をあけるため、雨漏りのリスクが少し高まります。

一方、アスファルトシングル屋根では、防水シートを専用のセメントを使って固定するため、穴を開けない施工が可能です。

また、多くのアスファルトシングルの表面に施されている天然石によって雨音を抑えます。さらに、屋根瓦に比べて軽いアスファルトシングルは、建物全体に負担がかかりにくいため耐震性が高い点も大きなメリットです。

メリット2.施工や加工が簡単

アスファルトシングルは、柔らかく薄いシートのため、カッターやハサミでも切ることが可能です。曲面にも貼り付けできるため、複雑な形状の屋根でも簡単に施工できます。

扱いやすいことから、屋根材としてだけでなく物置などのDIYにも使用可能です。色の種類も豊富なため、自身の好きなデザインに自宅をリフォームできます。

アスファルトシングルのデメリット2つ

性能が高く、施工しやすいアスファルトシングルですが、デメリットも存在します。主なデメリットは、表面の小石が剥がれる点と施工できる業者が少ない点です。

強風の影響により、防音機能を担う表面の天然石だけでなく、アスファルトシングルそのものも剥がれたり破れたりする恐れもあります。では、アスファルトシングルを使用するとどのようなデメリットが発生するのか見ていきましょう。

デメリット1.強風によって表面の小石が剥がれる

アスファルトシングルは天然石を使用している場合が多く、劣化すると表面の小石が剥がれ落ちてくる可能性があります。さらに、6mmほどの薄いシートのため、強風が吹くと剥がれたり破れたりする場合もあるでしょう。

施工には、耐久性を確保するために技術が必要になるため、10~15年ごとのメンテナンスをおすすめします。

デメリット2.施工できる業者が少ない

日本では、あまりアスファルトシングルが普及していないため、取扱いに慣れているリフォーム業者が多くありません。そのため、張り替えや葺き替えをしたくても業者がなかなか見つからないこともあるでしょう。

定期的にメンテナンスすることで、仮に異常が起きた場合でも簡単な修理で対応できるため、事前にアフターメンテナンスに対応してくれる業者を探しておくことも大切です。

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アスファルトシングルのメンテナンス方法

定期的にメンテナンスすると、耐用年数を延ばせるだけでなく、異常が起こったときの対応が楽になります。期間は10~15年ごとに1回のメンテナンスがおすすめです。

とはいえ、いつ異常が発生するかわからないため、事前に施工方法を知っていればスムーズな対応が可能です。では、アスファルトシングルのメンテナンス方法を3つ紹介します。

屋根葺き替え(張り替え)

アスファルト材や屋根の下地が劣化している場合は、屋根葺き替え(張り替え)をおこないます。屋根葺き替えでは、既存の屋根材・下地材を撤去するためコストや工期がかかりやすいです。

施工の流れとしては、既存の屋根材や下地材を撤去したあと、新しい防水シートを張ります。防水シートの上にアスファルトシングルを敷き、棟部部品を設置して完了です。

屋根カバー工法

表面の屋根材は劣化していても、下地に問題がない場合は、上から新しい屋根材を重ねる屋根カバー工法をおこないます。既存の屋根材や下地材を撤去しないため、コストや工期を抑えることが可能です。

しかし、アスファルトシングル自体は軽量なものの新たな屋根材を重ねるため、屋根自体の重量が増えてしまうデメリットもあります。

塗装

表面の石粒が剥がれる場合や屋根材を保護したい場合には、塗装をおこないます。アスファルトシングルに塗装する際には、基本的に水性塗料を使用。油性塗料を塗ってしまうと、アスファルトの成分が溶けてしまう恐れがあります。

塗装は屋根葺き替えや屋根カバー工法に比べてコストがかかりません。屋根材の防水性・耐久性、美しい外観を保つには、定期的に塗り替えをおこなうことが重要です。

アスファルトシングルは10~15年でメンテナンスが必要

この記事では、アスファルトシングルの特徴やメリット・デメリット、メンテナンス方法を紹介しました。アスファルトシングルは、防水性が高く軽量で施工しやすい反面、強風により剥がれや破れが生じる可能性があります。

アスファルトシングルの耐用年数は、10~30年ほどですが、下地に使用するアスファルトルーフィングや塗装が劣化するため、10~15年ごとにメンテナンスをおこなうと良いでしょう。防水性や防音性、外観の美しさを保つには、定期的にメンテナンスが大切です。

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