測量士の年収はどれくらい?年収アップ方法やおすすめの資格を紹介

この記事では、測量士としての収入水準、年収アップの方法やおすすめの資格などをまとめています。

これから先の具体的なキャリアパスや収入アップへの一歩を踏み出したいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

測量士の年収

政府統計の総合窓口(e-Stat)の令和4年賃金構造基本統計調査を参考に計算した測量士の年収は、約487万円です。

民間事業所の産業計から計算した平均年収は496万円ですので、測量士は全体から見て平均的な年収に位置しているといえます。

ここからは、測量士の年収を企業規模・年齢・地域別に確認していきましょう。

企業規模による測量士の年収差

きまって支給する現金給与額

(月額、単位:千円)

年間賞与その他特別給与額

(年額、単位:千円)

年収

(年額、単位:円)

企業規模計

(10人以上)

327.4 943.1 4,871,900
1,000人以上 403.9 1325.5 6,172,300
100~999人 327.3 1132.6 5,060,200
10~99人 323.0 903.4 4,779,400

※政府統計の総合窓口(e-Stat)「令和4年賃金構造基本統計調査」をもとに作成

同じ測量士として働いていても、所属している企業の規模で年収に差が出てくることがわかります。

測量士だけではありませんが、企業規模が大きな企業に勤めている人ほど、年収が高くなる傾向にあります。

年齢による測量士の年収差

きまって支給する現金給与額

(月額、単位:千円)

年間賞与その他特別給与額

(年額、単位:千円)

年収

(年額、単位:円)

全年齢平均 327.4 943.1 4,871,900
  ~ 19歳 189.9 155.8 2,434,600
20 ~ 24歳 219.6 531.3 3,166,500
25 ~ 29歳 279.0 725.9 4,073,900
30 ~ 34歳 284.9 874.3 4,293,100
35 ~ 39歳 313.5 913.5 4,675,500
40 ~ 44歳 356.5 1184.8 5,462,800
45 ~ 49歳 359.8 1198.4 5,516,000
50 ~ 54歳 385.9 1097.7 5,728,500
55 ~ 59歳 381.7 1252.5 5,832,900
60 ~ 64歳 377.2 782.8 5,309,200
65 ~ 69歳 299.4 589.8 4,182,600
70歳~ 231.0 315.0 3,087,000

※政府統計の総合窓口(e-Stat)「令和4年賃金構造基本統計調査」をもとに作成

年齢による年収差は、企業規模に関わらず10代から年齢を重ねるごとに上昇し、55~59歳で一度ピークを迎え、そこから減少していきます。

50代は勤務年数もピークに達する年齢であることから、しっかりと同業界で経験を積み、周囲から頼られるようなキャリア形成が完了した年齢と考えられます。

地域による測量士の年収差

きまって支給する現金給与額

(月額、単位:千円)

年間賞与その他特別給与額

(年額、単位:千円)

年収

(年額、単位:円)

北海道 285.0 852.2 4,272,200
東北 301.9 931.4 4,554,550
関東 343.6 895.1 5,018,486
中部 333.6 815.5 4,819,111
近畿 370.4 870.2 5,314,529
中国・四国 312.8 1209.8 4,962,822
九州・沖縄 311.9 951.9 4,694,875
全国 327.4 943.1 4,871,900

※政府統計の総合窓口(e-Stat)「令和4年賃金構造基本統計調査」をもとに作成

地域による年収差は大きく、近畿地方と北海道の場合、年収に100万円以上の差が出ています。

開発の続く都市部や都心ほど、測量士の仕事も多く、年収に影響を与えていることがわかります。

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測量士と建設業界の他職種との年収比較

測量士の年収が他の建設業界の職種と比べてどのくらいなのか確認してみましょう。

きまって支給する現金給与額

(月額、単位:千円)

年間賞与その他特別給与額

(年額、単位:千円)

年収

(年額、単位:円)

建築技術者 410.2 1281.2 6,203,600
土木技術者 386.3 1096.5 5,732,100
測量技術者 327.4 943.1 4,871,900

※政府統計の総合窓口(e-Stat)「令和4年賃金構造基本統計調査」をもとに作成

建設業界の建築技術者、土木技術者と比較すると、測量技術者は年収が低めといえます。しかし、測量士として技術や経験を身につけ、資格取得することで給与アップを目指せます。

また、将来独立し、案件数や案件の幅を広げることで、年収アップも期待できます。

測量士の年収アップ方法

年収アップのためには、自分のキャリアプランをしっかりと決めて行動することが大切です。

社内で大きな仕事を任せてもらえる役職を目指すのか、活躍の場を求めて大きな企業へと転職するのか、独立を目指すのかによってとるべき行動は変わってきます。

測量士の年収アップに効果的な方法をいくつかあげてみましたので、ぜひ参考にしてください。

資格の取得

独立や転職の際に役立つ資格や測量士としての技術を高める資格など、取得することで年収アップにつながることは多くあります。

また、施工管理技士や行政書士など一見すると測量士とは関係が薄く見える資格でも、会社によっては重要視している会社もあるため、自分のキャリアプランに合った資格に挑戦しましょう。

長所を伸ばす

測量士の仕事は、AIやドローン技術の導入によるIT化が顕著な職業です。これらの最新技術をいち早く身につけて活用することで、社内外から頼られる測量士になることができます。

ほかにも「資料の作成が速くて正確である」「関係者への説明や営業力が高い」「税務関係の処理もできる」など、自分の得意なことを伸ばしていきましょう。

社内評価を上げる

測量士の技術を上げることは重要なことですが、残念ながら技術の向上だけで年収が上がるとは言い切れません。測量を一緒に行う補助者との関係や、同じチームのメンバーや上司に自分の能力を認めてもらうことが重要です。

過度に関わりを持つ必要はありませんが、良い人間関係を構築することは、年収アップや独立する際の顧客確保や協力関係にもつながります。

独立する

独立は年収をアップするために効果的な方法です。自ら案件の獲得から測量、測量計画の策定や製図といった一通りの作業を行うことで、利益を最大化することができます。

その分すべての責任が自分にかかってきますので、独立前の準備が非常に重要です。独立するためには、前述した3つの年収アップの方法を含め、資金調達や法律の勉強などより高い知識とスキルが求められます。

年収アップするためにおすすめの資格

年収をアップするためにおすすめの資格をいくつかご紹介します。

測量士・測量士補

測量士補の資格を取得して測量士の仕事を始めた方は、測量士の資格取得を目指しましょう。測量士補は測量計画の策定を行うことができず、測量法の定める「測量士を営業所ごとに一人以上置かなければならない」という要件を満たすことができません。

測量士を取得することで転職や独立、事業の拡大による営業所の増設に伴う測量士の配置の際に有利になったり、年収のベースアップにつながったりということが考えられます。

関連記事:測量士・測量士補とはどんな資格?仕事内容や難易度、年収も全て解説

土木施工管理技士

測量は土地を測量して全体の基準を作る作業のため、土木作業の際に必ず必要になります。工事全体の流れを把握し管理を行う土木施工管理技士を取得することによって、全体の把握や測量計画をより正確に行うことができます。

測量士と施工管理技士といった複数の角度から判断できるようになることで、より自身の価値を高めることが可能です。

土地家屋調査士

土地家屋調査士の資格を取得することで、土地の権利や利用に関する評価や登記の申請手続など、仕事の範囲が広がります。

土地家屋調査士の資格は、測量士にとって家屋の価値や法的処理の専門性を高めることができるため、キャリアアップや年収のベースアップにつながります。

ドローン操縦の資格

ドローン測量を行う際、必ず所持していなければならない操縦資格はありません。

また、2022年12月からドローンの国家資格が導入されましたが、取得が必須とされているわけではありません。ですが、民間資格では必要な一部飛行申請の手続きが不要または簡略化されるのが、国家資格を取得するメリットです。

国家資格の無人航空機操縦士や民間資格のドローン測量管理士、ドローン測量技能士を取ることで、ドローン測量の技術や知識が一定以上あるという判断基準として有効です。ドローン操縦の資格を取得することで、技術の進化に対応し、業界内での自分の市場価値を高めることができます。

まとめ

測量士は、土地の距離や角度、高低差などを計測して地形図を作成することで土地を活用できるように準備、建設する際に必要となる重要な仕事です。

企業規模や年齢、地域によっても差がありますが、測量士の平均年収は487万円で、民間企業としても平均的な年収に位置しているといえます。

資格取得やIT技術などを取り入れることで、さらに仕事の幅を広げて年収を伸ばすことが可能です。自分の長所を磨いたり、経験や知識を身につけることで年収アップを目指すことができますので、積極的にスキルアップに取り組んでいきましょう。

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