1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策2

1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策 土工「土の現場試験」の出題傾向

第2回目となる1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策では、1級土木施工管理技術検定試験のうち、土工(土の現場試験)の問題について出題傾向と注意すべきポイントをお伝えします。

毎年、土の現場試験に関する問題では、「試験の名称・求められるもの・試験結果の利用・適用土質」の組み合わせ、もしくは文章での説明が出題されます。中でも最も出題される問題は「サウンディングにおける適用土質」です。

土質試験には大きく分けると「探査試験」「単位体積質量試験」「各種サウンディング試験」「載荷試験」とその他透水や含水に関する試験などがあります。

では順に説明していきます。

原位置試験(現場試験)の暗記ポイントと練習問題

ここ数年、弾性波探査・電気探査は、出題なし。1級土木施工管理技士試験でも、2級土木施工管理技士試験でも出題されていません。

なので、下図を参考に、「弾性波探査 → 弾性波速度」 「電気探査 → 比抵抗値」の組み合わせを覚えておけばOKです!

◎弾性波探査・電気探査の暗記ポイント

  試験の名称   求められるもの   試験結果の利用   適用土質 ・ 備考
  弾性波探査   弾性波速度 岩盤地盤等の地層の種類・性質

リッパビリティー

  電気探査   比抵抗値 地下水・金属鉱床・断層の状態

【余談コーナー】 ○○ビリィティーについて 

土木では〇〇ビリティーという用語がよく出てきます!

○○ビリィティーというのは、「〇〇+アビリティー(能力)」のことで、○○しやすさ、○○できる能力を表します。

例)

  • リッパビリティー…リッパ作業のしやすさ、作業性。
  • トラフィカビリティー…トラフィック アビリティー 交通しやすさ→建設重機の走行性
  • ワーカビリティー…コンクリートの作業しやすさ。コンクリートの流動性
  • フィニッシャビリティー…コンクリートの仕上げやすさ。

単位体積質量試験(砂置換法・コアカッター法・RI法)の練習問題

次は単位体積質量試験の出題についてです。

◎単位体積質量試験(砂置換法・コアカッター法・RI法)の暗記ポイント

  試験の名称   求められるもの   試験結果の利用   適用土質 ・ 備考
単位体積質量試験 湿潤密度

乾燥密度

 締固めの管理 砂置換:粘性土以外

コアカッター法:粘性土

RI法:土質問わず同時に含水比と密度の測定可

【練習問題】次の記述は正しいでしょうか、誤っているでしょうか?

  • 現場密度を測定する方法には、ブロックサンプリング、砂置換法、RI 計器による測定があり、現場含水量と同時に測定できる方法は砂置換法である。

→これは×になります。

現場密度を測定する方法には、砂置換法、コアカッター法(ブロックサンプリング)、RI 計器による方法がありますが、現場含水量と同時に測定できる方法はRI 計器による方法だけ!

砂置換法・コアカッター法は、現場で採取した試料を持ち帰り乾燥炉にかけ、水分を飛ばした状態との質量の差を計測することで含水量を求める。

RI計器はあらかじめ、計測ポイントのデーターを入力しておくことで、現場で含水量と密度を同時に測定することができる。

各種サウンディング試験の暗記ポイント

1級土木施工管理技術検定試験では、このサウンディング試験からの出題頻度が一番高いです!

特に適用土質がポイントです。よく覚えましょう!

■標準貫入試験

  • ハンマーを自由落下させ、ボーリング孔先端地盤中のサンプラーを30cm貫入させるのに要する打撃回数(N値)を求める、動的荷重による試験。
  • 土の硬軟・構成土層を調べる試験だが、N値はデータの蓄積が多いことから、砂質土では相対密度・許容支持力・変形係数、粘性土ではコンシステンシー・一軸圧縮強さなども判別できる。
  • 幅広い土の性状に関する事項を判別することできるが、透水係数は判別できない!透水係数がでてきたら×。

■スウェーデン式サウンディング

  • 静的荷重を順次かけ地盤中に貫入させて、その時の荷重と貫入量の関係を記録する。
  • 最大の加入をかけても貫入しなくなったところで、ロッドを回転させて、さらに25cm貫入させるのに要する半回転数と貫入量からN値を換算して求める。
  • 適用土質は柔らかい地盤…設問に「堅い」という文字や「礫質層」という文字などが入っていると×。

■ポータブルコーン貫入試験(コーンペネトロメーター試験)

  • コーンを装着したハンドルの付いた貫入棒を人力により地中に貫入させ、その時のコーン貫入抵抗値からコーン指数を求める。

■オランダ式二重管コーン貫入試験

  • コーン指数を求める試験で、比較的硬い地盤(N値30程度)にも適用される。
  • 試験での出題頻度は低い。試験方法などの詳細の出題はないので覚えなくてOK。

■ベーン試験

  • 十字型の羽根(ベーン)を地盤中に押し込み、ロッドを回転させてベーンが地盤をせん断するときの抵抗から粘性地盤のせん断強さや土の粘着力を求める。

◎サウンディング試験の暗記ポイント

試験の名称 求められるもの 試験結果の利用 適用土質 ・ 備考
標準貫入試験 N値 土の硬軟、支持層、

構成土質、コンシステンシー、一軸圧縮強さ等

最もよく使われる試験

土質・深さ問わず試験可能

スウェーデン式サウンディング (換算)N値 土の硬軟 深さ10m程度の軟弱地盤
ポータブルコーン貫入試験 コーン指数 トラフィカビリティーの判定 軟弱地盤の表層
オランダ式 二重管コーン貫入試験 コーン指数 土の硬軟(砂層の支持力や粘性土の粘着力の推定) 比較的硬い地盤
ベーン試験 粘着力 細粒土の斜面や基礎地盤の安定計算 軟弱地盤

※サウンディングとは、土の性状の調査を意味します。

1級土木施工管理技士「サウンディング試験」の練習問題

【練習問題】次の記述は正しいでしょうか、誤っているでしょうか?

  • 標準貫入試験の結果は、砂の相対密度や粘性土のコンシステンシーの推定することができる。

→これは〇です。標準貫入試験で求められるN値の実績により推定できます。

  • スウェーデン式サウンディング試験の結果は、堅い砂質土層や堅い粘性土層の層厚を推定する場合に用いられる。

→記述の中に『堅い』が出てくると×でしたよね!適応土質は柔らかい地盤!

  • ベーン試験は、主として硬い砂地盤のせん断強さを求めることができ、ボーリング孔を用いて行う。

→これも×。ベーン試験も羽根を土中に突き刺して回転する試験なので硬い砂地盤には羽根が入りませんよね。

平板載荷試験・CBR試験の暗記ポイント

次は、平板載荷試験と、現場CBR試験について。

どちらも盛土の締固めの管理や支持力の確認などに用いられる試験です。床付け面や盛土など表面で行う試験のため、適用土質を覚える必要なし!

強度を図る試験なので、緩い地盤で使用することはほとんどないが、すべての土質に適用可能。

■平板載荷試験

荷重計上部に荷重(鉄板の上に重機などを載荷)をかけ、固定した状態で、段階的にジャッキにより荷重をかけ、荷重に対する地盤の沈下量を求めることで、地盤反力係数を求める試験。

■現場CBR試験

現場CBR試験は、平板載荷試験と試験方法は類似している。詳細を覚える必要なし。どちらも盛土の締固めの管理や支持力の確認などに用いられる。

◎平板載荷試験と現場CBR試験

  試験の名称   求められるもの   試験結果の利用
  平板載荷試験   地盤反力係数 締固めの管理・地盤の支持力確認
  現場CBR試験   CBR(支持力)

【余談コーナー】 CBR試験について

CBR試験には、現場CBR試験以外に、室内CBR試験があります。

室内CBR試験には、設計CBRと修正CBRがある。

◎室内CBR試験

設計CBR  舗装の厚さを決定
修正CBR  路盤材料の評価や選定

試験問題では、ただ単に「CBR」と記載されることもあるが、どれを指しているか不明の場合がある。

その場合、どれかに当てはまれば〇である。要注意!

 

↓2017年度 1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策 総目次はこちら↓

この記事のコメントを見る

この記事をSNSでシェア

こちらも合わせてどうぞ!

関連記事はありません

大阪工業大学を卒業後、某ゼネコンに就職。現在、一般社団法人全国教育協会(関西建設学院)にて土木・建築施工管理技士の資格取得セミナーの講師を担当している。体育会系で勉強が好きではなかったため、「勉強が苦手な人にわかりやすい解説」をモットーに、業界No.1講師を目指して修行中!
ひげごろーTwitterアカウントはこちら → https://twitter.com/LICEN0202