国道沿いで水道管の入れ替え工事
私は現在、大阪府某市の国道沿いで水道管の入れ替え工事を請け負っている現場代理人です。
施工管理を中心に苦労の日々を過ごしていますが、なにが一番苦労するかというと、それは工事の騒音対策です。
工事する側としても、好き好んで騒音を出しているわけではありませんし、音を出す側にもそれなりに大きなストレスが掛かってくるわけです。
国道の歩道部に既設の水道管が埋設されていて、それを撤去しながら新しい水道管を敷設していく工法なのですが、まずは仮設の水道管を敷設して、吸水管を切り替えることで既設の水道管を撤去していきます。
新設の水道管は、耐震管GX形のΦ100~200までの管となっています。歩道の幅員は約2メートル。
当然、他の埋設管も複雑に埋設されています。NTTやガス管、汚水管、さらに不明管もありまして、まともに進捗があがりません!
水道管の敷設工事で「エンジンカッター騒音」がやばい!
国道沿いの工事ということもあり、工事できるのは夜間となります。時間は夜の10時から、翌朝の6時まで。
施工開始から約1~2時間後に、既設の水道管の撤去をスタートし、新設の水道管を敷設していくわけですが、まず既設の水道管を撤去するために、エンジンカッター(ハンドカッター)で切断します。
そのエンジンカッターの音と言ったら、うるさすぎ!
昔の水道管の土被りは1.2mくらいなのですが、新設の水道管の設計の土被りは0.8mです。なので、撤去の必要はなさそうなのですが、管轄の国道事務所の指示で全撤去なのです。
夜中の国道に響きわたるエンジンカッター音
2m程度に切断して、既設の水道管を撤去していきます。
まだ既設の水道管の撤去は、掘った穴の中なので、エンジンカッターの音はマシな方。
やばいのは新設の水道管です。
新設の水道管を敷設する時は、障害物をかわすために、曲管などで法線を変えながらの敷設をするわけですが、その時は直管を切断して配管します。
当然、堀穴の中での切断と違って、エンジンカッターの切断音が、夜中の国道沿いに響きわたります。
工事進捗と騒音クレームの関係
普段、直管だけの敷設ですと、既設の水道管の撤去のための切断だけで、工事の進捗も40mくらい進みます。
そうすると施工の場所も、だんだん他の場所へ移動していくわけですから、例えば、国道沿いに民家があっても苦情を言ってくる人はいません。
「一晩くらいは・・・」と我慢してくださっているのでしょう。それでも工事による騒音は相当なものだと思います。
エンジンカッターの音だけでなく、転圧機械の音や振動など、本当に迷惑をかけています。
でも、騒音を出すほうだってツライ!
一晩中、エンジンカッターで切り管だらけ!
ある晩、とうとう国道沿線のマンションの住人の方が苦情を言ってきました。
「もう、かんべんしてくれ!」
発注者である○○市に明日苦情の電話をかける、と相当な怒りようでした。
それもそのはず。ちょうどそのマンションの目の前が、交差点になっていて、この水道工事の中で一番の難所だったのです。
国道を横断して敷設しなければいけないし、国道から市道部にも連絡しなけければならず、結局、そのマンションの前だけで、4日ほどかかってしまいました。
その3日目の晩に苦情がきました。
ICT施工より静かなエンジンカッターを希望
「工事の事は理解していたけど、これだけ目の前で音出されたら、我慢にも限度があるやん!酒飲んで寝たのに目が覚めた。子供も起きてしまった!もう我慢できん!特にあのジャーン!て音なんとかならんの?」
はい、その音の主こそ、このエンジンカッターです!
交差点の配管は特に入り組んだ複雑な配管になりました。切り管だらけ!一晩中、エンジンカッターでの切り管でした。
確かに私が住人だとしても、とても我慢ならないでしょう。住人の方には頭を下げ続けて、なんとか許してもらいました。
だから・・・なんかええのないん?
これだけいろんな分野で、画期的な機械や商品が開発されているのに、キールカッターもあるけど、それでは工事は終わらん!
誰か教えてくれませんか、静かな鉄管切り~!
これは、ICT施工よりも早く実現してほしい、工事現場からの切実な願いです。
あ~、早く楽になりたい!