この記事では、コンクリート打設の基本的な手法と技術について詳しく解説します。
コンクリート打設の際に重要なポイントや注意すべき事項を紹介し、耐久性の高い施工を実現するためのステップを順を追って説明します。
コンクリート打設とは
コンクリート打設は、建築や土木工事において基盤や構造物を作る際に行われる重要な工程です。コンクリートは、セメント、骨材(砂や砂利)、水、添加剤から成ります。
その性質から、堅固で耐久性のある建築材料として広く使用されています。コンクリート打設は、これらの材料を適切な割合で混ぜ合わせ、所定の場所に注入して固める作業を指します。
コンクリート打設の目的
コンクリート打設の主な目的は、建築物や構造物の基盤や部分的な構造を形成し、耐久性や安定性を確保することです。例えば、建物の基礎、道路、橋、トンネル、ダムなど、多岐にわたるプロジェクトでコンクリート打設が行われます。また、コンクリートはその特性から防音性、耐火性、耐蝕性など、さまざまな要件を満たすためにも利用されます。
コンクリート打設は、打設厚や密度、硬化時間などの要因がコンクリートの品質に影響を与えます。また、気温や湿度、風などの気象条件も注意が必要な要素です。適切な技術と注意深い計画によって、コンクリート打設の品質と耐久性を確保することができるため、専門的な知識や技術が必要になります。
コンクリート打設は建築プロジェクトの基本的な工程の一つであり、適切な準備と専門知識を持つ作業員によって行われることが重要です。次のセクションでは、コンクリート打設の具体的な手順と工程について詳しく説明します。
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コンクリート打設の手順と注意点
コンクリートの十分な強度を実現するためには、正確な手順と丁寧な作業が極めて重要です。
ここでは、コンクリート打設の具体的な手順と工程について詳しく説明します。
1.打設方法の選定
コンクリートを打設する方法は、主に2種類あります。コンクリートポンプ車で圧送するコンクリートポンプ工法と、コンクリートを入れたバケットを打設位置までクレーン等で移動させるコンクリートバケット工法です。
打設規模や現場条件から、どちらの工法が適しているかを検討し、選定しましょう。
2.打ち込み準備
施工計画に合った型枠や鉄筋が配置されているかを確認します。適切に配置されていないと、完成した建物の強度不足につながる可能性がありますが、打ち込み後の修正は困難であるためです。また、コンクリートに木片やごみ等が混入しないよう型枠の中を清掃することも重要です。
3.受入検査
納入された生コンクリートが、発注どおりのものか確認するため、受入検査を行います。納品書を確認したのち、スランプ試験や空気量試験、塩化物量試験、圧縮強度試験などを行い、所定の品質を満足しているかを検査します。
4.打ち込み
生コンクリートは時間とともに硬化していくため、できるだけ速やかに打ち込み作業を行わなければなりません。
練り混ぜを行ってから打設が完了するまでの時間は、外気温が25℃以下の場合は120分以内、外気温が25℃を超える場合は90分以内と規定されています。遅れが生じると、強度や耐久性に問題が生じる可能性があります。
また、2層以上コンクリートを打設する打ち重ねの際は、外気温が25℃以下の場合は150分以内、外気温が25℃を超える場合は120分以内に行わなければ、先に打ち込んだコンクリートと後に打ち込んだコンクリートが一体にならず継ぎ目(コールドジョイント)が生じてしまうため、注意が必要です。
5.締固め
コンクリート打設後、すぐに締固め作業が行われます。この作業は、打設されたコンクリート内部の空気を排除し、コンクリートを十分に充填させるために非常に重要な工程です。締固めは主に振動器(バイブレータ)を用いて行われ、コンクリートの均一性と強度を確保します。
6.仕上げ
打設されたコンクリートの表面を、こてやトンボを使って均一に整える仕上げ作業を行います。
7.養生
コンクリートの強度を発現させるためには、セメントと水の水和反応を適切に進行させる必要があります。そのためには、温度を保ちつつ、衝撃などからコンクリートを守らなければなりません。シートで覆ったり、水を定期的に散布することで、コンクリートが均一に硬化するように注意する必要があります。
まとめ
コンクリート打設は建築物や基盤の耐久性を確保する上で重要な工程です。適切な手法と品質管理を行うことで、長期間にわたる安全性と信頼性を実現することができます。
しっかりとした準備と注意深い作業を通じて、理想的なコンクリート打設を実現しましょう。
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