1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策1

【1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策】第1回目 学科試験「土工」の出題ポイント

第1回目の【1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策】は、1級土木施工管理技術検定試験の学科試験のうち、【土木一般】の「土工」について出題ポイントを解説していきます。

【土木一般】の問題では、土工5問、コンクリート6問、基礎工4問の計15問が出題され、12問を選択して解答します。得意不得意はあるとは思いますが、あまり絞り込まずに幅広く勉強しておくと、合格ボーダーライン(正解率6割)である7~8問の正解は十分狙えます!

それではさっそく、「土工」の出題ポイントを勉強していきましょう。

2年に1度以上の頻度で出題されるのが、土の性質・土質試験・土量の変化および変化率・盛土材料・盛土の施工・軟弱地盤対策です。これらの中から、点数が取りやすく、理解しやすいポイントから説明していきます。

粘性土の状態を表すコンシステンシー

土のコンシステンシーとは、土に含まれている水分の量(含水量)によって、土の状態が変化することや、変形のしやすさが異なることの総称です。

土のコンシステンシーについて、ここで覚えなければならないポイントはたった3つ!

  1. コンシステンシーとは?
  2. コンシステンシーの4つの分類
  3. 塑性指数(コンシステンシー指数) IPとは?

【出題ポイント1】コンシステンシーとは?

コンシステンシーとは、粘性土における土の状態を表す言葉です。

粘性土とは、細粒土のことで、土の粒か細かければ細かいほど水分を含みやすく、粘性が増します。

【出題ポイント2】コンシステンシーの4つの分類

2つ目のポイントは、コンシステンシーは、下図のように4つの状態に分かれている、ということです。

◎コンシステンシーの4つの分類

このように4つの状態を表すのがコンシステンシーです。硬さをイメージしやすいように、ビスケットやスープカレーなど身の回りの物で硬さの状態を表しています。右側の状態ほど、含水比(土に含んだ水の量)が大きくなります。

1級土木施工管理技術検定試験でよく出題されるのは、「塑性体と液体の境界をなんという?」という問題です。

答えは、液性限界WL

液性限界WLとは、これ以上含水比が高くなると、液体になる限界点。液性限界が大きくなるにつれて、土の圧縮性が大きくなる。→圧縮性が大きいということは、変形・沈下しやすいため、盛土材料には適さない!

【出題ポイント3】塑性指数(コンシステンシー指数) IPとは?

3つ目のポイントですが、コンシステンシーの問題で一番出題されるポイントがここ!

塑性指数(コンシステンシー指数) IP とは、液性限界と塑性限界の差です。

 IP  =  WL(液性限界) - WP(塑性限界)

塑性指数 IPが大きいほど、塑性的な土(粘性が増加)であることを示します。一般的に、塑性指数IPが大きいほど、吸水による強度低下が著しい傾向にあります。

※自然含水比と液性限界の相対関係から、トラフィカビリティーの判定ができます。

コンシステンシーの練習問題と解説

【練習問題その1】次の記述は正しいでしょうか、誤っているでしょうか?

自然含水比が塑性限界より小さい場合、施工中に泥状化しやすい。

→これは×ですよね。上の表を頭に思い浮かべましょう。土の状態が『塑性体(うどんの生地)』から『液体(スープカレー)』に変わるのは含水比が○○限界を超えたときでしたよね。

そう、塑性限界ではなく液性限界より大きい場合に泥状化するが正解ですよね。

【練習問題その2】次の記述は正しいでしょうか、誤っているでしょうか?

土の塑性指数は、一般に値が低いほど吸水による強度低下が著しい傾向にある。

→ これも×ですね。塑性指数が大きいほど、吸水による強度低下が著しい傾向にある。塑性指数が大きい土ほど粘り気が多く、圧縮性が大きいため盛土には適さないと覚えておくといいでしょう。

 

↓2017年度 1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策 総目次はこちら↓

この記事のコメントを見る

この記事をSNSでシェア

こちらも合わせてどうぞ!

関連記事はありません

大阪工業大学を卒業後、某ゼネコンに就職。現在、一般社団法人全国教育協会(関西建設学院)にて土木・建築施工管理技士の資格取得セミナーの講師を担当している。体育会系で勉強が好きではなかったため、「勉強が苦手な人にわかりやすい解説」をモットーに、業界No.1講師を目指して修行中!
ひげごろーTwitterアカウントはこちら → https://twitter.com/LICEN0202