建設業界に測量はつきものだ。最近は、ICT測量など技術は進歩してきているが、地方ではまだまだ従来の方法で測量をしている会社も多い。
若手社員は測量業務を任されることが多く、測量でミスをしたことがある人も多いのではないだろうか。
今回は、私が若手社員時代にやらかしてしまった測量業務の失敗談をお話ししていこう。
自分の失敗が原因で工事が一時中断に
配属されたのは法面工事の現場。工事は終盤で、重力式擁壁の基礎を施行中だったので、特に測量の精度が求められる現場だった。
測量器具の使い方は先輩から一通り教わっていたものの、職人さんのペースに合わせて測量を行うため、時間と業務に追われていた。
その日は、測量器具の据付に非常に時間がかかってしまい、私はかなり焦っていた。どうやらその時に光波の設定を間違えてしまったようで、測量データに大きな誤差が生じる事態に・・・。
天端の高さが合わず、ミスが発覚
重力式擁壁の工事が進み、生コン打設後に設計時とのズレが発覚。私が測量した箇所のポイントが全て3cmズレており、天端の高さが合わないことからミスが発覚した。
原因は、測量器具の設置の際に3点方向からの水平を確認していなかったことだ。1点方向しか確認していなかったため、正規の水平が取れておらず、ミスにつながった。
すぐに工事は中断され、重力式擁壁を取り壊し、基礎を施工し直すという大掛かりな修正を行うことに。非常にコストがかさむ結果となってしまった。
失敗してしまった2つの要因
なぜ失敗してしまったのか。要因は2つ。
1つは焦った中で確認作業を怠ったこと。そしてもう1つは、実際に自分が出したポイントが設計とズレていないか、現地でチェックをしなかったことだ。測量など重要な作業を行う際のダブルチェックの重要性に改めて気付かされた瞬間だった。
また、先輩社員に確認を取る作業を怠ったことも反省すべき点だ。経験のある人間や複数人で作業を行うことで、こういう些細なミスは防ぐことができる。
失敗をしてしまったときは凹んだが、自分がしてしまった失敗に対して、きちんと謝るという責任感を学ぶことができた。
測量はミスをしやすい業務
測量は若手社員が任されることが多いが、ミスをしやすい業務だと思う。私のように焦りや確認不足からくるミスや、建設現場などの大きな雑音の中で測量を行うため聞き間違いのミスも起こりやすい。場合によっては、無線などでしっかりと言葉が聞き取れる環境を作る対策が必要だ。
そして何より、こういったミスが発生しないためにもICT測量に早く切り替える必要があると、教育の立場になった私は痛感している。令和の現代においても、私が若手社員だった頃の測量業務の環境と全く変わっていないからだ。
若い頃は現場に慣れず、早くやらなければと思うあまり、どうしても焦ってしまう。ICTはそんな若者の不安を大きく取り除いてくれる優秀なツールだ。ICT測量の場合、機械が壊れていなければ大きなミスをすることもない。ICTの普及がこれからの教育現場を大きく変えてくれるだろう。
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