現場監督は、自分が一番安いと思っている

現場監督自らがやれば、タダ?

はつり屋さんには、はつりをやってもらう。そして後ろから雑工さんにその片付けをしてもらうことがあります。

これはなぜかと言うと、効率がいいからです。現場監督なら分かっていますよね。

はつり屋さんに片付けを一緒にやってもらうと、片付けをしている間ははつりができません。つまりその分、作業が止まりますよね。

少なくともはつり工は、単価の非常に高い専門職です。そして片付けは、低単価な職種に任せるのが、現場的には効率がいいと考えるからです。

そしてモチはモチ屋というだけあって、誰に頼んでもできなくはないのでしょうが、専門職に任せたほうが、早いし正確だしきれいに終わるということを知っているからです。

お客さんからいただいたお金を、無駄にすることなく現場を運営し、利益を出すのも現場監督です。

ですが「1人工に満たない、ちょっとした作業」が発生した場合、こういう気持ちが湧くのも現場監督です。

「自分たちでやろう」もしくは「新人にやらせよう」と。

これは簡単に言うと、職人さんに来てもらうとお金がかかり、現場監督自らがやれば「タダ」だという考え方になっているということですよね。

それ、本当ですか?

時間の価値を理解していない

確かに現場監督は基本的に月給であることが多く、働いても働かなくてもコストがかかります。だったら、他の人にお金を払ってやってもらうより、自分たちでやったほうがコストパフォーマンスが良い、と思ってしまうのでしょう。

でもそれ、鉄筋屋さんにクロスを貼ってもらっているのと同じじゃないのでしょうか。きっとそんな状況を見たら「なんで?」とか、「もったいない」とか思いませんか?モチはモチ屋じゃなかったんですか?

よく考えてみて下さい。本当にそれが一番、安いんでしょうか。

そんなはずはありません。

それは、時間の価値を理解していない考え方です。

建設業の本来の形

現場監督は、いわば現場の司令塔です。司令塔が作業をするとどうなるのか。当然、そこから指令が出ないことになり、それ以降の仕事は一切進みません。

つまり、仮に100人の職人がいたとしても、合計で「1人工」ということになります。いえ、監督の作業レベルで考えると、0.5人工以下じゃないでしょうか。

その0.5人工を得るために、代償にしたものは何か。100人工分の作業です。これは少し極端な例だと思います。ですが、それが時間の価値だと思うんです。そのぐらいムダな行動をとっているということです。

そんなことするくらいなら、次の職種がよりスムーズにいく段取りをしましょう。今よりも良い納まりになるように頭を使いましょう。より少人数で同じパフォーマンスが出る工法を考えましょう。それが専門です。

そうやって頭を使い、現場をスムーズに進めることによって、確実にミスが減っていきます。職人さんが働きやすい現場だと思ってくれて、押しどころで人が集まってくれやすくなります。工期が圧縮できればコストもかかりません。

今日頼んだ1人工の雑工さんより、次の職種が気持ちよく仕事のできる土俵を整えることに使う1時間のほうが、圧倒的に安く上がるということに気付きましょう。

現場監督の仕事は、頭を使うことです。そこに100%の労力を傾けることによって、職人さんが100%の力を出してくれる場所を作るのが仕事なんです。

小さなことかもしれませんが、今一度自分の働き方を見直すきっかけになって欲しいと思います。

それが建設業の本来の形だから。

※この記事は、『 【インスタで学べる】1日たった3分で学べる建設コラム 』の記事を再編集したものです。


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【プロフィール】
武田 祐樹(たけだ ひろき)

総合建設業に17年在職し、所長歴は11年、官民問わず数多くの実績を積む。その後2020年に起業・独立。
「建設業をワクワクする業界へ」をスローガンに、DX化の推進や若手育成、魅力発信を行う。
「建設業効率化施策の仕掛け人」として、ABEMA Primeに出演。

◇保有資格◇
一級建築士
1級建築施工管理技士
1級土木施工管理技士

株式会社RaisePLAN 代表取締役

【運営・活動】
【現場ラボ】:建設業の変革をサポート
【現場ラボコンサルタント】:新人・若手の研修、教育
【Edu建(エデュケン)】:建築施工管理のeラーニング
【講師活動】:DX化、部下育成、建設業に関するセミナー・講演

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