検査項目を増やす設計監理者
私の会社が元請けとして改修工事を契約した場合、必ず設計監理者の先生に“お世話”になります。
設計監理の先生たちは大体、修繕工事のことをしっかり理解しているため、元請会社よりもよっぽど融通が利く方が多いように思います。
しかし、そんな設計監理の先生の中には、クセが強めの方が結構いらっしゃいます。
私が出会った設計監理の先生の中には、「多重人格か!」と思うほど、コロッと態度の変わる設計監理の先生がおりました・・・。
明るい性格の設計監理者のはずが・・・
私がその設計監理のY先生と初めて会ったときは、初対面なのに「ねぇ!ベストスコアいくつ?」と、私が名乗る前に喰い気味で聞いてきました。
年代的にありがちなゴルフが大好きなオッサンですが、検査をしていても「この間、読売のとこ行ったんだけどさ~」と話し出す始末。
幸いにも私はある程度ゴルフの経験があったため、ゴルフ談義もできたし、会社の経費で接待ゴルフにも行くような、ほのぼのとした関係を設計監理者のY先生と築いていきました。
設計監理のY先生は、検査の際も指摘はもちろんするものの、そこまで厳しいことを言うことも無く、説明すれば是正できない場合も理解してくれるようなしっかりとした設計監理者でした。
しかし、それはY先生の恐ろしい一面を知らないだけだったのです。
設計監理者に嫌われた副所長の末路
この設計監理のY先生と2つ目の現場になった頃、私の現場に40代の副所長がくることになりました。
しっかり名刺交換を行い、Y先生もいつもの調子で「この間、OBしちゃってさぁ~、散々だったよ~」と話し始めました。
すると副所長が「そうなんですか~、楽しいですよね~」と相槌を打ち、会話を進めていきました。
私も「ん?」となったのですが、どうやら副所長は「ゴルフのOB」を「OB会」と勘違いしたらしく、飲み会で散々な目にあったという勘違いをしていたのでした。
Y先生からしたら、「ゴルフをやらないにしても、OBくらいは常識だろ!」ということだったのでしょう。
見る見るうちに表情が険しくなり、気まずいまま、その日は検査に入りました。
ついに知られざる顔、恐ろしい性格が現れてきたのです。
副所長が検査に入ると、検査項目を増やす設計監理者
その後、私に対してはいつも通り明るい設計監理のY先生でしたが、副所長が検査に入ると、怒鳴り声が聞こえるようになりました。
そして、検査項目が明らかに増える、ついには副所長を完全無視する、というところまで発展してしまいました。
私もなんとか仲を取り持とうとしたのですが、あまりにも子供じみた態度のY先生の態度に、副所長もふくれっ面で収拾がつきません。
結局、Y先生のことは、ゴルフの話ができる私が完全に対応するという形で納めました。
誰にでも人の好き嫌いはあるものですが、理由も態度も子供っぽい設計監理のY先生には、私も呆れを通り越して笑ってしまいました。
しかし、普段のY先生を知っていると、責めるにも責めにくく、副所長には「運が悪かったんだよ」とねぎらいの言葉をかけました。
たかがゴルフの会話が噛み合なかっただけで、副所長は「現場からOB」となってしまったわけですが、またどこかの現場で副所長とY先生が出会わないことを願うばかりです。