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股間を握ってくる女、時限爆弾、手配師…「怪しい夜の寺院」で現場管理

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ホウレンソウレン
公開日:2017.06.26 / 最終更新日:2022.01.27
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股間を握ってくる女、時限爆弾、手配師…「怪しい夜の寺院」で現場管理
目次
  1. ホームレス、芸能人、紙袋のオジさん、観光客が入り乱れるゴッタ煮現場
  2. 股間を強く握り締めてくる女が現場に乱入!
  3. とんでもない現場で、夜間の現場管理は俺一人

ホームレス、芸能人、紙袋のオジさん、観光客が入り乱れるゴッタ煮現場

この現場周辺は、毎日がお祭りだ。〇〇寺は本堂の周囲に回廊がない珍しいお寺で、どこからでも自由に敷地に出入りできる。そこがいいのだが、工事をやるこちらとしては第三者災害防止の面で憂慮するべき点が多い現場となる。

本堂の正面には仲見世があるし、裏側には観光バスの駐車スペースがある。観光バスが次から次とやって来て、そこからドッと人があふれてくるのだ。日中は人であふれ、移動するのも困難な状況だ。なにかイベントがあると、さらに参拝者が増える。本堂・五重塔ともに国宝らしいが、空襲で燃えてしまい、今は鉄骨鉄筋コンクリートで出来ている。

閉堂は夕方5時。大扉を閉めるので本堂の中には入れなくなるが、周囲にいろいろな人々が集まってくる。家に帰らないで本堂の軒下でお酒を飲むサラリーマン、寝床を求めてやって来るホームレス。紙袋を持った地方出身者らしいオジさん達もやって来る。警察官やパトカーが巡回を始める。昼と夜では人種がまったく違うのだ。手配師もチャリンコでやって来る。自分も本堂の目の前で会社の作業着を着ていた時に声を掛けられた事があり、少し悩んだが一応断った。

早くも酔っ払いが大声をあげている。口喧嘩も始まる。本堂の階段で宴会が始まるのだ。早朝だと映画の撮影やら、テレビの中継やらをやっている。朝、道路でホームレスが倒れているが、誰も助けようとしない。死んでいるのか分からないし、下手に声を掛けて絡まれたら大変だから、誰も声を掛けない。いつかは藤岡弘、が一人で木の側に立って、こっちを睨み付けてくる。周囲に誰もいない。何かの撮影なのだろうが、こちちも慣れてきたので、もう何も感じない。慣れとは恐ろしいものだ。近くには競馬の場外馬券売り場があり、土曜日と日曜日は凄い人ごみ。月に一度は、あちらさんの集会もあるみたいで、高級車がズラッと並ぶ。

股間を強く握り締めてくる女が現場に乱入!

と、まあ、そんな現場での夜間作業である。どけどけ、本堂の中に仮設材を搬入だ。夕方5時から翌朝5時までの工事の開始である。邪魔この上ない方々であっても乱暴な扱いはできないので、丁重に声を掛けて移動を願う。願うまでもなく屈強な鳶さん達が重い仮設材を持って来るから自然と逃げると表現したほうが適当かもしれない。ある時、4t車の移動式クレーンが荷下ろしのために現場に横付けしたが、そこにいた小汚いおじさんが怒った。「俺の前に車を止めるんじゃねえ!」と運転手に絡んできた。「はいはいはい、どうしました?」 「そうですか、そうですか、あいすみません。ここを空けていただけますか」こんな感じで工事を進める。

ある時は、本堂内陣で朝礼ならぬ夕礼をしていたとき、女性がダッシュで飛び込んできた。あろうことか、みんなの股間を触り始めたのだ。それも皆が「ギャー!」と叫び声が出るほどに強く握り締めるのだ。自分もやられたのだが、皆は一目散に笑いながら逃げる。夕礼をやっているどころではない。3人がかりで取り押さえて外に連れ出す。それが2日も続いたので、警備員を付けた。まったくとんでもない話だ。なんでもその女性は劇団員らしい。顔は美人なのだが、まったく理解不可能な言動だ。現場は今夜も来るか来るかとビクビクして落ち着かない。しかし、あながち現場の皆も嫌いではなさそうだ。

とんでもない現場で、夜間の現場管理は俺一人

そんなこんなで長い夜が始まるのだ。夜間作業の管理は自分一人である。心細い事この上ない。主任は昼担当、所長は他の現場と兼務である。何も起きないように願うばかりだが、やはり事件は次々と起きる。警察から連絡があり、〇〇寺に時限爆弾が仕掛られたというイタズラ騒動もあった。勘弁してくれ!

一番面倒だったのは、何もないのに本堂の火災報知機が突然鳴り、消防車が到着した件だ。原因は工事で出た埃か振動ということだった。この現場の最大の敵は工事で出る埃、空中を漂う埃だ。これは防ぎようがない。この埃が時間が経つにつれて、床に落ちてくる。外陣は石貼で土足なので問題ないのだが、厄介なのは畳敷と漆塗りの板張の内陣だ。しかも本尊や仏具が置いてある。それが埃で真っ白になるのだ。それを考えて作業は朝5時の2時間前に終了し、送風機を設置して本堂外に空気を排出するのだが、それでも完璧ではない。床板が黒色なので余計に埃が目立つ。ビニールシートを仏具に被せているが、埃が完全に落下するまでに時間がかかる。

早朝5時にお寺の男衆が起きてくるので、それまでに出来るだけ綺麗に掃除をしなければならない。自分一人では間に合わないので職人さんにも手伝ってもらう。申し訳ないことに、昼間担当の主任は、自分が帰ってから何回か怒られているのだ。

工事の最初の頃は仏具を全部移動して、再設置していたのだが、位置が違うというクレームがあり、移動しない方法でシートを被せるようにしたのだ。仮設材を全て搬出し、職人さんも帰り、後は男衆が来て最終確認でOKが出れば家に帰れる。特別に車通勤していたので、朝の街並みを満喫しながらの帰宅となる。そして夕方4時に再び出勤する。

2年の工期なので、その半分の1年は昼間の作業が出来るように工夫した。自分もそうだが職人さんの健康も大事だ。ちなみに、この工事では会社から特別業務表彰をいただいた。今でもテレビで〇〇寺を観るたびに懐かしなと思う。女に股間を攻撃された現場だった、とね。

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この記事を書いた人

ホウレンソウレン
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中学を出て大工になる。ふとしたことで正社員ではないが、大手ゼネコンの社員となり頑張る。入った部が有名人や社長の高級住宅、寺社建築を手掛ける部署であった。周囲が頭の良い人ばかりなので、それにつられて自分も一級建築士、建築施工管理技士に合格する。その後、住宅メーカーやゼネコンなどに転職。今は生産設計などを手掛けている。
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