「3Kでも土木に就職する」イマドキ大学生の本音とは?

「3Kでも土木に就職する」イマドキ大学生の本音とは?

「3Kでも土木に就職する」イマドキ大学生の本音とは?

土木大学生の就職意識

神戸大学で土木を専攻する学生3名にインタビューする機会を得た。

建設業界では「若者の土木離れ」が指摘され、大きな問題になっているところだが、「土木技術者の卵」としての期待がかかる学生は、土木、建設業界をどう見ているのでしょうか。

匿名で、話を聞きました。

土木大学生の就職内定企業

――まずは自己紹介を。

A 僕は今、4回生ですが、留年を重ねて、大学8年目です(笑)。独立行政法人の土木技術職に就職が内定しています。志望理由は「仕事をするなら、人の役に立ちたい」というのと「安定した仕事」ですね。

転勤は多いようですが、いろいろな場所で仕事ができるのは逆に魅力的だと考えています。神戸のメーカーも受験したのですが、僕にはあっていなかったことがわかり、民間は途中であきらめました。

B 僕は大学院2回生です。就職先はゼネコンです。土木関係の仕事がしたいということで就職活動していたのですが、先輩や社員さんのお話を聞き、同じような職場で働きたいと思ったからです。

社会人になってから世界中から注目を浴びるような、例えば明石海峡大橋のような、大きな土木構造物をつくりたいです。

C 同じく大学院2回生です。就職先は電力会社の土木職です。研究室も防災に興味があって選びましたが、就職後も公共性のあるインフラの防災に関わった仕事がしたいと志望しました。将来は、住んでいる人がそこに住んで良かったと思えるような仕事をしたいです。


土木系への進学・就職は異端?

――なぜ土木の勉強を選んだ?

B 親戚にゼネコンで働いていた人がいたことや、東日本大震災があったことから、大学進学で土木を専攻しました。高校では、300名のうち、土木系に進学するのは知っている限り10名ぐらいでした。

A 大学の同級生で先に就職した友人は、全員金融系の会社に行きました。僕の周りの友人は、「土木系は現場仕事だし、イメージが悪い」ということをよく言っていました。

僕自身、建設業に抵抗はなかったんですが、良いイメージはなかったです。でも、先生や研究室の先輩らと話を聞いているうちに、気づいたら土木の仕事を志望するようになっていた、という感じです。

C 中学高校の同級生で土木工学科を志望した人はいませんが、自分が特別で、浮いているという意識はなかったです。特に土木に興味があったと言うわけではありませんでしたが、東日本大震災をきっかけに、漠然と興味を持ったので進学したという感じです。

――建設業界はブラックなイメージ?

C 勤務する現場によっては長時間労働もあることを聞きますが、残業代が付いているのなら、色々な経験を積めるし、若いうちは大丈夫だと思います。華やかなイメージはないですが、「やりがい」とか「楽しさ」を感じられる業界だと思っています。

B 建設業界に関しては、3Kのイメージがずっとありました。働き方改革の議論の中でも、建設と運輸分野だけ長時間労働の上限枠が異様に多いので気にはなります。実際に働いてみないとわかりませんが、先輩たちの話を聞いているとそんなイメージを受けません。

――建設業界をこう変えたいこということは?

B イメージが先行している業界だと思うのでそこは変えたいですね。ICTなんかもどんどん取り入れていけば良いと思います。

A 新国立競技場の建設現場の人が自殺したニュースがありましたが、一人で全部抱え込んでしまうからだと思います。現場は多くの人が集まって、協同して動かしていかなければならないところだと思います。思ったことや感じていることをしっかり言える環境が必要だと思うので、就職したらまず自身の現場から努力したいと思っています。

※「施工の神様」編集部では、土木・建築系の学生ライターも募集しています。インタビューをお受けいただける学生や社会人も募集中です。詳細はお気軽にお問い合わせフォームよりご連絡ください。

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基本的には従順ですが、たまに噛みつきます。
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