近接建物がある場所に設置した3Dモデル(クレーン)の一例 / 戸田建設(https://www.toda.co.jp/news/2019/20190628.html)

近接建物がある場所に設置した3Dモデル(クレーン)の一例 / 戸田建設(https://www.toda.co.jp/news/2019/20190628.html)

建機の配置を「見える化」 戸田建設が建機ARシステムを開発

建機の3Dモデルと建設現場の映像を合成

戸田建設は、タブレット端末上で建機の3次元(3D)モデルと実際の建設工事現場の映像を重ね合わせて表示出来るシステム「建機AR」を開発した。

「建機AR」は、AR(拡張現実)技術を用いることで、技術建設機械を設置した際の建機周辺の状況や、建機稼働時の危険箇所などを視覚的に確認することができるシステム。

タブレット端末上で表示させたい建機の3Dモデルを選択すると、実際の建設現場の映像と実物大の3Dモデルを合成して表示できる。

3Dモデル(高所作業車)設置後のイメージ / 戸田建設(https://www.toda.co.jp/news/2019/20190628.html)

また、表示された3Dモデルをそのまま他の場所に移動させて設置の可否を検討することも可能だ。

さらに、実際の建機の性能を反映できるので、クレーンの稼働状況に応じた吊荷の許容荷重の確認や所定荷重に応じた適切な作業半径を確認することを可能にした。

稼働状況に応じた吊荷の許容荷重の表示例 / 戸田建設(https://www.toda.co.jp/news/2019/20190628.html)

吊荷と地盤面との境界表示例 / 戸田建設(https://www.toda.co.jp/news/2019/20190628.html)

建機の配置計画に掛かる時間と労力の削減を図ることができるだけでなく、作業員とのイメージ共有も容易となるため、建設現場の安全確保にも繋がる。

建機の設置計画が抱える課題

通常、建設現場における建機の設置計画は、仮設計画図と現場を見合わせることで行う。

しかし、建設現場の状況は工事進捗に伴って刻々と変化するため、その都度、資機材の搬入経路と作業員の動線確保や危険箇所の検討等が必要だった。

例えば、図面上では建機の設置が可能であっても、近接建物との距離や関係から、搬入経路や動線の確保ができなくなってしまう場合や建機の稼働範囲が限定されてしまう場合もある。その検討と関係者への情報共有に多くの時間と手間が掛かっていることが実状だった。

戸田建設では「自社の建設現場での使用に限定せず、幅広く一般にも使えるように公開する」としており、建設業界全体の安全性向上を目指していく意向だ。

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