現場での地位が低すぎるサブコンの職長
ゼネコンさんの現場では、「職長会」というものが運営されています。
職長会とは、協力会社や職種毎の職長同士が集まり、元請ゼネコンに頼ることなく自主的に現場の安全衛生活動などを行ったりする組織です。
職長会の会長職は、だいたい躯体三職(鳶、大工、鉄筋)の職長さんが担当します。
また、躯体工事と内装工事の時期でそれぞれ職長会の幹部が入れ替わるのですが、内装時期になると会長になるのは左官、塗装、下地・ボード屋さんなどです。
私は、電気工事の現場担当者ですが、電気工事や設備工事、いわゆるサブコンの職長が会長になることはまずありません。主に書記や会計をやることが多いです。電気工事や設備工事の現場内での地位の低さは、こういう所にも現れています。
ゴルフコンペの段取りもサブコンの仕事
肝心の仕事はというと、会長は決め事、司会などの担当です。それ以外の事務雑務は、会計と書記の仕事となります。
会計・書記は、職長定例の段取り、議事録の作成、会計処理は当然行いますが、それ以外の詰所の段取り、一斉清掃の段取り、現場内のパトロールの段取り、現場内の備品の手配、安全通路の作成も担当します。
さらには、熱中症予防のイベント検討や飲み会、ゴルフコンペなどのイベントの段取りなどなど、もはや何の担当か分かりません。
つまり、雑用はすべてサブコン担当なのです。
なぜゼネコンの仕事を肩代わりしないといけないのか?
大きい現場では職長会担当の職員が必要とされる程、職長会という仕組みは重要視されています。
たしかに、現場内の自治をゼネコンに任せずに各協力会社が主導で行うという考えは非常に良いと思います。
しかし、一部の業務については協力会社の業務の域を超えているのではないかと思うことがあります。
誤解を恐れずに言うならば、なぜゼネコンさんの仕事を肩代わりしないといけないのでしょうか?
断れるのなら断りたいですが、現場内の雰囲気を崩したくはありません。それに、電気工事や設備工事の職長は現場内でも地位が低いので、他の業種の職長さんに強く意見を伝えることも難しいです。
そうなると、電気工事と設備工事の職長だけに負担がかかってくる悪循環です。誰からも感謝されないのに、手を抜けば非難に合うんです。一体、どうすればいいのでしょうか。
もう建設現場における職長会という仕組みは完成されているものなのでしょう。職長会によって、たしかに現場も快適になっているのかもしれません。
しかし、その裏にはサブコンの職長たちによる努力がある事を忘れないで頂けると幸いです。