建材屋から見た、嫌われる工事担当者の特徴

建材屋が建設会社の命運を握っている

建設会社は、どんなに大きい会社でも建材がなければ工事はできないし、建材が高くなれば会社に利益は残せない。

ある意味、どこの建設会社であろうが、建材屋が建設会社の命運を握っているといっても過言ではない。

私の場合、建設会社側も、建材屋側の両方を経験したことがあるので、どちらの苦しさも大変さも多少理解しているつもりだ。

これから話すのは建材屋にいた時の話。私はいつものように会社での朝礼を終えて、担当の客先が役所工事を落札したというので、すぐに顔出しに向かった。

落札した工事の担当者が誰なのか工事部長に聞きだして、工事担当者のもとに向かった。

上から目線の工事担当者

この担当者Aは社内外問わず、かなりの嫌われ者。自分が優位な立場にいると勘違いしていて、何でも上から目線で話をしてくる。

自分としてはこの担当者とは関わりたくないのだが、この建設会社はうちの専納業者。同業他社に仕事を奪われるのは営業会議だけじゃなく、いろんなところで袋叩きに遭うのが目に見えたので、営業せざるを得ないのだ。

 おはようございます。落札おめでとうございます。

工事担当者A(以下、A) え? なんのことー?

 そんなとぼけても分かってますよ。工事部長にAさん担当って聞きましたよ。

A あー、部長余計なこと言ってたか。今度、俺○○改良工事の担当になったからさ。まぁ、君のところは高いから、他社を使うつもりだからさ。

 そんなこと言わないでうちを使って下さいよ。御社とうちはずっと協力させていただいてきたじゃないですか。

A 俺はそんなことより、現場の利益重視だからね。過去の付き合いなんてどうでもいいの。

 そうですか。。。

どこに見積り依頼しても見向きもされない

まあ、営業会議でどやされるのは仕方ないかと諦めて、腹をくくっていたところ、前述の会話から数週間後に連絡が来た。なんでも見積りをくれとのこと。

A ○○君、この前の案件見積出してくれない?

 え!? この前、違うところ使うって言ってたじゃないですか。心変わりでもしたんですか?

A いやー、俺も長年の協力体制は重要だなって思ってさ。安くしておいてよ。

 ・・・分かりました。明日見積りを持っていきますね。

・・・なんか口調がいつもと違っていて、営業の勘で怪しさを感じたので、同じ会社の別の担当者に連絡をしてみた。

 Bさん。Aさんがこの前落札した案件の見積自分で他社にするって断っておいて、見積り出してくれって言いだしたんですけど、何かありました?

B やっぱりそうか・・・。それがさ、Aはいつも業者に対して高圧的でしょ? それで嫌われてるから、どこも見積り依頼しても相手してくれないらしいよ(笑)。○○君、出すの?

 いや、どうしようかなって思ってまして。このまま普通に見積りを出すのも癪に障るのも事実です(笑)。

B まあ、あいつは学ぶしかないから、対応は任せるよ。

建材屋に高圧的だと最終的にこうなる

どうも、Aさんはいろんなところで同じことを繰り返しているようで、下請け業者もそっぽを向いているらしい。そのため、全然役所に出す書類も揃わなくて大変なことになっているという。

そこで優しく手を差し伸べるのも納得いかないので、かなり高めの単価で見積りを提出しておいた。後日、Aさんの会社の社長より呼び出しがあった。社長よりAさんのことに関して謝罪があり、単価交渉があった(笑)。

その後、Aさんは自分に逆らうどころか、見積りを他社に依頼することはなくなった。

ここでの教訓。

『仕事を前に進めるためには、敵を作らないのが一番早い』

ピックアップコメント

建材が高かったら利益だせないとか仕事辞めたほうがいいよ笑それともネタ?

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