土木技術者がテレワークをひと月やってみた結果…

テレワークをやってみて「全然仕事進められるじゃん」

新型コロナウィルス感染拡大防止を目的として、私(セキサンシロート)が勤務する会社(某建設コンサルタント)では、4月より本格的にテレワークが導入されている。現時点(2020年5月初旬時点)で、会社の基本姿勢は「在宅勤務・テレワークを基本」とすることを打ち出し、やみくもに出社しないよう社員に常に訴えかけている。

会社にいるときより捗らないんじゃないか、と思っていたが、杞憂に終わっている。「全然仕事進められるじゃん」という認識でいる。

テレワークに入る直前、私は勝手ながらこんなことを考えていた。「自宅にいると、だらけてしまうんじゃないか? 怠けてしまうんじゃないか?」と。なぜかというと、私が元来の怠け者気質であり、監督されていない状況下ではだらけてしまう傾向があるからだ。

それが影響してか、上司が終日出張となるとダラダラ仕事してしまい、翌日に上司から「なんでここまでしか進んでねーんだ!?」とお叱りを受けることがしばしばあった。そんな背景から、「テレワークに入ったら、テレビ見続けてしまったり、仕事しているふりしてYoutubeサーフィンしまくるんじゃないか?」との想いが、頭から離れなかった。

だが、いざやってみると今のところそれらは杞憂に終わっている。むしろ、会社にいるときよりもプレッシャーがあるような気さえしている。そのプレッシャー? が背中を押してくれているのか、どうにかこうにか仕事を進めることができている。


土木技術者の働き方は変わっていくのか?

同時に、こんなことを思うようにもなった。「土木技術者の働き方が変わっていくんじゃないか?」と。つまり、毎日毎日会社や現場に赴くのではなく、必要なときだけ会社や現場に出社し、それ以外は自宅やサテライトスペースなどで仕事をするようになるんじゃないか?と。

自宅でのテレワークをやってみると実感するのが、「通勤が無いって、すげーラク!」である。通勤って結構疲れることだからだ。会社に着く前にすでに疲れてしまい、疲れた状況で仕事に入る。非効率というか、能率上がるわけないというか、仕事を捗らせる要素を自らそぎ落としてしまっていたのだ。

会社から見ると、定期券代が浮く可能性がある。つまり出社した日数のみ交通費を支払えばいいので、経費が浮くのだ。会社によるだろうが、毎月の月給や賞与に上乗せする可能性があるし、その分を差し引いても利益アップが見込める。社員にとっても、会社にとってもメリットが期待できる。

さらに、通勤災害というリスクを減らすことができる。通勤災害が起きれば労災扱いとなる可能性があるし、労基署などに届け出が必要になるし、会社も社員も面倒なことになる。通勤災害に要する時間や費用も、バカにならないことがある。

メリットがかなりあるので、今すぐ変わるかどうかはわからないが今後ジワジワと変わっていくと思う。


雇われ方も変わっていく?

もう一つ、テレワークをやってみて感じたことがある。雇われ方も変わっていくかもしれない、ということだ。会社が社員として雇うのではなく、事業やプロジェクト毎に必要な人を雇用する形になる可能性がある。

すでにIT業界ではそのようにプロジェクト毎に雇用契約を結んで働く人がたくさんいる。似た雇用形態で働く土木技術者が、今後出てくるかもしれない。

すでに、少し近い形で働いている人たちがいる。派遣の施工管理技士や設計技術者で働く人たちだ。彼ら・彼女らはプロジェクト毎に派遣先と就業契約を結ぶ。工事が終われば次の工事へ、プロジェクトが終われば別のプロジェクトへ、という具合に仕事を渡り歩いている。

今は、派遣社員であれば派遣会社と雇用契約を結んで現場や事業所に送り出されているが、今後形が変わっていくかもしれない。

これが、ひと月の間、テレワークをやってみて感じたことである。テレワークで仕事をされている方、どう思われるだろうか。どのように仕事をされているだろうか。ご意見など伺えれば幸いである。

ピックアップコメント

現場管理をきちんと理解してる?テレワークで現場は進みません。でたらめを言わないでほしい。

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建設コンサルタントに勤務する技術者。一時期、派遣社員としてゼネコンの現場事務所にCADオペや施工管理、工務係として勤務したことあり。積算はもちろん施工計画などいろんなことでわからないことだらけで日々勉強中。
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