『ZENGO』の開発を担当した株式会社ルクレの柏木真太郎さん(左)と野村絵里奈さん

『ZENGO』の開発を担当した株式会社ルクレの柏木真太郎さん(左)と野村絵里奈さん

「写真報告書の作成時間が”ゼロ”になる」 ワークフローを根本から変えるクラウド写真報告書『ZENGO(ゼンゴ)』とは?

『蔵衛門シリーズ』のルクレが打ち出す新ソリューションとは?

前後写真の撮影と、それに伴う写真報告書の作成は、これまですべてがアナログの作業で、現場の大きな負担になっている。にもかかわらず、ピンポイントでこの課題を解決するサービスはこれまで存在しなかった。

こうした中、工事写真管理ソフトで圧倒的なシェアと知見を持つ株式会社ルクレは、前後写真の撮影計画から報告書の作成までをワンストップで実現するクラウド写真報告書『ZENGO』を開発。従来の煩雑な写真報告業務のワークフローを根本から変えようとしている。

ZENGOが目指す写真管理の新たな形について、開発を担当した株式会社ルクレの柏木真太郎氏に話を聞いた。

写真整理だけで3時間、長年変わらなかった作業量

――今回開発した『ZENGO』はどういったものですか?

柏木さん そもそも前後写真とは、業務の実施や品質を証明するために、作業前と作業後に撮影される写真です。撮影された前後写真は写真報告書にまとめられ、クライアントに提出されます。

ですが、この作業というのがとても煩雑で、従来は職人さんに現場で写真を撮ってもらって、そのデータを事務所に持って帰り、パソコンで取り込んで写真を整理して、さらに報告書としてまとめて提出していたわけです。

この作業をカメラアプリとクラウドを用いて、リアルタイムにワンストップで行えるようにしたものが、今回開発したクラウド写真報告書『ZENGO』になります。

株式会社ルクレ 柏木真太郎さん

――このニッチなソリューションを開発するに至った背景は?

柏木さん やはり、デジカメで前後写真を撮ると、デジカメのファイル名で管理されていく形になるので、写真をセット化して整理するという作業がどうしても入ってしまうんですね。

また、後写真を撮るときには、前写真を紙に落として、それを見ながら撮影しなくちゃいけなかったんです。それに、単純に撮り忘れなんかも多かった。

こうした課題を一括で解決できないかと考えたのが、きっかけでした。

『ZENGO』のサービス概要

――誰もこの作業に疑問を抱いてこなかった?

柏木さん そうですね。これまでソリューションがなかったので。

もちろん、デジカメが登場する前は、撮った写真を現像してから報告書を作成していたので、デジカメによって撮影した写真を現場ですぐ見れること自体はすごく便利になりましたが、もっと楽にしたいという思いはずっとありました。

――そういう具体的なニーズというのは結構あった?

柏木さん ええ。設備点検業者さんですと、例えば、ショッピングセンターで蛍光灯1,000本をLEDに切り替える工事などがあります。この規模だと、報告書を作るだけで1週間以上掛かったりもしますから。

――めちゃくちゃ面倒ですね。

柏木さん また、リフォーム系の企業さんですと、職人さんにデジカメをお渡しして撮影してもらったとしても、リアルタイムにデータが手に入らないんです。職人さんも複数現場回ってらっしゃったりすると、SDカードが返ってくるのが1週間後になったりしてしまう。

それを待ってから報告書を作成しなければならなかったり、はたまた撮り忘れがあったりすると、どんどん作業がずれ込んでいきます。

なので現場管理者の方は、わざわざ事務所から現場までSDカードだけを取りに行ってたりもするんですよ。なのに、いざ事務所に戻って取り込んでみたら、写真が足りないからまた現場に戻ったりっていう…。

――実際、どれくらいの時間が掛かるものなんですか?

柏木さん リフォーム工事で、100カ所撮影をされる現場ですと、集まった写真をパソコンで整理するだけで3時間ぐらい掛けたりしています。それだけ時間を掛けたのに、撮り忘れがあったりするともう…大変ですよね。

※『ZENGO』のサービスページはコチラ


スマホで撮影計画から報告書作成までワンストップ

――『ZENGO』はどのように使う?

柏木さん 撮影には、『ZENGOカメラ』というアプリを使います。まず、アプリ内で事前に案件の撮影計画を作成することができます。そのため、撮影漏れを防ぐことができます。

案件を一覧で確認できる

次に、計画に沿って実際にアプリで撮影していくわけですが、後写真撮影時には、撮影画面で前写真を透かしながら重ねて撮影することができるので、同一アングルのキレイな前後写真を撮影できます。

前写真を透かしながら、同一アングルで後写真を撮影できる

ZENGOでの撮影イメージ

また、撮った写真にメモや撮影日なども逐一記入可能で、登録した情報は写真に紐づいて、自動的に写真報告書に反映されます。

写真の情報は、その場ですぐ入力できるため、記入忘れが無くなる

つまり、現場で写真をバシャバシャ撮るだけで、写真整理からコメント登録、報告書作成というところまで全部ワンストップでリアルタイムにできるんです。

それに、建設業界は高齢化が進んでいますし、外国人労働者の方も増えています。だからこそ、現場では写真を撮ってもらうだけで済むような、直感的なアプリになっています。

――アプリはどんな現場でも使える?

柏木さん 電波の届かない現場でも、ネットに繋がったタイミングでクラウドと連携すればよいので、どの現場でも使っていただけます。

※『ZENGO』のサービスページはコチラ

報告書の作成時間がゼロになる

――『ZENGO』で作成した報告書ってどんな形になるんですか?

柏木さん こんなイメージです。写真を撮るだけで、この報告書が一瞬で、自動で作成できるんですよ。

ZENGOで作成した報告書のイメージ。写真を撮るだけで、この報告書が一瞬で作成できる。

見開きで対比するようになっていて、各写真にコメントや日付なども付けられるようになっています。

写真報告書として一般的なレイアウトを採用していますが、今後は複数のレイアウトを用意したり、カスタマイズできるように対応していく予定です。

――導入したら、作業時間はどれくらい削減されるんですか?

柏木さん 写真の管理に3時間、報告書の作成にまた3時間掛かっていたところが、ゼロになります。クラウドでリアルタイムに写真が整理され、報告書が作成されるので。撮影計画の事前準備も撮影時間もかなり短縮されます。

そのため、業務の省力化どころの話ではなく、ワークフローが根本から変わるといったほうが正しいかもしれません。

これから、このZENGOが前後写真の撮影と写真報告書の作成におけるデファクトスタンダードとなれたらとてもうれしく思います。

※『ZENGO』のサービスページはコチラ

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