建設コンサルはガラスのハートじゃ務まらない!やっぱりゼネコンに戻るべき?

建設コンサルはガラスのハートじゃ務まらない!やっぱりゼネコンに戻るべき?

やりがいも成長実感もある。でも・・・

私は今、建設コンサルタントで勤務している。設計業務が主体だが、発注者支援業務に従事することもある。簡単な仕事は何一つなく、むしろ年々難しく、そして複雑になりつつある。

設計業務でいえば、道路設計の中に砂防施設の設計が含まれていたり事業全体の計画立案が入っていたりと、多岐にわたる内容がだんだんと入るようになってきた。なので、常に新しいことや未経験のことを学びながら業務を進めている。

いろいろな見方はあると思うが、私としてはやりがいのある仕事だと言えるし、成長しているという実感もある。役所の方が事業をどうみているのか、なぜその事業が必要なのかなどを伺い、知れる機会はとても貴重だ。もちろん、現場が施工できる計画を検討することが大前提である。

一方で、机上の検討であり、なかなか施工できる計画にならないのも実情だ。どうしたら工事ができるのか、を念頭に置いて検討するものの、気づいたら「これ施工できんの?」と自分でも思うような計画になってしまうことも多い。

ゼネコンに勤務している知り合いの技術者に教えてもらったりしながら、日々業務を進めている。苦しみの連続で心が折れそうになることも多いが、やりがいは大きい。

直にモノづくりに関わっているという実感がない

しかし、モノづくりに直に関わっているという実感はなかなか得にくい。

現地調査に行ったり、施工中の現場に伺うことはあるが、基本は机上での検討だ。定められている基準や法令等は守りつつ、合理的な施設の規格や寸法を検討し、どうしたら造れるのかを明確にしなければならない。

それらの成果が設計図や数量計算書である。これら設計図書をまとめあげるのが、建設コンサルタントの仕事の一つである。

とはいえ、自分たちでモノづくりをやるとか、仕切るわけではない。あくまでも、発注者に対して技術的なサービスを提供するのが建設コンサルタントの仕事なので、モノづくりに対する実感はわかない。

ときどき「オレって何やってるんだろう?」と思うことがあるし、何をやっているのかわからなくなるときもある。そういう意味では、実際に現場でモノづくりに関わっているほうが、やりがいは大きいのかもしれない。

さらに、現場の方からいろいろな問い合わせがあり、質問だけならいいのだが、「こんなんできないですよ」と言われることがある。自分の無力さに悲しくなり、「現場で働くほうがよかったな・・・」と感じることも多い。

ガラスのハートの自分は、ゼネコン向き?

建設コンサルタントの仕事は、ガラスのハートでは務まらない。強いハートでないと潰れてしまう。

複数のプロジェクトを同時に進める必要があること、発注者や社内からの圧がかなり大きくなることがあること、利益に対してかなりシビアな世界、だからだ。

一方で、残業時間の規制も厳しく、基本的にひと月45時間以内に収めないといけない。協定上、オーバーしてもいいのだが、回数が決められており、その回数をオーバーするとアウトとなる。その場合、上司になんらかの罰則が課せられるようだ。

多い時で10近い数のプロジェクトを同時に回すこともあり、その場合の心理的プレッシャーは大きい。しかも、そうなると残業時間も多くならざるを得ず、身体的にもきつくなる。

年度末は特にそうなる傾向が大きいが、1年中そうなることもよくある。年度末が終わってひと息・・・となればいいのだが、すぐに次のプロジェクトに取り掛かったり、炎上しているプロジェクトの火消しにあたることもある。

現場もそうかもしれないが、常に「何かに追われ続けている」ような感覚になる。追い詰められる感覚が常にあるので、ハートが弱い人には向かないかもしれない。

ただ、能力のある人にとってはやりがいのある仕事だろう。大手の建設コンサルタントは、いい会社だなと思うところが多いイメージである。

大手建設コンサルタントの、いくつかの会社で勤務させていただいたことがあるが、(能力のある人にとっては)どれもいい会社だなという印象だった。

自分自身を成長させられる環境であることは間違いないので、チャレンジする価値はあると思っている。が、私自身はゼネコンのほうが性に合っているな・・・と感じている。

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建設コンサルタントに勤務する技術者。一時期、派遣社員としてゼネコンの現場事務所にCADオペや施工管理、工務係として勤務したことあり。積算はもちろん施工計画などいろんなことでわからないことだらけで日々勉強中。
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