ロードローラー

ロードローラーとは?必要な資格や種類を紹介

ロードローラーとは、地面を平らに押し固める(転圧する)際に使用される機械のことで、基礎工事や道路工事などの現場で使用されることが多いです。

運転する際には、車体の大きさや走行する場所によって、必要となる資格が異なります。必要とされる資格や機械の種類について見ていきましょう。

ロードローラーとは?

ロードローラーとは、道路工事などで使用される道路などを平らに固めるための機械です。締固め用機械(しめかためようきかい)と呼ばれることもあります。

道路を平らに固めるとき以外にも、整地する際に土を固めたり、コンクリートやアスファルトなどを固めてまっすぐ平らにしたりする際にも用いられる機械です。通常、運転席があり、作業者は自動車を運転するように操作します。

タイヤローラーとの違い

タイヤローラーとは、ロードローラーの一種で、ゴム製のタイヤが車体の前後についているのが特徴です。軽量で、走行音も小さいという特徴もあります。

また、タイヤがついているので道路を走りやすく、アスファルト舗装などの道路工事の仕上げ段階に用いられることが多いです。

一方で、ロードローラーは鉄製の車輪がついており、タイヤローラーよりも重く、土や砂を締め固めるために道路工事の初期段階に用いられることが多いです。

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ロードローラーの運転に必要な資格

ロードローラーを運転する際には、特定の資格が必要です。作業をするときと、公道を走るときで必要とされる資格が異なるので注意しましょう。

また、公道を走るときは、ロードローラーの大きさによって必要とされる免許の種類が異なります。

場合によっては、普通自動車免許で運転できないこともあるので、ロードローラーで作業する資格に加え、大型車両や特殊車両の運転資格も取得しておく必要があるかもしれません。

作業は「締固め用建設機械運転特別教育」

ロードローラーをつかって道路工事や基礎工事を行う場合には、「締固め用建設機械運転特別教育」を受けている必要があります。

これは、ロードローラーに関する知識や運転する際に覚えておくべき事柄、理解しておくべき法令などの座学と、運転や操作などの実技からなる教育です。合計10時間ですべての学習を終えることができます。

なお、講習後に試験を受ける必要はありません。10時間の課程を履修すれば、教育を受けたとされ、ロードローラーの運転と作業を行えます。

公道を走るときは「大型特殊自動車免許」

作業をする際は「締固め用建設機械運転特別教育」を受けていることが求められますが、公道を走るときには、車両の大きさによって異なる運転免許が必要です。

ロードローラーの全長が12.0m以下で幅は2.5m以下、高さ3.8m以下に該当する場合には、「大型特殊自動車免許」が必要になります。

なお、大型特殊自動車免許は、教習所や免許合宿での技能訓練などを経て取得するのが一般的です。

一定以下の大きさは「小型特殊自動車免許」

ロードローラーの全長が4.7m以下で幅は1.7m以下、高さ2.0m(場合によっては2.8m)以下に該当する場合は、「小型特殊自動車免許」を保有していれば公道での運転ができます。

ただし、速度は時速15km以下に限られるので注意が必要です。一方、農作業用の小型特殊自動車は時速35km未満に限定されます。

小型特殊自動車免許は、視力や視野などが基準を満たすか調べてから学科試験を行い、合格していれば乗り方の講習を受けることで取得可能です。教習所で仮免許を取得する必要はないので、比較的取得しやすい免許といえるでしょう。

小型は「普通自動車免許」でも運転できる

普通自動車免許を保有している場合は、小型特殊自動車免許を取得しなくても、小型特殊自動車免許で運転できる車両のすべてが運転可能です。

そのため、わざわざ小型特殊自動車免許だけを取得する人は少なく、ほとんどが普通自動車免許で運転をしています。

ロードローラーを運転する機会が多いと想定される場合には、基本として「締固め用建設機械運転特別教育」を受講しておき、普通自動車免許に加え、大型特殊自動車免許を保有していると良いでしょう。

ロードローラーの5つの種類

道路や建設予定地などの押し固めに活用される機械は、車輪の数や機能、用途、運転方法などによっていくつかの種類に分かれます。その中でも比較的よく使用される5つの締固め用機械について見ていきましょう。

  • マカダムローラー
  • タンデムローラー
  • コンバインド式ロードローラー
  • 振動式ロードローラー
  • ハンドガイド式ロードローラー

マカダムローラー

建設現場でよく使用されるのが「マカダムローラー」です。前方に1つ、後方に2つの鉄の車輪がついており、地面に圧力をかけて平らに押し固めていきます。マカダム式ロードローラー、またはマカダム式ローラーと呼ばれることもあります。

ゴム製タイヤがなく車体が大きいため、重量が大きく、圧力をかけて地面や道路を押し固めながら走行するのがマカダムローラーの特徴です。6~16トン程度の重さがあり、路盤の締め固めやアスファルト舗装などで活躍します。

タンデムローラー

「タンデムローラー」も、マカダムローラーと同様にゴム製タイヤがなく、前方と後方に1つずつついた鉄の車輪で、地面や道路を押し固めていくタイプの機械です。タンデム式ロードローラーや、タンデムロードローラーとも呼ばれています。

タンデムローラーのローラーは横幅が大きいので、道路などの幅の広い部分を平らにしていく作業に向いています。また、アスファルト舗装の仕上げなどにも用いられることが多いです。

コンバインド式ロードローラー

前方と後方のいずれかが鉄の車輪で、残りがゴム製のタイヤでできている機械が「コンバインド式ロードローラー」です。

前方と後方の両方が鉄の車輪でできているタイプと比べると利用の幅が広く、アスファルト塗装の仕上げから、道路の基礎部分の押し固め、粒が粗い砂地の押し固めなどにも用いることが可能です。

振動式ロードローラー

前輪か後輪、あるいは前輪と後輪の双方を振動させるタイプを「振動式ロードローラー」と呼びます。鉄の車輪の重量を加えるだけでなく、さらに振動も加えることで、道路や地面を強い力で押し固められるという点が特徴です。

機種にもよりますが、鉄製のローラーの重さの数倍にもなる強い圧力で押し固めることが可能だといわれています。

ハンドガイド式ロードローラー

一般的な締固め用機械は、本体の上に運転席があり、操縦者が座って作業を行いますが、「ハンドガイド式ロードローラー」は手押し式です。ハンドガイド式の締固め用機械は、鉄の車輪と振動で地面などを押し固めていきます。

小型で小回りが利くので、狭い場所などでも使用可能という点が特徴です。また、押し固める力が強く、少ない作業回数で平らに固めることができます。

必要な資格を事前に取得しておこう

ロードローラーには多くの種類がありますが、作業を行うときに必要とされる資格は「締固め用建設機械運転特別教育」の一つしかありません。10時間の講習と実技で取得することができるので、ロードローラーを操作する可能性がある方は事前に取得しておくと良いでしょう。

また、公道を走る場合は、機械の大きさによって異なる免許が必要です。大型の場合は「大型特殊自動車免許」が、それ以外の場合は「小型特殊自動車免許」が必要です。しかし、小型特殊自動車免許は普通自動車免許があれば不要なので、普通自動車免許を所有している方は別途取得する必要はありません。

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