左から秋山さん、平島さん、片岡さん

左から秋山さん、平島さん、片岡さん

【グリコンシリーズ第2弾】 大きな仕事もできる「働きやすい会社」

グリコンシリーズ第2弾【設計センターの3名】

グリコンシリーズ第2弾は、グリーン・コンサルタント株式会社(以下、グリコン)設計センターのお三方だ。

設計センターは、その名の通り設計業務を行う部署で、舗装に限らず、テストコース、道路、スポーツ施設、開発など様々な設計を手掛けている。舗装コンサルタントと言うよりは、ふつうの建設コンサルタントに近い。

それぞれにこれまでのキャリアを振り返りつつ、仕事のやりがい、働きやすさなどについて話してもらった。

  • 平島 義博さん
    グリーン・コンサルタント株式会社 設計センター 執行役員・設計部長
  • 片岡 麻里さん
    グリーン・コンサルタント株式会社 設計センター 設計部設計2グループ係長
  • 秋山 和寛さん
    グリーン・コンサルタント株式会社 設計センター 設計部設計3グループ係長

【グリコンシリーズ第1弾】 グリーン・コンサルタントってなんの会社?

オリンピックのマウンテンバイクコースも設計

平島さん

――グリコンに入社して何年ですか?

平島さん 1989年入社なので、32年目です。56才になりました。プロパー社員としてはほぼ1期生、最初の社員でした。今年、執行役員に就任したのですが、プロパーでは初めてです。

片岡さん グリコンで最初にお世話になったのは派遣のときで、2015年のことです。17年から正社員として働くようになりました。

秋山さん 1996年新卒入社で、25年目です。この間、10数年ほど派遣社員としてNIPPOに在籍していました。

――今、担当しているお仕事は?

平島さん 私は設計全般を担当しています。外構、道路、空港の設計ほか、太陽光の開発関係の申請なんかもやっています。今設計しているのは、いくつかの競輪場・自転車競技場の設計です。時節柄、オリンピックのマウンテンバイクコースの設計と監理もやりました。伊豆にある4kmぐらいのコースです。

片岡さん 地方自治体のグラウンドで、プロも使用する施設の設計を行いました。今はそちらの工事監理を主に担当しています。あとは、工場の排水施設の設計とか、道路の設計とかもやっています。とある研究所さん方で設計や積算などのお仕事をやらせていただいていまして、駐車場やテニスコートの改修、雨水排水改善の計画、設計などをやっています。

秋山さん 太陽光発電の造成計画を担当してます。太陽光発電の造成工事は、とくに特殊なことはないですが、計画地が20ha〜50haほどあって、一山削ってつくるとか、けっこう規模が大きな工事が多いです。

最近は3DCADを使って造成計画をつくることが多いのですが、他社さんではあまりやっていないようです。もともとNIPPOでテストコースをつくるときに3DCADを使っており、ノウハウがあったので、太陽光発電の造成計画にも3DCADを使っているわけです。ドローンを使った測量や3D地形図作成もおこなっています。ドローンも飛ばしています。2Dではなくて、3Dだと、お客様に「イメージがしやすい」とけっこう喜ばれます。

前職はウェディングプランナー

片岡さん

――グリコンに入社した理由は?

平島さん グリコンに入る前は全然別の会社で働いていました。「ちょっと違うな」と思って、新しい仕事を探していたところ、グリコンの求人を見つけました。当時のグリコンは社員数名で、新卒社員を最初に採用した年度でした。「会社がどうなるかわからない分、逆に面白うそうだ」と思って、入社することにしました。良く言えば、「可能性に期待した」わけです(笑)。

――入社後はどうでしたか?

平島さん 入社後は、5年ほどNIPPOの支店に在籍し、いろいろと仕事の勉強をしました。

――片岡さんは派遣から正社員になったということですが、その前はどのようなお仕事を?

片岡さん もともとは京都にある下水道専門の建設コンサルタント会社で働いていました。下水処理場の設計とか合流式下水道の改善計画などを10年ぐらいやっていました。その後、会社が傾いていたころで希望退職しました。それで神戸のホテルのウェディングプランナーになりました(笑)。

――ウェディングプランナーですか?

片岡さん ええ、7年ほどやりました。その後、大阪のとある百貨店のブライダル部門に転職しました。そこで、今の夫と知り合い、結婚しました。ところが、夫が東京に転勤になったので、私も一緒に転居して、無職になってしまいました(笑)。ブランクはあったのですが、一応CADが使えるということで、人材派遣会社に登録しました。

ところが、なかなか雇ってくれる会社がなくて困っていたのですが、グリコンに雇っていただきました。CADオペとして働くはずだったのですが、なぜか設計補助としての仕事を与えられました(笑)。

――秋山さんの入社理由は?

秋山さん 私が就職したときは就職氷河期で、モタモタしてたら学校を卒業しちゃったんです(笑)。学校の先生からグリコンを紹介していただいて、それで入社しました。たまたまと言え、偶然の入社でした。そもそもグリコンという会社自体を知りませんでしたから(笑)。

その道のプロの「こだわり」にどう設計で応えるか

秋山さん

――グリコンで思い出に残る仕事はありますか?

平島さん 第二東名の設計ですね。沼津の30kmほどの区間の実施設計で、4年ぐらいかけてやりました。この間、もともと3車線だったものが2車線に変更されたり、いろいろありましたけど、新設の高速道路で、これだけの延長の設計したのはこの工事ぐらいなので、印象に残っています。工事になってからの変更設計にも関わりました。それと、先ほども申し上げたオリンピックのマウンテンバイクコースの設計です。

マウンテンバイクコースの設計は、南アフリカの設計・監修会社と共同で仕事しました。国際的な仕事は、キーパーソンとしっかり絡まないと仕事ができないんですよ。「ここはもっとこうしろ」とか彼らのこだわりがあるんです。例えば、「ここはもっと日本っぽくしろ」と言われるのです。外国から見ると、日本のイメージはこうなんだと思うことが多々ありました。そういうことの調整などもやりました。

――そもそもマウンテンバイクコースの設計って、どういうことをするのですか?

平島さん 基本的には自然のままの山の中を走る競技なので、なにか構造物をつくることはあまりしません。今回は、オリンピックなので、テレビなどで魅せるため、わざわざつくるものがいくつかあったということです。石の上を走るとか、橋をつくるとか、見せ場をつくるための施設の設計をしました。

――片岡さんのグリコンで思い出に残る仕事は?

片岡さん 今工事監理を担当しているサッカーグラウンドの設計ですね。今までの仕事の中でも規模の大きな仕事だからです。施工条件が厳しいので、いろいろ大変でした。地方自治体のサッカーグラウンドとは言え、プロチームが練習するグラウンドなので、関係者の施設面へのこだわりには強いものがありました。一方で、市民の公園としての機能も確保する必要があります。その辺のバランスを保ちながら設計するのは大変でしたが、印象深い仕事だと感じているところです。

――秋山さんはいかがですか?

秋山さん グリコンではなく、NIPPOでの仕事になってしまいますが、ヨーロッパとか中国とか、海外での自動車のテストコースの設計に関わったことです。テストコースは大きいので、Google Earthなどで探すことができます。

6年ほど前には、中国で造るテストコースの設計に携わった時は、1週間ほど現地へも出向きました。テストコースの設計は、自動車メーカーでありプロなので、いろいろなこだわりがあります。自動車メーカーやテストドライバーごとに、求めているものや好みなどが違ったりするんです。先方と何度もやりとりしながら、設計を進めていく作業になります。

会社の規模の割には、大きな仕事ができる

ドローンによる空撮用の対空標識の設置作業(右が秋山さん)

――グリコンの良いところ、悪いところはなんでしょうか?

平島さん 良いところは、やっぱりグループ会社がしっかりしていることです。同じコンサルでも、他社と比べて、そんなにガツガツしていないところです。また、規模の大きい仕事に関われることです。中小企業にありがちなオーナー社長の会社ではないので、ちゃんとルールに則って経営されています。ちゃんと休めますし、コンサルにありがちな、長時間労働も基本的にはありません。ムリな働き方を強いられることは、まずありません。

あとは、会社の規模の割には、大きなプロジェクトに関われるところです。大企業と一緒に仕事をすることも少なくありません。そういうところはやりがいを感じています。グリコンぐらいの規模のコンサルだと、地元自治体が出す、毎回同じような道路設計を繰り返しやっているような会社が多いのですが、グリコンの場合は、いろいろな発注者から様々な仕事を依頼されることが少なくありません。

私が入社したころとはかなり違っています。当時はグリコンにまだまだ力がなかったのですが、ここ数年ぐらいは、大きな仕事がかなり増えてきています。

悪いところは、大きな仕事に関わると、個人が抱える仕事上の負担も大きくなります。コンサルの仕事はどこもそうだと思いますが、一人の社員がやっている仕事について、他の社員はなかなか手を出せないので、どうしても人によって仕事量にバラツキが出てしまうんです。

設計部門には30名ほどいますが、ある期間新卒を採用してこなかったので、30才代の社員が決定的に不足しており、社員の年齢構成バランスがおかしくなっています。将来的に不安があります。

あとは、やはり給料ですかね(笑)。今の給料に特段不満があるわけではありませんが、多いに越したことはありません(笑)。仕事である以上、最終的にはそこにつながるのかなと。

片岡さん 良いところは、働きやすいところです。私は家庭生活も大事にしたいので、「できるだけ定時に帰りたい」と思っています。以前勤めていた設計コンサルでは、「会社に泊まってるの?」みたいな働き方をしている人がたくさんいました。ブライダル業界も同様でした(笑)。それと比べると、グリコンは福利厚生もしっかりしているし、はっきり言いたいことが言えて、社内の風通しも良いと感じています。

悪いところは、平島さんもおっしゃいましたが、「チームで仕事をする」という意識が薄いところです。社員同士のコミュニケーションが不足していると感じています。あとは、若手社員が少ないのは、会社としてなんとかしてほしいところです。今後、知名度を上げていく必要があると思います。やっぱり知名度がイマイチなのかもしれません。

あとは、就業規則が「男性寄り」です。これは改善していただきたいところです。今の若い人は就業規則を見て会社を受けるらしいのですが、昔と比べ、スゴく賢くなったと思っています。新しい人に入ってもらうためだけでなく、長く会社に留まってもらうためのしっかりした仕組みづくりが必要だと感じています。

秋山さん お二人がおっしゃたことと、ほぼ同じです(笑)。今3DCADをやっているのは、私しかいないので、新しい人に来てほしいなと思っているところです。

【グリコンシリーズ第1弾】 グリーン・コンサルタントってなんの会社?

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基本的には従順ですが、たまに噛みつきます。
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