舗装工事とは?工事の種類や手順まで簡単解説

舗装工事は、建設業29業種の1つで、道路などの地盤面を砂利や砕石などで締め固め、その上の表面にアスファルトやコンクリートを敷き詰める工事です。

道路の耐久性を向上させるだけでなく、人々の安全な暮らしを守るためにも舗装工事は欠かせません。

この記事では、舗装工事の目的や必要性、工事の種類、手順などについて見ていきたいと思います。

舗装工事とは

舗装工事(ほそうこうじ)とは、道路などの地盤面を砂や砂利、砕石などを数層にわたり締め固め、その上の表面にアスファルトコンクリートを敷き詰める工事のことです。

道路の耐久性を高めるだけでなく、景観を美しく保ったり、歩行者や自動車が安心・安全に通行するためにも、舗装工事は必要な工事と言えます。

舗装工事の目的・必要性

舗装工事が行われるのは道路や駐車場などがありますが、舗装されていない地面を想像してみてください。凸凹だったり、雨が多い季節で道がぬかるんでいたりすると、小さな子供や高齢者、自動車が通行するときに非常に危険です。

舗装工事を行えば、道路が平らになり、さらに天候の影響も受けにくい耐久性に優れた道路になるので、歩行者も自動車も安心して通行することができます。

舗装工事を行うことで、交通事故の発生リスクも軽減されます。また、道路の見た目も良くなるので、景観の維持・改善にもつながります。

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舗装工事の種類

舗装工事は、主に「アスファルト舗装」「コンクリート舗装」「特殊舗装」の3種類あります。メリット・デメリットと合わせて詳しく見ていきましょう。

アスファルト舗装

アスファルト舗装は、アスファルトに骨材(砂利や砂など)を混ぜ入れて加熱し、敷き均してローラーなどで転圧する舗装方法です。

アスファルト舗装のメリット

  • 工事期間が1~2週間と短いため、工事費用を安く抑えることができる
  • 防水性や透水性を高めることができる。透水性に優れていると、水たまりができず、雨の日でも走行しやすくなる

アスファルト舗装のデメリット

  • 直射日光により、道路表面が高温になりやすい
  • 耐熱性や耐久性が劣るため、定期的な補修工事が必要

※関連記事:「アスファルト舗装」について詳しく調べる

コンクリート舗装

コンクリート舗装は、セメントや水、砂、砂利などを混ぜたコンクリートを敷き均し、養生しながら強度を出していく舗装方法です。

これまでの舗装工事と言えば、アスファルト舗装が主流でしたが、耐久性や環境負荷が少ないことから、近年ではコンクリート舗装が増えてきています。

コンクリート舗装のメリット

  • 耐熱性に優れている。夏の直射日光が当たっても、道路の表面温度が上がりにくい
  • 補修費が安く抑えられる

コンクリート舗装のデメリット

  • 施工に手間がかかるため工事期間が1~3週間と長くなり、工事費用も高くなる
  • 追加での工事が難しい

特殊舗装

特殊舗装は、道路や土地の目的に合わせて舗装を施す方法です。例えば、着色舗装や排水性舗装、凍結抑制舗装などが特殊舗装に該当します。

特殊舗装のメリット(※特殊舗装の内容によって異なる)

  • 排水性舗装を施すことで、水たまりができなくなる
  • 凍結抑制舗装を施すことで、凍結しにくくなる

特殊舗装のデメリット

  • 工事費用が高くなる

舗装工事の手順

舗装工事の基本的な手順を見ていきましょう。順番としては、下記のような工程で行われます。

路床(ろしょう)・路盤(ろばん)・基層(きそう)・表層(ひょうそう)などの道路の構造と合わせて説明します。

  1. 現場の事前確認・測量
  2. 路床工事
  3. 路盤工事
  4. 基層工事
  5. 表層工事

1.現場の事前確認・測量

工事を開始する前に、発注者から設計図や仕様書などをもらい、必ず事前に現場の確認・測量を行います。

設計図を見ながら、内容に相違がないか、足りない情報がないか、事前に処理しておくことがないかなど、必要に応じてマーキングを行いながら確認します。足りない情報が見つかった場合は、追加で測量を行います。

その他、円滑に工事を進めるため、工事で使用する機械の手配や人員手配、騒音や振動対策、周辺地域への工事の周知なども準備していきます。

2.路床工事

路床(ろしょう)とは、道路の最下層の部分で、道路全体にかかる荷重を支えています。主に土でできており、厚さは約1mです。

路床工事は、重機(ブルドーザーやモーターグレーダー)を使って敷き均し、さらにローラー付きの重機で締め固めます。路床が不安定な場合、地盤沈下などを引き起こす可能性があるため、慎重に工事を行います。

3.路盤工事

路盤(ろばん)とは、路床の上にあたる中間層の部分で、上層と下層に分かれています。荷重を分散して、路床にかかる衝撃を小さくするクッション的な役割を担っています。

路盤工事は、路床の上に切込砂利や切込砕石などを撒き、路床工事と同様に、重機で敷き均し、ローラー付き重機で締め固めます。

4.基層工事

基層(きそう)とは、路盤の上にある層で、自動車などの荷重を均一に分散させて路盤に伝えます。

基層工事は、重機(アスファルトフィニッシャー)を使って150℃以上のアスファルト混合物を敷き均し、ローラー付き重機で締め固めます。

5.表層工事

表層(ひょうそう)とは、普段私たちが目にしている道路の黒いアスファルトでできている部分で、舗装の最上層です。荷重を均一に分散させて下層に伝えます。

表層工事は、作業自体は基層工事と同じですが、歩行者や自動車と接する部分のため、基層工事よりも密度の高い材料を使用します。表層は道路の顔とも言える部分のため、重さや摩擦に強く滑りにくいこと、平坦に仕上げられること、水に強くひび割れや変形しないことが重要です。

舗装工事のまとめ

舗装工事とは、道路などの地盤面を砂利や砕石などで締め固め、その上の表面にアスファルトやコンクリートを敷き詰める工事のことです。

道路の耐久性を高めることはもちろん、舗装工事を行うことで、歩行者や自動車も安心して通行することができます。さらに、交通事故の発生リスクを軽減し、景観の維持・改善にもつながります。

私たちが当たり前のように使っている道路は、舗装工事がなされているからこそ、安心して、普通に、誰もが、使うことができているのです。

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