失敗は御法度!?現場監督が写真にコダワル理由

失敗は御法度!?現場監督が写真にコダワル理由

写真管理の基礎の基礎

以前、ごく一部の方から写真の撮り方が好評だったため(笑)、写真管理の基礎の基礎から書いてみようと思います。

撮影方法は各者個性があるのでそぐわない場合も十分あります。しかし、合わないからと言って拒絶するのではなく、融合していってバージョンアップしていって下さい。良いところは参考にすれば良いだけですから。

今回は、工事写真を撮る上での監督の思考を書いていきます。

  1. 工種はなにか?
  2. 施工順序は?
  3. 不可視部があるか?
  4. 不安全行動はないか?
  5. 被写体の背後の不安全行動はないか?
  6. ヘルメットをかぶっているか?
  7. タバコを適切な位置で吸っているか?
  8. アゴヒモは付いているか?
  9. 腕まくりしていないか?
  10. 数値と黒板が合っているか?
  11. スタッフ(箱尺)やスケールは明確に見えるか?
  12. ピンボケ写真ではないか?
  13. わかりやすい写真か?
  14. 時間は合っているか?
  15. 本当にそこの現場の写真か?(検査で疑われないように。笑)

ザックリですが、監督はこんなことに気を付けて撮影しています。マジか!?って思うでしょうが、マジです!!(笑)

監督が写真を撮る時に被写体の後ろにいる人を入らないように撮ったり、無駄なモノが写らないようにしています。これは、上記の理由から来ているわけです。

写真管理は今を、その工程の瞬間を、撮るわけですが、失敗はある意味許されません。何回でも撮り直すのはそういう理由です。

そして、変な写真は、写真整理をする時にガッカリするわけです(笑)。

これはスナップ写真ですが、この写真どう思いますか?(10年ほど前の写真です)

まず、私なら手前にスタッフ(箱尺)が転がっていることが気に入りません。キタナイ写真に見えます。奥の足場の幅木がありません。これは不安全足場と言われかねません。(実際は・・・)

そして最大は、いくら硬い山と言っても人がいないって不安全施工になるわけです。機械が動いている以上は絶対に人がオペレーションする決まりです。

それ以外にも、足場の隙間は?その他周囲に問題はないか??ってこともチェックしてから撮影します。

検査のプロは書類で現場を想像する

なぜこんなことをするかというと、施主(役所)の検査を受ける上で指摘されないようにしたいからです。点数は現場の評価ですから、そりゃ良い点取りたいですよね!私は今はもう下請ですけど(笑)。

良い点数を取るためには、良い書類から、良い現場からなわけですよ!写真がある程度しっかり綺麗に撮られていれば、書類もある程度できています。

検査官はその辺も見ています。検査のプロは書類で現場を想像するらしい!その昔、検査官に聞きました(笑)。

良い書類を作れるということは、良い現場も作れるんです。(by当時の検査官)

どんなに良い施工をやろうが、品質が高くても、それを証明することができない場合、それは”無”なわけです。工事点数が低い人と何ら変わらないことを意味します。全ては証拠写真、証拠映像が大事ということです。

良い施工とは、品質・出来形共に見栄え的にも素晴らしいのですが、それを証明する書類があるということです。だから、現場監督が写真にコダワルのはそういうことなんです。

写真管理の重要性を知った上で撮影することで、スキルはドンドン上がっていきます!以前も書いたように、人は意識するだけでそちらの方向に向かっていきます(良いも悪いも)。

良い写真を撮る!って意識すれば必然と上手くなっていきますよ!ただし、良い写真とは?ってこともまず考えてみて下さい。

※この記事は、『新エンタの法面管理塾』の記事を再編集したものです。

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