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建設業にコワいイメージがあったけど、優しく受け入れてもらった

小川工業に入社を決めたきっかけとは

前回、小川工業株式会社の現場記事を出した。その際、女性技術者が2名いると書いておいたが、その2人にちゃっかり取材していた。例によって、入社理由、これまでのお仕事、あるある話などについて、話を聞いてきた。

関根 綾香さん 小川工業株式会社 R4利根川右岸栗橋北堤防強化工事

関根 綾香さん 小川工業株式会社 R4利根川右岸栗橋北堤防強化工事

田畠 杏純さん 小川工業株式会社 R4利根川右岸栗橋北堤防強化工事

小川工業初の土木系女性社員

――入社何年目ですか?

関根さん 今年で9年目になります。

――じゃあ中堅どころですね。

関根さん そうなってしまうんでしょうか。自分としては若手と中堅の境にいると思っています(笑)。

――土木で女性の先輩はいるのですか?

関根さん いないです。当社として、土木の技術系女性社員は私が初めてです。

「女性も採用するよ」

――なぜ小川工業に入社したのですか?

関根さん 大学で土木系の勉強をしていたので、土木の施工の仕事をしたいと思っていました。ただ、転勤するのがイヤだったので、転勤のない施工の仕事ということで、地場ゼネコンを中心に就職活動を行いました。ところが、当時は、地場ゼネコン程度の規模だと、基本的に女性を採用していませんでした。

どうしようかなと思っていたところ、たまたま小川工業の採用担当の方から「(小川工業は)女性も採用するよ」と声をかけていただきました。「じゃあ」ということで、面接を受けて、入社しました。

今振り返れば、入社したときは、会社からあまり求められていないと感じていましたが、入社して2年経ったころ建設業界的に「女性活躍」が言われるようになって、私に対する扱いがガラリと変わったのをよく覚えています(笑)。

――今は土木の女性社員は何人いるのですか?

関根さん 現場に出ているのは、私と田畠、田畠の同期の3名、建設ディレクターとして土木に関わっているのが2名います。当社は建築もやっているのですが、建築には3名います。

――入社以来ずっと現場ですか?

関根さん 基本そうですね。

――どんな現場を経験してきましたか?

関根さん 河川や地盤改良など築堤の現場に携わることが多かったです。

女性社員と話をしたのがきっかけで、入社

――田畠さん、入社何年目ですか?

田畠さん 入社2年目です。

――入社した理由はなんでしたか?

田畠さん 工業高校の建設科というところに入学したのですが、そこで土木について勉強して、興味を持つようになりました。2年生のとき、高校の改修工事があり、当時施工していた小川工業の建築現場を見学する機会があったのですが、そこで女性の社員の方が働いていました。このときにいろいろなお話をすることができ、小川工業に入社したいと思うようになり、土木の社員として入社しました。

――入社してからどんな感じでやってきましたか?

田畠さん 1年目の最初のうちは1ヶ月ごとに違った現場に入って、いろいろな土木工事を体験しました。11月ごろからは関根さんがいる現場に固定メンバーとして加わりました。

関根さん 私がいるということで、田畠が入りました。現場に馴染めるようにいろいろと私が面倒を見ていました(笑)。

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現場の近隣回りは女性のほうが向いている?

――今の現場ではどのようなお仕事をしていますか?

関根さん 書類づくりや発注者との立会いなどを中心にやっています。まだ勉強中のところも少なくないですが、ベテランの方々の指導を受けながらやっています。現場管理は基本的に若手社員に任せていますが、定期的に現場に立ち会って、納入材料や出来形などの確認をしています。あとは、田畠と一緒に近隣へのお知らせを配布したり、現場周辺の巡視をしています。女性のほうが柔らかい雰囲気で会話や対応ができると感じているので。

――田畠さん、今はどのような仕事をしていますか?

田畠さん 今は主に測量をしながら、先輩方と一緒に現場を動き回って、その都度指示された作業をやったり、安全書類のとりまとめをしています。

やりがいも感じています。この工事では、現場が始まる前の状態を知った上で入れているので、現場が日々変化しているのを確認しながら、楽しく仕事ができています。

――同じ現場に関根さんがいるのはどうですか?

田畠さん やっぱり、話しかけやすいし、聞きやすいです。

会社に「こうしたら働きやすくなる」と言い続けてきた

――小川工業の女性の働きやすさについてどうお感じになっていますか?

関根さん 私が入社したころは、私自身がと言うより、周りの方々が動揺することが多かったように思います。それを加味しても、周りから良くしてもらったと感じています。

建設業にはコワい人がいるイメージがあったのですが、自分が想像していたよりも、優しく受け入れてもらったと思っています。その上で言えば、入社した直後は、男女共用のトイレだったのですが、しばらくして女性専用のトイレを用意していただきました。

入社してから、私なりに「こうしたらもっと働きやすくなる」と思うことをちょくちょく会社に言ってきたのですが、けっこう意見を取り入れてもらい、現場に反映してもらいました。

たとえば、以前夏場に現場で着替えるときは、トイレでコソコソ着替えていたのですが、今は女性用更衣室をつくってもらっています。私が今まで仕事を続けられたのは、会社が私の意見を聞いて、いろいろと対応してくれたからなのかなと思っています。

――田畠さん、今まさに勉強中だと思いますが、こういうスキルを身につけたいというのはありますか?

田畠さん 強いて言えば、測量は高校のときから好きだったので、まずは測量のスキルを上げたいという気持ちはあります。

日々の測量は、自動追尾のトータルステーションを使用しているのですが、これのデータ入力は先輩方がしてくれています。今後は施工に必要な座標をCAD図面から拾い出し、データインプットも含めて、早く自分一人でできるようになりたいです。わからないことばかりなので、先輩にドンドン聞いて、一つひとつ身につけていきたいです。

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