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“女性活躍”から”誰もが活躍”できる業界へ。「けんせつ小町」の課題と展望

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望月 悠木
公開日:2022.01.05
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毎日働く環境をより良くするちょっとしたコツ・裏技(Tips)をまとめた「こまちっぷす」

毎日働く環境をより良くするちょっとしたコツ・裏技(Tips)をまとめた「こまちっぷす」

目次
  1. 「けんせつ小町」誕生の経緯や活動内容
  2. 愛称誕生のキッカケ
  3. 多種多様なテーマでセミナーを定期開催
  4. 量だけでなく質においても平等に近づいている
  5. 現場風土や文化を変えていくためのキッカケ作りが重要
  6. 誰もが「働きやすい、働き続けたい」と思える業界に

「けんせつ小町」誕生の経緯や活動内容

建設業界の女性活躍が叫ばれて久しいが、国土交通省の「建設業活動実態調査」によると、事務職の女性の割合は約4割とまずまずの結果を残した。

一方、女性技術者の割合は、2000年(1.7%)から2020年(7.9%)にかけて約4.6倍の増加を見せているも、未だに1割にも届かない現状がある。やはり現場業務を担う技術者は「3K(きつい・汚い・危険)」であるため、女性に敬遠されやすく、入社してもなかなか定着しにくいようだ。

とは言え、建設業界としても手をこまねいているわけではない。正会員142社を有し、建設業界全体における会員の完成工事高比率は約25%を占める”日本建設業連合会”は、女性の入職を促進し、活躍を推進するべく、2014年に「けんせつ小町」のネーミングを制定し、2015年に「けんせつ小町委員会」を立ち上げた。

それ以降、様々な企画を展開するなど、女性活躍推進に尽力してきたが、正直けんせつ小町がどのような活動をしているのか私自身あまりピンと来ていなかった。そこで、日本建設業連合会 企画調整部の本田一幸氏と市村要介氏に話を聞いた。

愛称誕生のキッカケ

――「けんせつ小町」誕生のキッカケを教えてください。

本田氏 安倍首相は2014年に所信表明演説にて、「女性が輝く社会」を掲げましたが、この流れを受けて建設業界でも女性活躍に本格的に舵を切りました。そこで弊会では 2014年10月、建設業で活躍する女性の愛称として「けんせつ小町」が公募によって決定したのが最初です。

――プロジェクトというよりは名称なのですね。

本田氏 そうです。ちなみに、けんせつ小町は現場技術者・技能者だけでなく、事務職や営業職も含めたすべての女性の愛称になります。ですので、建設業界に従事する女性が働きやすい、働き続けられる環境を整備するためのプロジェクトと言って差し支えないです。

――けんせつ小町は、2014年から具体的にどのような活動を行ってきたのですか?

本田氏 最初に取り組んだことは、女性が働きやすい環境を整備しているかどうかを確認する”現場環境整備チェックリスト”の作成です。男性用トイレしかない現場も多かったので、まずはトイレ・更衣室などから確認する必要があると考えました。

「女性用トイレは男性が無断で使用できないよう外側から施錠管理している」「現場において、鏡付きの洗面所を設置している」などのチェック項目があります。当時リストは紙でしたが、最近では手軽に利用できるWeb版も公開しております。

現場環境整備チェックリストWeb版

現場環境整備チェックリストWeb版

また、もう一歩踏み込み、毎日働く環境をより良くするちょっとしたコツ・裏技(Tips)をまとめた「こまちっぷす」も最近公開しました。

トイレに化粧品や小物の収納ができる小物入れの設置、後付け設置可能な女性用トイレなど、女性が安心して働ける環境を整備する事例を写真付きでまとめています。現場立ち上げや、はじめて現場環境整備を担当した方にぜひ活用していただきたいです。

「こまちっぷす」で公開されている事例集

「こまちっぷす」で公開されている事例集

多種多様なテーマでセミナーを定期開催

――現場改善以外に何をされていますか?

本田氏 “けんせつ小町セミナー”という定期的なセミナーを開催しています。当初は、女性活躍に関する知識インプット型のテーマが中心でしたが、最近は性別に関係なく、誰もがいきいきと働ける現場作り・建設業界にすることを目的とした内容となっています。

具体的には、「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」や「自己肯定感の高め方」といった、他業界でも好評でかつ、多種多様なテーマで行われています。手法も、対話型を取り入れ、普段接することのない同業他社の参加者同士の交流の機会にもしています。

また、2015年から5回ほど、けんせつ小町の活躍推進に資する活動やけんせつ小町自身の活躍を顕彰する”けんせつ小町活躍推進表彰”も開催しました。

週に一度、従業員が集まってお互いの良いところを褒め合う”褒めパトロール”を実施した大成建設さん、女子大生が作成した仮囲いデザインを実際の現場仮囲いで実現した熊谷組さんなど、バラエティに富んだ活動が受賞されています。

――こういった企業がロールモデルとして、他社の参考になると良いですね。

本田氏 はい。また、最近力を入れているのが、建設現場で施工に携わっている女性がリーダーとなって、現場の環境改善に取り組んでいるチーム”けんせつ小町工事チーム”です。

けんせつ小町工事チームに登録することで、「女性も現場で働いている」という求職者に向けたPRになりますし、実際の活動内容をけんせつ小町HPに載せ、FacebookやInstagramなどで発信しています。現場で女性が働いていることを自然なかたちでアピールし、ボトムアップ式に業界の空気感を変えていきたいと思っています。

――現場を意識した活動が盛んなのですね。

本田氏 はい。そのほか、小中学生を対象に、毎年夏休みシーズンには”けんせつ小町活躍現場見学会”といって、実際に女性が働く建設現場を子供たちと保護者に見学してもらい、現場の仕事に触れてもらうというイベントも開催しています。

2020年、2021年は新型コロナウイルスの影響で中止しましたが、これまでは予約がすぐに埋まってしまうほど好評でした。「建設業・施工業=男性の仕事」というイメージを払しょくし、業界に親しみをもってもらう狙いがあり、建設業界に従事していない人に向けたアピールも展開しています。

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この記事を書いた人

望月 悠木
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フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。 Twitter:@mochizukiyuuki
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  • - 2025/05/11 3:56

    絵に書いた餅

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