写真展 高校生がみた土木の世界

“普通科の高校生”に土木はどう見えているか?

高校生の新しい感覚で土木をどんどん切り取ってもらい新聞、SNS、写真展で土木の魅力を発信していく「青春BUILDプロジェクト」は、12月25日から福岡第二合同庁舎で「写真展 高校生がみた土木の世界」を開催している。

同展示会では、佐賀県の唐津西高校・武雄高校、長崎県の諫早高校・大村高校・長崎東高校、大分県の大分上野丘高校の6校の写真部の生徒39名が、国土交通省が整備を進める道、河川、港の工事現場で撮影を行った。

青春BUILDプロジェクト代表のデミー博士(出水享さん)は、開催にあたって次のように思いを語る。

「土木関係者は、担い手確保やイメージアップのために働き方改革や現場見学会・情報発信など広報活動を精力的に行っています。しかし、土木関係者自身も土木があたりまえになっているため、魅力や価値を忘れてしまっているかもしれません。そのような人たちが広報活動を行っても効果的に土木は伝わりません。

そこで、私たちは高校生に土木を見てもらうことにしました。今回、長崎(諫早、大村、長崎東)、佐賀(唐津西、武雄)、大分(大分上野丘)の6校の高校写真部に協力いただき、国土交通省が整備を進める道、河川、港の工事現場で撮影を行いました。高校生は、はじめての土木体験になります。はじめてだからこそ、驚きや発見がたくさんあります。その驚きや発見を写真で表現してもらうことで、市民に近い感覚で土木を届けることができます」

開催期間は、2023年12月25日(月)から2024年1月26日(金)の1か月間(土日祝日をのぞく)。福岡第二合同庁舎1Fロビー(福岡市博多区博多駅東2-10-7)に展示する。

以下に、高校生たちが撮影した写真の一部を紹介する。

『未来の為のパーツ』(唐津西高校2年 池尻夢菜さん)

撮影者コメント「作業中、建設に必要な部品を持って行っているシーンを撮りました。真剣な表情から、集中して作業に打ち込んでいるということが見えてきました」

『縁の下の力持ち』(武雄高校1年 中島玲奈さん)

撮影者コメント「普段の生活の中では中々目にしない、土木の工事現場の一場面です。日差しがぎらぎらと照りつける中で重たい道具を黙々と運び続ける姿は土木工事の大変さを伝えてくれるもの、また、現場の方々に対する感謝の気持ちが思い起こされるものでした。私たちの安全・安心な暮らしを守る土木の源で活躍されている方々を、もっと多くの人たちに知ってもらえると嬉しいです!」

『作戦会議』(諌早高校2年 入口歩夏さん)

撮影者コメント「私は今回撮影会に参加して初めて、土木の仕事がどのようなものなのかを知りました。建築では建物をつくりますが、それ以外の道路、下水道、ダムなど私たちが普段当たり前のように使っているものをつくるのは全て土木の方々です。見えないところで私たちの日常を守ってくださる土木の方々は、まるで町のヒーローだと思いました」

『俺に任せろ』(大村高校2年 江口瑞望さん)

撮影者コメント「普段足を踏み入れて近くで見ることのできない土木の現場を間近で見させていただき、仕事に対する責任感や使命感、慎重さが感じられて素晴らしかったです」

『第二の手』(長崎東高校2年 渡部光さん)

撮影者コメント「撤去するブロックをクレーンで浚渫船へ移しているときの一枚。何十トンもあるブロックを手元のレバーを駆使して運んでいる。少しでも操作を誤ってしまうと惨事になりかねない。操縦士は大きいクレーンを自分の手であるかのように、慣れた手つきで慎重に動かしていた。淡々と仕事を終えた操縦士の姿はとてもかっこよかった」

『ひょいっ』(大分上野丘高校3年 水上蒼斗さん)

撮影者コメント「作業員の一人がバックホウに乗り込む様子を撮影した写真です。熟練の方々が慣れた手つきで重機や専門器具を扱う様子を表現しました」

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