実用的な施工計画書を作成できない技術者が増えている!発注者から好まれる「施工計画書」とは?

「実用的な施工計画書を作成できない技術者が増えている!」と、市役所などの発注者が嘆いているのを耳にした。

提出される施工計画書は明らかに毎回使いまわしで、工期や工事名だけを変更して提出している技術者もいるようだ。

実用的な施工計画書は工事を進める上で必ず必要である。今回は、実用的な施工計画書を作成するために必要なポイントを具体的に解説したいと思う。

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詳細な現地調査

現地視察

実際に現場を訪れ、地形や地質、周囲の状況を確認する。実際に現場を確認し、現場と施工方法の検討を入念に行う。

地質調査

ボーリング調査や試掘調査を行い、地盤の状態を把握しておくことも忘れずに。地盤によっては使用する材料等が当初設計と変更になる場合もあるので注意しておくように。

環境調査

周辺の生態系や環境への影響を確認しておくこと。特に河川工事では生態系への配慮が求められるため、掘削の際に泥水が下流に流れていかないような対策等を考える必要がある。

施工手順の明確化

作業フローの作成

工事の全体像を見える化し、各工程を具体的に描き出す。フローチャートや工程表を用いて視覚的にわかりやすくしておこう。

段階的計画

工事をフェーズに分けて、それぞれの段階で必要な作業を明確にすることをしておこう。例えば、準備作業、基礎工事、主要工事、仕上げ作業など細かく分けることで進捗を確認しやすくなる。

時間配分

各工程に必要な時間を見積もり、全体のスケジュールを組む。工期の見通しを立てることが重要だ。

資材・機材の確保と管理

資材リストの作成

必要な資材をリストアップし、数量や仕様を明確にしておこう。

調達計画

資材や機材の調達スケジュールを立て、必要なタイミングで現場に届くよう手配する。これを間違えると工期に直結するため、重点的に確認する必要がある。

在庫管理

現場での資材管理を徹底し、欠品や過剰在庫を防ぐ努力をする。

人員配置と教育

作業チームの編成

必要なスキルを持つ作業員を適切に配置、チーム編成を行い、施工体制台帳として書類を作成しなければならない。

役割分担

各作業員の役割を明確にし、責任の所在をはっきりさせる。

教育と訓練

作業員に対する技術教育や安全訓練を実施し、施工品質と安全意識を高める。教育訓練等の実施はもちろん、施工計画書にどのタイミングで行うのかを明記しておこう。

安全管理の徹底

リスクアセスメント

作業ごとのリスクを評価し、安全対策を計画しよう。

安全装備の準備

必要な安全装備を確保し、作業員が適切に使用できるように指導する具体的な内容を明記する必要がある。

緊急対応計画

万が一の事故に備えて緊急対応マニュアルを作成し、定期的に訓練を行うことも忘れずに。

コミュニケーションの構築

定期会議の実施

プロジェクトの進捗を確認するための定期会議を実施する。全員が現状を把握し、問題点や改善策を共有することが大切である。

情報共有システムの構築

現場とオフィス間で情報をスムーズに共有するためのシステム(例えば、クラウドでプロジェクト管理を行うツールなど)を導入することも、施工計画書にきちんと明記しておく必要がある。

関係者との連携

発注者、設計者、地元住民など、関係者とのコミュニケーションを密に取り、円滑な施工を目指すために、発注者との打ち合わせ、近隣住民への挨拶、関係者への配慮部分なども、細かく施工計画書に書いておくとさらに良い。

進捗管理とフィードバック

進捗モニタリング

施工の進捗を定期的にモニタリングし、計画との差異を把握するために常に最新の施工計画書を作っておくことが大切である。

フィードバックの活用

作業員や現場監督からのフィードバックを収集し、計画の見直しや改善に役立てる努力をしよう。

柔軟な対応

予期せぬ問題が発生した場合には、迅速かつ柔軟に対応し、計画を適宜修正し、変更施工計画書を迅速に作成する。

――施工計画書は現場でのマニュアルである。このマニュアルがしっかり作成されていなければ、実際に工事で問題が起こった時に、どこをどう修正すれば良いのかがわからなくなってしまう。

現場で使える施工計画書を作成するために、必要なポイントはしっかりと押さえておこう。

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