古臭い建設会社のタバコ事情
世間では昔に比べてタバコに対する考え方が変わり、喫煙場所の指定や分煙なども浸透してきました。健康意識の向上で禁煙する人も増え、今やタバコを吸っている人のほうが珍しく、肩身狭い思いをしているのではないかというくらいです。
が、しかし、古臭い建設会社(特に地方の中小企業)にいたっては、そんな世の中の流れとは一切関係なく、タバコに関しては時代が止まったままなのです。
いまだに喫煙者優勢の建設会社
分煙や禁煙が進んでいる今の時代ですが、建設業界ではいまだに喫煙者が優勢です(もちろん会社によりますし、大手企業だと分煙が進んでいるところももちろん多いです)。
まず私(24歳・女性現場監督)の周囲では圧倒的に喫煙者のほうが多く、デリカシーのない建設業界の男たちは、自分が吸うから相手ももちろん吸うものだと思っているので、「タバコ吸っても大丈夫?」と一言聞くなどという礼儀は一切持ち合わせていません。仮にそのような礼儀を持ち合わせていても、聞いたところでほとんどの皆さんは、問答無用で目の前で吸い出すのです。
そもそも会社の上層部の方は全員吸ってらっしゃるので、少数派の非喫煙者で、しかも下っ端の「けんせつ小町(女性建設技術者・技能者)」である私が偉そうなことは言えません。
非喫煙者のほうが肩身が狭い建設現場
世の中では喫煙エリアなどが制限され、ひと昔と比べると非喫煙者が過ごしやすい環境になっていると思います。しかし建設会社ではそんなことは全く関係ありません。
会社の本社では一応喫煙所が設けられ、分煙が実施されていますが、現場に出れば、もう無法地帯です。換気機能も安っぽい、狭い現場事務所の中でも、上司や先輩は全員タバコをふかし、立ち込める煙の中で私はデスクワークをしなければなりません。
煙だらけのほぼ密閉された空間で呼吸をしなければならない、これは非喫煙者の私にとって地獄です。事務所がある程度大きく、別室などに移動して作業できればいいですが、小さい現場の事務所などでは、肩を寄せ合って座っているので、タバコの煙が嫌なら、もう外に出るしかありません。
こんな中でよく息をしていられるなと、本気で私は思いました。私はおかげで咳や吐き気が止まらなくなり、治りかけても毎日タバコの煙にさらされているので、また再発します。いつもマスクをして、デスクワークをする時以外は、雨でなければ必ず外に出てしていました。
現場事務所の禁煙を訴え、現場を外される「けんせつ小町」
しかし、なぜ非喫煙者の私がそこまでしなければいけないのか、そこまでしているのを毎日見ている上司はなぜ何も言わないのか。
私は新たな建設現場に配属された時、最初に現場事務所を禁煙にしてもらえないかと上司に申し出ました。その現場でも非喫煙者は私だけだったのですが、体の不調のことや、到底仕事にならないことなどを訴えました。
すると、私は現場から外されました。所長がタバコを吸うためにわざわざ外に出るのが嫌だ、というのが理由です。
正直私にはよくわかりませんでした。なぜそこで環境を変えようとしないのか。なぜ私はタバコを吸えないと、そこで仕事をさせてもらえないのか。そもそも現場の仕事はタバコがないとそこまでできないものなのか。
タバコに関しては、建設業界には、まだまだ古臭い(ヤニ臭い)ものが残っています。