1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策30

1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策 工程管理1「工程計画の概要(工程・品質・安全の相関図)」

1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策の第30回目は、工程管理のうち「工程計画の概要(工程・品質・安全の相関図)」について勉強のポイントをまとめます。

工程計画では、「工程管理の概要」から1問が出題され、残りの3問は「各種工程表の特徴」、「ネットワーク工程表・出来高累計曲線の特徴」、「ネットワーク工程表の計算問題」から出題されます。

工程計画のグラフ問題

工程計画の出題では、「品質」「工程」「原価」の関係を文章、もしくはグラフで表した問題がよく出題されます。

工程計画の出題例

1級土木施工管理技士の試験問題では、上記グラフにある「品質」「工程」「原価」の箇所を「a」「b」「c」などと空欄にして、「品質」「工程」「原価」のうち、どの言葉が入るか?という問題がよく出題されます。

この問題を解くポイントは、下記のように、いったんややこしい3次元のグラフを平面にばらして1つの表ごとに確認すること。

XY軸の平面のグラフに分けることで、それぞれの関係を簡単に読み解くことができます!

まずは「②品質―工期」と「③原価―品質」がわかりやすいので、こちらから解説していきましょう。

②品質 ― 工期 … ゆっくり作り上げれば品質は良く、突貫工事など急いで施工すると品質は悪くなる。

③原価 ― 品質 … 品質の悪いものは原価が安く、品質の良いものは原価が高くなる。

一方、「①原価―工期」は、他の2つのように一筋縄にはいきません。最もややこしく、最もよく出題されるのが「①原価―工期」です。

①原価 ― 工期 … ゆっくり作業すると手待ちや無駄が多くなり原価は高くなる。そこから施工速度(工期)を速めるにつれて原価は安くなり、突貫工事のように急激に施工速度(工期)を速めると、作業を2班体制にしたり、作業量の大きな建設機械を使用したりと人件費・労務費は高くなる。

①だけ右肩下がり、右肩上がりのような線ではなく、最適工期を頂点とした下に凸の放物線となります。

試験では、これらの工程・品質・原価の関係を文章で表した問題が出題されます。

工程計画の練習問題

【練習問題】次の記述は正しいでしょうか、誤っているでしょうか?

◇工程と原価の関係は、施工を速めると原価は段々安くなり、さらに施工速度を速めると益々原価は安くなる。〇か×か?

→解答×…施工速度(工期)と原価のグラフを思い出してみましょう!施工速度がゆっくりだと原価は高いが、施工速度を速めるとだんだん安くなります。ここまでは正解。しかし「さらに施工速度を速めると益々原価は安くなる」が誤り。最適工期を過ぎると、施工速度を速めるにつれて原価は高くなる。

◇品質・工程・原価の関係は、相反する性質があることから、それぞれ単独の考え方で計画し、工期を守り、品質を保つように管理する。〇か×か?

→解答×…品質、工程、原価の関係には相反する性質があるため、それぞれ単独の考え方で計画するのではなく、それぞれの関係の調整を図りながら管理をしていく必要がある。よって、この記述は誤りとなります。

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1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策1
大阪工業大学を卒業後、某ゼネコンに就職。現在、一般社団法人全国教育協会(関西建設学院)にて土木・建築施工管理技士の資格取得セミナーの講師を担当している。体育会系で勉強が好きではなかったため、「勉強が苦手な人にわかりやすい解説」をモットーに、業界No.1講師を目指して修行中!
ひげごろーTwitterアカウントはこちら → https://twitter.com/LICEN0202
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