ゼネコン社員だって全員不合格。1級建築士に見下される「1級建築施工管理技士」の合格率が低下

ゼネコン社員だって全員不合格。1級建築士に見下される「1級建築施工管理技士」の合格率が低下

ゼネコンでも全員不合格。1級建築士に見下される「1級建築施工管理技士」の合格率が低下!

1級建築施工管理技士とは、1級建築士になれないヤツの資格?

私は現在、某ゼネコンのマンションの現場で、派遣社員として施工管理全般の業務をしている1級建築施工管理技士です。

私が1級建築施工管理技士の資格を習得したのは今から3年前。1級建築施工管理技士の資格を習得する前と後では、現場の職人さんや、派遣先ゼネコンの所長さんをはじめ、プロパー社員(正社員)たちの私を見る目は一気に変わり、かなり戸惑いを感じることもありました。

現場での工程流れ、納まりなど、資格試験で勉強した内容と実際の現場では違う所もありますが、1級建築施工管理技士の資格を取得したことで、仕事の幅はずいぶんと広がり、現場で失敗や経験を重ねることで、自分のスキルアップにつながっているのを実感しています。

さらに最近では、1級建築施工管理技士の資格者として現場経験を積むことで、大手ゼネコンのプロパー社員(正社員)になることも夢ではない、と思うようになりました。それほど、1級建築施工管理技士の資格というのは、2級建築施工管理技士よりも「格上」の資格なのです。

1級建築施工管理技士の下がる合格率、大手ゼネコンの若手社員も不合格

建築業界では、団塊世代の監理技術者の退職がはじまり、大手ゼネコンから町の工務店まで、監理技術者の不足が社会問題となっています。

国土交通省も危機感を覚え、建設産業の将来の担い手となる若手技術者の確保のため、建築施工管理技士や土木施工管理技士の受験資格等の見直しを行っています。

私の派遣先である大手ゼネコンでも、若手社員の1級建築施工管理技士の資格合格者を増やそうと、資格学校の授業料と資格試験の受験料を会社が負担しています。

【模擬試験・解答付】令和2年度1級建築施工管理技術検定 実地試験

大手ゼネコンの部長いわく、監理技術者の不足がこのまま続くと、あと数年で会社の経営にも影響が出てくるとのこと。1級建築施工管理技士の資格者は、正社員でも派遣社員でも、どこの会社も採用したくてウズウズしています。

建築現場で働いている方は、収入を上げるためにも、1級建築施工管理技士の試験に合格しましょう。

しかし・・・

1級建築士に見下される1級建築施工管理技士の合格率

平成29年の1級建築施工管理技士の試験では、合格率が前年より約12パーセントも下がりました。

■ 1級建築施工管理技士の試験結果と合格率(学科試験)

受験者数 合格者数 合格率
平成19年 23,871 11,088 46.4%
平成20年 25,686 12,783 49.8%
平成21年 25,195 8,782 34.9%
平成22年 25,640 10,437 40.7%
平成23年 22,284 8,312 37.3%
平成24年 22,385 11,414 51.0%
平成25年 20,576 9,677 47.0%
平成26年 20,580 8,562 41.6%
平成27年 25,452 11,103 43.6%
平成28年 25,639 12,675 49.4%
平成29年 24,755 9,824 39.7%

■1級建築施工管理技士の試験結果と合格率(実地試験)

受験者数 合格者数 合格率
平成19年 18,239 6,212 34.1%
平成20年 19,502 6,826 35.0%
平成21年 16,870 6,931 41.1%
平成22年 15,608 7,338 47.0%
平成23年 13,721 5,546 40.4%
平成24年 16,176 5,558 34.4%
平成25年 16,686 6,912 41.4%
平成26年 14,210 5,710 40.2%
平成27年 16,365 6,180 37.8%
平成28年 19,045 8,687 45.6%
平成29年 16,505 5,537 33.5%

私の派遣先の現場でも昨年、大手ゼネコンの若手社員が数名、1級建築施工管理技士の試験を受験しました。しかし残念ながら、みんな不合格でした。

施工管理をしながら資格の勉強することは、肉体的にも精神的にも疲れ、なかなか時間を確保することもできません。次は、気持ちを切り替えて頑張ってほしいものです。

1級建築施工管理技士は、1級建築士の「格下」なのか?

しかし、あるスーパーゼネコンの所長は、1級建築施工管理技士について、1級建築士になれないヤツが受けるものだと言っていました。

1級建築士の試験に合格していると、1級建築施工管理技士の2次試験から受験できるため、1級建築施工管理技士のほうが「格下」に見られる風潮があるのは確かです。

私も十数年前に1級建築士試験を受験し、学科試験に合格しましたが、2次の製図試験で不合格になりました。去年になって再チャレンジしようと、1級建築士の合格を目指し資格学校にも通いましたが、結局、学科試験で数点足りず合格できませんでした。

1級建築施工管理技士の資格を取得しているので、仕事には何の支障もありませんが、1級建築士の合格者に見下されるのは癪なので、私も1級建築士の資格取得したいと思っています。

そして、建築現場での実務経験を積み上げ、どこの現場に配属されても対応できるスキルを磨き、逆に1級建築士にしか合格していない人よりも、「建築」に精通したいと思っています。

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ピックアップコメント

一級建築士も一級建築施工管理も、一級土木施工管理も持っている俺に言わせると、大手ゼネコンならこの程度の資格は当たり前で、技術士ないと話にならん。俺みたいな零細企業勤務には技術士取れないからな。技術士補にしかなれない。そんなもんだ。

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