土木技術検定試験-問題で学ぶ体系的知識(土木技術体系化研究会編纂)/ amazon

土木の新人こそ、名著『土木技術検定試験-問題で学ぶ体系的知識』を読むべき

土木未経験のCADオペレーターが読むべき参考書

人手不足が解消の兆しを見せない土木建設現場。なかでもCADオペレーターは重宝がられ、今では、土木未経験者でもCADが使えれば採用する会社も少なくありません。

しかし、土木未経験者が現場や支店に配属されると、指示を受けても土木用語がわからなかったり、周囲の会話を理解できなかったりして、結局退職してしまうCADオペもいます。

その一方で、土木工事の現場では、素人の手も借りなければ運営できないほど人手不足になっており、積極的に素人を現場に入れて、土木経験者に育てようという、熱い現場監督も増えています。

土木技術検定試験-問題で学ぶ体系的知識

最初は誰でも素人。私は土木経験者ですが、土木の素人さんに、土木を学ぶためにぜひ読んでいただきたい本があります。

それは「土木技術検定試験」の参考書である『[amazon_textlink asin=’4324093598′ text=’土木技術検定試験-問題で学ぶ体系的知識’ template=’ProductLink’ store=’sekokamisama-22′ marketplace=’JP’ link_id=’7aaa4e12-cb7a-11e8-8bce-2592e81fc7bc’]』(土木技術体系化研究会)という本です。

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土木技術検定試験の参考書『土木技術検定試験-問題で学ぶ体系的知識』

『土木技術検定試験-問題で学ぶ体系的知識』は、土木学会が認定している資格「2級土木技術者資格試験」の参考書。しかし、資格を取得するためだけでなく、土木の仕事を理解するためにも役立つ名著です。

『土木技術検定試験-問題で学ぶ体系的知識』には、土木技術の基礎がぎっしり詰まっています。土質力学、コンクリート工学、応用力学、水理学、土木施工法、都市計画などなど、土木の教科書と言っていいでしょう。

例えば、土質力学の知識は、どの現場でも、どの会社でも必要とされます。多くの構造物は、土を掘削してから造るので、土の性質や挙動は、土木技術者にとって必須の知識だからです。

橋梁などの構造物について、基礎形式や安全性を検討する際にも、土質力学の知識が求められます。「N値はいくつか」「支持力公式はどう使えばいいか」「どんな物性値が必要か」など、土質力学の知識は、いろいろな場面で要求されます。

そして、土質力学やコンクリート工学などの知識は、それ単体で必要とされるのではなく、複数の知識が同時に必要とされます。例えば、橋梁を設計・施工するには、土質力学やコンクリート工学、さらには応用力学の知識を駆使して、検討や施工計画を行います。その後、実際に材料を発注し、着工に至ります。仮設構造物も必要で、その検討も現場で行われます。

土木の現場では、基礎を抑えておくことが必須ですが、『土木技術検定試験-問題で学ぶ体系的知識』には、これら土木技術の基礎が細かく解説されています。「問題と解答」という形で、読者に考える余地も設けられた本なので、繰り返し読んでいくことで理解が深まり、いざ現場で使うときの土台となってくれるはずです。


土木学会認定土木技術者資格制度とテクリス

『土木技術検定試験-問題で学ぶ体系的知識』は本来、「2級土木技術者資格試験」の参考書だと既述しました。

2級土木技術者資格とは、土木学会の認定資格。従来はさほど認知されていない資格でしたが、徐々に認知度が高まり、発注機関からの評価も高くなってきました。ひとつ上の「1級土木技術者資格」を取得すれば、主任技術者や監理技術者を務めることも可能になるので、1級土木技術者資格は、技術士に肩を並べる資格だとも言われています。

まず、2級土木技術者試験に合格すると、国交省発注の設計業務に、担当技術者として参画できる条件が整います(※地方自治体や民間発注業務は、必ずしも要求されるわけではありません)。

担当技術者として参画できるとは、業務遂行の実績がTECRIS(テクリス)に登録されることを意味します。テクリスに登録された土木技術者は、個人として評価を受け、点数いかんでは優遇される可能性もあります。

テクリスとは、国、独立行政法人等、都道府県、政令市、市区町村等の公共機関や、鉄道、電気、ガス等の公益民間企業が発注した調査設計業務、地質調査業務、測量業務ならびに、補償コンサルタント業務の内容を、その業務を受注した企業がコリンズ・テクリスセンターに登録し、その登録された業務内容をコリンズ・テクリスセンターがデータベース化し、発注機関および受注企業へ情報提供しているものです。

公共工事の前提となる業務の発注にあたっては、業務の地域性、特殊性、企業の技術力などを総合的に評価する必要があります。このため発注機関は、公平な評価により適切な企業を選定し、各業務の入札・契約手続の透明性、競争性を一層向上させるためテクリスを活用しています。

入札参加資格として、テクリスに登録していることを条件にしている発注機関も増えています。現在では、それらの発注機関の多くが業務契約の際、受注した企業に対して、業務実績データをテクリスへ登録することを仕様書等の契約図書に記載して義務付けています。

(出典:一般財団法人日本建設情報総合センター「コリンズ・テクリス」)

『土木技術検定試験-問題で学ぶ体系的知識』は、2級土木技術者資格の参考書ですが、土木の基礎を学ぶのに最適です。

この本で基礎を身につけ、安全確実な仕事ができるCADオペレーターや土木技術者が一人でも増えれば嬉しいです。

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土木工事の現場で働く派遣のCADオペレーター。派遣社員歴は10年ほど。これまで鉄道や高速道路などの現場を経験。鉄道大好きで、電車に乗るときは必ず一番前に乗って、風景を眺めている。
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