発注者支援業務・公物管理補助業務リアルな実態とは?
私は約25年間、技術系公務員として奉職し、その後、発注者から受注者の立場に転職しました。今は建設コンサルで発注者支援業務に従事し、約40名の職員を代表して、発注者との橋渡し役を担うとともに、計画立案、コアな部分の現場管理、完成図書作成マニュアル作成などの業務に就いています。
公務員時代は、道路、橋梁、電線共同工、機械及び電気設備など、多岐にわたり仕事をしてきたので、その経験を生かし、災害復興事業における発注者支援業務に従事しています。
そこで今回は、私の経験した「発注者支援業務」のリアルな実態について、お伝えさせていただきます。
「公務員は全然バラ色じゃない!」発注者支援業務が誕生した理由とは?
「公務員」と聞くと、建設技術者の多くの皆さんは、「給料が安定している」「17時に帰宅できる」「完全週休2日」など、公務員はバラ色の生活ってイメージありませんか?なかには技術系公務員を恨めしいと思っている方もいるかもしれません。
約30年前、私もそんなバラ色の人生を歩むことを夢見て、技術系職員の一員として役所勤務の生活をスタートしました。ところが、帰りはほとんど終電。土日も仕事。慢性的な睡眠不足。
「公務員だから残業手当、休日出勤手当が貰えるから良いじゃないか!」という民間技術者からの批判も聞こえてきそうですが、違います。予算が決まっているので、残業代は上限額以上一切出ません。もう記憶は曖昧ですが、残業代は年間200時間までしか支給されませんでした。休日出勤した場合は平日に振替休日になりますが、休むと仕事が進まないので自宅で仕事。
今でこそ、現地測量や設計業務は、建設コンサルタントがしっかり対応しますが、当時は測量・設計・積算・工事監督、これらを全て自分でやらなければ仕事が進まない時代でした。パソコンもない、CADもない。あるのは鉛筆と電卓。自分で断面図を書いて、プラニメーターで面積を出して、設計書は電卓を叩きながら手書きです。
工事発注後は、工事の段階確認はもとより、関係省庁との打合せや住民対応。おまけに、当時は「バブル景気」でイケイケドンドンの時代だったため、かなりの本数、工事を抱えていました。結果として、私が抱いていたバラ色の技術職員人生と全く間逆の世界にドップリ。
そこで、当時の上層部は考えました。業務の一部を外注することで、技術職員の負担を軽減し、民間に雇用が増えることで、さらに日本経済が活性化する。それが「発注者支援業務」の誕生でした。
発注者支援業務の監督支援業務の実態とは?
発注者支援業務には、様々なパターンがあります。
- 監督補助業務
監督職員の代わりに、段階確認や数量計算書のチェック等に従事。 - 品質管理業務
現場の施工管理のみに従事。 - 積算支援業務
数量計算書を基に予算書を作成する積算業務。監督職員は単価のみ入力することで予算書が出来上がる。
他にもいくつかパターンがありますが、今回は「監督支援業務」の流れについて説明します。
基本的に、仕事は「監督職員の指示」により成立します。指示がなければ仕事はありません。指示を待つだけです(ちょっとバラ色の時間?)。でも業務発注した側も相当困っているから発注したはずです。よって、監督支援業務の業務受注後、1~2日でバラ色の時間は終焉を迎えます。
指示内容のほとんどが「段階確認」です。監督職員の代わりに施工管理に従事します。一般的に「○月○日、▲時から鉄筋検査を実施するので確認願います」と指示。そして確認した結果を所定の様式にまとめ、監督職員へ報告する。
工事の種別、抱えている工事本数にもよりますが、このルーチンを朝から晩まで実施しますので、ほとんど外勤です。しかし、現場施工が終盤を迎えると、工事受注者が作成した数量計算書のチェック等に変わり、ここからは内勤になります。
場合によっては、図面の修正・新規作成、完成図書作成に関する写真や資料の整理などなど、ようやく工事竣工で役目を終えることになります。ここまでのプロセスは技術力も忍耐も高いレベルで必要で本当に大変です!
今、まさに発注者支援業務(PM/CM)で厳しさを味わってます。これも経験、任務完了まで頑張ります。
中途半端な意識の技術者は不要だというのが本音です。
考えが古い。パワハラ体質を残した思考ですね。
そんな厳しいこと言ったら誰も来ないよ(笑)手間暇かけて育てないと。50代〜60代の根性世代に多いなぁ歳までに