工事履行報告書の再提出
土木施工管理技士で現場監督である私は、工程を管理し、工期を守らなければならない立場にある。
しかし、恥ずかしながら、工期までに工事を完成できない現場があったのも事実。
その原因は、工事履行報告書の再提出という、二度手間にあった。
工程表と工事履行報告書
まず土木施工管理で工程を管理する際、われわれ現場監督は具体的な施工方法や作業手順、材料調達などについて「施工計画書」に細かく記載し、その施工計画をもとに「実施工程表」を作成する。
実施工程表は、施工計画と実際の工事の進捗度合の差異を表す。つまり、実施工程表を見れば施工計画と比べて、工事の進捗率がどれだけ遅れているかを確認できるというわけだ。
そのため、実施工程表は、工事の工期を守る上で必須とされている。しかし、工程表通りに作業が進むとは限らない。
施工を進めていく最中に、トラブルや変更事項が発生した場合、「履行報告書(工事での変更点を具体的に記載した書類)」などで、役所に変更工程を提出する必要がある。
そして、この変更工程の内容をよく検討しなければ、工事が先に進まなくなるのである。
残土搬出ルートで工事履行報告書
私がよく経験する変更工程は、残土を搬出する際に道路が狭いので別ルートを検討するケースである。
ダンプや不整地運搬車の進入路が非常に狭く、別ルートで搬出したほうが作業効率の良い場合は、変更工程を履行報告書で提出することになる。
その際、変更ルート付近の地主とのコンタクトを怠ると、トラブルに発展する。そうすると、せっかく変更内容を報告したのに、また新たなルートを立案するか、元のルートに戻して、履行報告書を再提出しなければならない。二度手間である。
こうして別の搬出ルートを再び選び、工期が遅れてしまった苦い経験が私にはある。履行報告書の提出を繰り返せば、工程に遅れが出るのは当然である。
だからこそ、施工管理技士とか現場監督といった立場の人間は、工事工程をしっかり管理するために、現場周辺の住民とコンタクトを取らなければいけないとされている。
そのうえで、工程通りに作業員が施工できる環境を作って、工期を守るのが現場監督の至上命題だ。
工事履行報告書が不要な工程管理
工程管理で最も重要なのが、最初の現場視察の段階で、工程変更しなくても済むような施工方法や材料運搬方法などを具体的に考えることである。
たとえば、材料運搬の際に一番の最善な方法は、ダンプ運搬なのか、レッカー車を使用するのか、人力運搬なのかなど、こういった細かい計画が必要不可欠となる。
工程管理は、必要に応じて変更しなければならない。が、最初に工程表を作成する段階で、できるだけ工程変更しなくてもいい工程管理をよく考えなければ、あとになって工期が遅れる原因に繋がってしまう。
工期を守れない人は、監督失格である。
設計と現場がかけ離れていて 工程をひっぱる事が出来ないのに 工程を要求してくる発注者が居るのも事実ですね。