「入札に参加するな!」公共工事の裏で権力を振りかざすヤバイ発注者ども

本当に汚いのは発注者

土木業界で働く人たちは、世間から人格を否定されがちだ。

古くからのイメージで「土木業界の人間は野蛮で常識がない」といった声を、私自身も何度か聞いた。

しかし、土木業界の中には、現場で働いて汗を流す人たちよりも、とんでもなく“汚い”人間がいる。

それは公共工事の発注者たちだ。


工事はすべて”お任せ”のイエスマン発注者

役所発注の工事を施工するとき、私たちは頻繁に発注者と直接打ち合わせをする。

その際、あらかじめ発注者側である程度の施工方法を考えてくれていれば、私たち施工する側の人間としては非常に助かる。

しかし、中にはハナから考えることが面倒なのか、それとも施工方法のことは何も分からないのか、「全てお任せで」と言ってくる発注者がいる。

施工方法をある程度決めてもらった上で、われわれ施工業者がどういった機械や道具を使って施工していくのかを決める、という流れが一番効率的な仕事の進め方である。

だから、何も考えなしに最初から「お任せ」と言われるのが、施工業者としては一番困るのだ。

バックホウで水道管を裂いても…

事前の情報や図面もない状態で、すべてお任せされてしまうと、もしバックホウで掘削中に水道本管やガス管などを裂いてしまったとしても、発注者はなんの責任も取ってくれない。

あとから、「水道管やガス管があることは聞いていない」と主張したとしても、泣き寝入りで終わってしまう。

だからこそ、施工業者も発注者に対して、具体的な施工指示を求めるのだ。

しかし、まともに話を聞いてくれず、何を聞いても「お任せで」と答える、情けないイエスマン発注者がけっこういる・・・。

施工費用をことごとく削る発注者

われわれ施工業者は、現場現場で利益が出るように工夫して施工する。

例えば、小規模工事の駒留設置といった工事は1日単体では、絶対に赤字になる。役所単価に対して、会社の人件費がオーバーしてしまうからだ。

大きな会社で、機械や道具が有り余っているのならば、何グループかに分かれて施工すればいいが、小規模会社となればそうはいかない。それでも、発注者側が施工単価の金額を上げてくれることはほとんどない。

こうした状況でも、施工業者は少しでも利益を出そうと必死に頭を捻る。

たとえば、小規模の駒留設置なら、代わりに建築ブロックを設置して土留め対策を行えないかなど、別の施工方法をいくつか考える。そのほうが材料的にも安くつくし、駒留の型枠組立、脱型作業を考えると、建築ブロックならば1日で完成してしまうから、当然効率も良い。

だからこそ具体的な根拠を示した上で発注者に相談するのだが、かたくなに拒む発注者がいる。とにかく「決められた材料で、決められた予算内で施工しろ!」と命令してくるだけだ。

発注者に言わせれば、「なんでウチが施工業者なんかのために、経費を出さないといけないのか」ということなのだろう。

施工会社が赤字となろうが、自分たちの責任ではないと考える傲慢な発注者だ。

それでいて世間一般に対しては、土木業の人材不足を嘆くようなPR活動にお金を流すのだから、矛盾を感じる。キレイごとばかりでは若者たちは騙されたと思うだろう。

施工業者を脅迫する発注者

極め付きは、「それって脅迫じゃないの?」と思うようなことをしてくる発注者だ。

ある発注者は、なんとかして旧知の施工業者に工事を落札させたかった。だが、入札は総合評価方式だったため、どうしても持ち点でかなわないライバル会社も入札に参加しそうだった。

すると、この発注者は、そのライバル会社に「入札に参加するなよ!」と直接電話で脅迫した。

この会社は、脅迫には屈せず入札に参加。役所の上層部に全てをぶちまけた。

その後、この発注者から電話が掛かってきた。謝罪の一言でもあるのかと思えば、「よくも言ってくれたな、覚えてやがれ!」と、また脅迫されたそうだ。

工事を発注する側の人間が私情を持ち込み、他会社を脅迫するといったことは、まだまだ裏では多いのが実態だ。

表ざたになっていないだけで、土木業界には未だに黒い部分が存在している。

土木業界は、むしろ発注者側のほうが権力を振りかざして汚い、そこをクリーンにしなければ将来は暗い。

以上は私の個人的な考えである。同感してくれる方は多いと思うが、信じるか信じないかはあなた次第です・・・。

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