「サブコンは残業が多い」は偏見！ 定時で帰れる電気設備会社の「異例の働き方改革」とは？

電気設備工事って、着工から竣工まで作業量に波があるので、どうしても残業が増えがちなんです。だから、忙しい時期は上長が部下の業務をサポートするなどして、会社全体で効率よく働くことを意識しています。

工期や金額的に厳しい案件ばかり取っていたら、社員にしわ寄せが来てしまいますから。

ただ、私が入社した当時と比べてスタッフも揃って、体制が整ってきたことも大きいですが、ここ2～3年で働き方がどんどん改善されてきました。

昨年には、厚労省から若者の採用や育成など、雇用状況が優良な中小企業に与えられる「ユースエール認定」を受けました。電気設備工事会社として初、都内の建設業者としても初だったそうです。「月平均の残業時間が20時間以下かつ60時間以上の正社員ゼロ」など色んな基準があって、けっこう厳しくて大変ですけどね。

まあ、まだまだこれからです。会社としても、今はどんどん売上を大きくするのではなく、社員の幸福度を上げていくことが最重要項目ですから。

昔は電気工事士として土日も休みなく働いてたんで、ここが一番「転職してよかったな～」って感じるところかもしれません。

第2、4土曜日は必ず休みですし、たま～に土曜に出なきゃいけないときも代休が必ず取れるんでね。そこはいいよね。

ただ、最初は東京と地方の電気設備工事のレベルの違いにつまずきました。法規的な部分や、求められる仕様の高さだったり。社内の先輩や現場の職人さんから、少しずつ慣れていった感じです。

卒業後は色々な職を転々しましたね。まずはIT企業でプログラマーを、その後は不動産会社で営業をやりました。どっちも1年で辞めちゃいましたが…。

「そろそろ手に職つけないとまずいな」と思い立って、たまたま見つけた鉄道系の電気設備会社で、電気工事士を5年経験しました。

ただ、職人として働く中で、作業する側ではなく工事管理として働きたいなと思い、監理技術者を目指して転職しました。

以前は、某全国チェーンの居酒屋で店長候補としてトータル9年ぐらい働いていました。ただ、このままだとちょっと将来が見えないなって感じるようになって。

そこで話を聞いてみたら、面白そうだなと。社長の人柄にも何となく好印象だったので、応募してみたらいつの間にか入社していました（笑）。

あと、当時は本社が世田谷区の三軒茶屋にあって、青森の田舎モンからすると「テレビでよく見るオシャレな街だ！」というのも大きかった（笑）。

こんな軽い感じで入ったんですけど、10年間もいるってことはあの時の選択は間違ってなかったってことですかね（笑）。

ただ、ここは「未経験でも、やる気があれば大丈夫」って言ってくれて。あと、その時面接を担当した部長が私と同じ沖縄出身で、運命を感じました。

ただ、大きい会社と違い一体感があって、それでいて大きい工事にも携われる、誰にでも成長できるチャンスがある会社だな、と今となっては感じています。

まずは何か一つ武器を持てるように、ということを意識していて、矢野については資料作成業務をすべて任せています。

自信が持てる仕事を一つひとつ増やしていくことで、やりがいというか、達成感を感じてほしいんですよ。それに、そのほうが私にとっても楽ですからね。

今は、矢野にもそれなりの裁量を持たせて、仕事を任せています。

ちょうど昨日、電気工事士の学科試験があったんですけど、そのサポートもたくさんしてくれました。会社で費用を負担してくれましたし、会社にある部品を貸してもらいながら、「こういう問題が出るよ」って先輩が教えてくれたりとか。本当にありがたいです。何より、合格したら御祝い金がもらえるので、何とか受かりたいです。

電気ってないと困りますよね。明るくなるというのは、ただ光が点いて明るくなるということではなくて、電気を通してまち全体が明るくなるって意味です。

そこに携わることで得られる責任感と達成感というのは、無二のものです。

その瞬間は、一大イベントというか。電気が無事通ったら、すごくホッとしますし、達成感があります。あの瞬間はたまりません。

電気ってこれからも無くなることのないモノですよね。それを自分の技術や知識で支えることができるのは、スゴイことだと思うんです。

あと、現場も様々なので、臨機応変に学べる人が向いていますね。

もちろん、実務経験があると良いですけどね。資格を持っていたりとか。ただ、私自身も入社時点では電気工事施工管理技士の資格は持っていなかったので、そこは何とかなるんじゃないかな。