残り僅かとなった安全専任としての仕事
私は今、中国地方の発電所の建設工事に安全専任として関わっている。建設工事といっても、私の所属してる会社は、電気の配線や計装関係がメインの会社だ。建築の施工管理や建築図面、施工図作成が本職の私にとっては、畑違いの職種だ。
当然、電気工事に関することが多く、私が今まで関わってきた建築の現場とは、随分と内容が違うことが多い。安全専任だから、施工のことはあまり関わりがなかったが、電気の配線、結線や計装ラックに関する安全事項に関しては、随分と目新しいことばかりを学ばせてもらった。
そんな現場での仕事も、いよいよ残り僅かとなった。残りの期間は、高所のケーブルラックや、電線管の取り付けのために設けられた足場の解体、撤去等の安全管理が主な業務になるだろう。
情けない本社の人間と社員たち
今の会社は、書類が好きで、何かとつけて「全て紙に文書化しろ!」と言われる。更に、猛暑の中でのコロナ対策、熱中症対策のために、「きめ細かく体調等の聞き取り調査をしろ!」と本社のほうから言ってきた。「ああ、そうですか」と、言われた通りに聞き取り調査を行うだけなら簡単だ。
ただ、私が一番情けない!と思ってるのは、この猛暑の中、「コロナ対策のため引き続きマスクをしろ!」、かつ「熱中症対策のために水分の補給やこまめな休憩を取らせ、熱中症計を2段階繰り上げて休憩時間を取らせろ!」等と、平気で言って来る本社の人間と、その一方的な指示に何一つ現場の実情を伝えない社員たちだ。
所長以下、誰もそんなことは一言も話題にもしない。そんな指示が守れると思っていないからだ。そりゃそうだろう!会社の作ったルール通りに休ませたら、30分作業の後に30分の休憩となってしまう。一日の作業のうち、半分が休憩時間になるということだ。それで、今の現場の工程が守れると一体誰が思うだろうか?
いい加減で、お粗末な指示
もし、作業員から「熱中症計が危険を表示したので、30分作業で30分休憩します!」と面と向かって言われた場合、私には反論する術はない!私が「それで良い!」と返事をした途端、恐らく所長は目の色を変えて、「そんなこと認めたら仕事が終わらないだろう!」と文句を言ってくるに違いない。
だが、考えてみてほしい。文句を言うべき相手は、私ではないハズだ。そんな規則を作ったのは本社の人間で、それに文句を言えない所長はじめ、社員の責任だ。それにしても、堂々とそんなメールを送りつける本社の人間は、何も考えていない!実にいい加減で、お粗末な指示だと言わざるを得ない!
今の現場は、人口も少ない片田舎にあるので、コロナに関しては、正直もう他国の出来事のようになっている。現場でも、わずかな人たちしかマスクをつけていない。私は頑なにマスクをつけ続けているが、これだけはどんなにうっとおしくてもやり通すつもりだ。
先日、現場で私の持ってる熱中症計が、外気温40度、熱中症指数34度を表示した。その計測器は、ピーピーと危険の警告音が鳴りっぱなしだった。汗でビッショリ濡れたマスクをつけ、安全眼鏡は吐く息で曇る。私は意地でもマスクをつけてるが、汗で濡れたマスクの内側は、実に気持ち悪い!!
日本全国の現場で、同じような思いをしてる人が沢山いると思う。熱中症対策か?コロナ対策か?現場では、二者択一のようになっている。私の現場では、ほぼ全員がマスクを外して作業をしている。
この状況の解決策を見出すのは困難だろう…。こんな時こそ、体力勝負だ!ストレスを溜めず、しっかり食べてよく寝ることだ。当たり前のことだが、今はそのくらいしか対策は思いつかない。どなたか良い策があったら、是非教えて欲しい!