【1級土木施工管理技士の合格講座18】河川関係法「堤内地と堤外地」「河川管理者の許可」

1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策18

1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策 河川関係法「堤内地と堤外地」「河川管理者の許可」

1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策の第18回目は、河川関係法の「堤内地と堤外地」と「河川管理者の許可」について、勉強のポイントをまとめます!

河川法では、どの区域で、どのような作業を行う(何かを設置する)場合に許可が必要なのか、不要なのかが出題されます。表にまとめて、勉強していきましょう!

まずは、用語の説明から!

河川法に関する用語「河川区分」と「河川管理者」

ここからの出題はほとんどありませんが、問題中に使用される用語なので確認していきましょう。

河川には区分があり、その区分毎に管理者が異なります。

河川管理者
一級河川 国土交通大臣
二級河川 都道府県知事
準用河川 市町村長

河川法に関する用語「河川区域(河川保全区域)」

・河川区域の例(上流から下流を見た断面)

  • 河川区域 ・・・ 堤防右岸の法尻~左岸の法尻まで。
  • 堤外地 ・・・ 堤防からみて流水のある側。
  • 堤内地 ・・・ 堤防によって守られている住居のある側。
  • 河川保全区域 ・・・ 堤防の法尻から50m以内の範囲で、河川管理施設を保全するために河川管理者が指定した区域。
  • 河川管理施設 ・・・ 水門、堤防、護岸などの施設。

「河川管理者の許可」が必要・不要な場合

「河川管理者の許可」が必要な場合

河川区域内の土地における行為 土地の占用 ・官有地(河川管理者が所有する土地)を河川管理者以外が占用する場合。※ 上空・地下(電線・吊り橋・地下サイホン)の利用も対象
土地の掘削等  ・土地の掘削、盛土、切土など土地の形状を変更する行為・竹木の植栽
・竹木の伐採(指定区域)
土砂等の採取 ・官有地における土砂・竹木・あし・かや等、河川管理者が指定するものの採取
工作物の新築等 ・官有地、民有地を問わず。

・工作物の新築・改築・除去する場合。※ 上空・地下(電線・吊り橋・地下サイホン)の利用も対象

・仮設工作物、現場事務所

河川保全区域における行為 ・土地の掘削、盛土、切土など、土地の形状を変更する行為
・コンクリート造等堅固な工作物や水路等水が浸透するおそれのある工作物の新築改築
流水の占用 ・継続的な流水の使用

「河川管理者の許可」が不要な場合

河川区域内の土地における行為 土地の占用 ・民有地の占用  ※ 民有地であっても工作物の設置や、土地の形状が変更する場合は許可が必要である。
土地の掘削等 ・新築等の許可を得ている場合は、新築等に伴う掘削は許可が不要である。
・取、排水施設の機能を維持する土砂の排除
・竹木の伐採(指定区域外)
土砂等の採取 ・民有地における採取。※掘削を伴う場合は、掘削の許可が必要
・河川の維持・工事のため現場付近で行う土石当の採取は許可不要
※ 遠方への搬出、他の河川工事に使用する場合は許可が必要。
工作物の新築等 ・河川工事のための資機材運搬施設、河川区域内に設けざる得ない足場、板がこい、標識等の設置。
河川保全区域における行為 ・耕うん
・高さ3m以内の盛土
※20m以上堤防に沿う盛土は除く
・深さ1m以内の掘削または切土
・上表(許可が必要)以外の工作物の新築・改築
流水の占用 ・一時的な流水の使用
(現場練りモルタルに使う少量の水をバケツなどで一時的に河川から取水する場合等)

 

上記のポイントを踏まえて、練習問題を解いてみましょう!

表だけ見ていても理解しにくいので、問題と上の表を見て確認しながらしっかり覚えていきましょう!

 


 

【練習問題】次の記述は正しいでしょうか、誤っているでしょうか?

公園などを河川区域内の民有地に設置する場合は、土地の形状の変更が伴ったとしても河川管理者の許可は必要ない。

→解答×…民有地であっても、土地の形状の変更が伴う場合は河川管理者の許可が必要である。

河川区域内の土地に工作物の新築等の許可を河川管理者から受けた者は、その土地の掘削、盛土、切土等の行為の許可を受ける必要がない。

→解答○…記述の通り、新築等の許可を受けている場合で、その土地の掘削等を行う場合の許可は不要である。

河川管理者が管理する河川区域内の土地に工作物の新築等の許可を河川管理者から受けた者は、土地の占用の許可を受ける必要がない。

→解答×…新築等の許可を得ていても、占用の許可が不要にはならない。

河川管理者以外の者が権原に基づいて管理する土地においては、土石の採取及び土石以外の竹木、あし、かやを採取するときは、土石等の採取の許可を受ける必要がある。

→解答×…権原に基づいて管理する土地→つまり民有地における採取となるため、許可は不要である。

河川区域内の土地で堤外民有地など河川管理者以外の者が管理する土地で仮設の現場事務所を新築する場合は,河川管理者の許可を必要としない。

→解答×…民有地・官有地とわず工作物を新築する場合は許可が必要である。

河川管理施設の敷地から6m離れた高水敷で,橋梁の土質調査のための深さ5mのボーリングを実施する場合は許可を受ける必要がある。

→解答○…高水敷は堤外地で河川区域内である。河川区域内でのボーリング(掘削)なので、許可が必要である。深さ1mを超えているため河川保全区域だったとしても許可が必要である。


 

この記事のコメントを見る

この記事をSNSでシェア

こちらも合わせてどうぞ!
1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策17
1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策16
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策15
1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策14
1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策13
大阪工業大学を卒業後、某ゼネコンに就職。現在、一般社団法人全国教育協会(関西建設学院)にて土木・建築施工管理技士の資格取得セミナーの講師を担当している。体育会系で勉強が好きではなかったため、「勉強が苦手な人にわかりやすい解説」をモットーに、業界No.1講師を目指して修行中!
ひげごろーTwitterアカウントはこちら → https://twitter.com/LICEN0202
モバイルバージョンを終了