新築工事の近隣クレーム15選!定番なものから理不尽なクレームまで大公開

新築工事の近隣クレーム15選!定番なものから理不尽なクレームまで大公開

※この記事は『マイホームチュートリアル』の記事を再編集したものです。

近隣クレームを題材にブログを書くって思いついたけど、誰も興味ないよね??って考えながらキーボード叩いてます(笑)。

でも、現場ではこんなことが起きてるんだって知ってもらうのも、これから家づくりをされる方の心構えになるかもしれないと信じ、そのまま書き続けていこうと思います。

あるある?私が体験した近隣クレーム15選

平穏だった住民の生活に入り込んでくる騒音や振動。当然、工事を行うことでご近所の方にはどうしても迷惑をかけてしまいます。

なので、事前に挨拶に行き、細心の注意を払って工事を進めるわけですが、それでも思わぬことが原因でクレームが発生してしまうことがあります。

近隣クレームは定番(?)のものから、理不尽にも思えるものまで様々です。今回は、私が体験してきた近隣クレームを発表していきます。ぜひ最後までお読みくださいませ。

レベル1 ~言われて当然。本当に申し訳ございません!レベル~

作業員がワシの敷地に入って作業しておったぞい!

先行外構工事で、隣地との境目のCB(コンクリートブロック)を積む作業。ついつい作業員が建築地からはみ出して作業をしてしまったらしい。

しかし、お隣さんの許可なくして敷地内に入れば、レッキとした不法侵入。きちんと謝罪をさせていただきました。

夜中まで作業していた。おたくらの管理はどうなっているんじゃい!

「作業時間は基本18時までです」と近隣挨拶文に記載している以上、それを極力守るのが当然のこと。当人に聞くと、21時ごろまで作業をしていたらしい…。

理由を聞くと、次の日に予定があり、現場を休みたいから今日できるところまで進めていたそうな。人によってはもう就寝する時間帯。同じことを隣の家でされたら、それは私でもきっと怒るだろうな。

ガードマンの誘導が下手くそで事故りそうになったわい!

重機作業のある時は道路を一部塞ぐことが多いため、ガードマンを設置して作業をさせます。

私が現場に行った時に分かったのですが、そのガードマンのおじいちゃん、よそ見をしているし、耳が遠いから通行車両が近づいても全然気がつかない。

えー!オイオイ!(ㆀ˘・з・˘)

お願いですから、ガードマンたる最低限の役目は頑張って果たしてもらいたいところ。その方はちょっと申し訳ないけど、この現場からは外させてもらいました。だって危ないですからね。

私の家の上空をクレーンの積荷が通過していったのだが!

ひえー!(´;Д;`)そ、それは、申し訳ございませんでした!!

オペさんに聞き取りをしたところ、クレーンの旋回範囲に余裕がなくて、仕方なく上空を通したとのこと。

いやいや、上空を通らなければいけないのであれば、事前にその家の住民に説明の上、許可をいただくか他の方法を検討しなければならぬのでは!?これは焦りました。。。

解体工事でワシの家の外壁に重機が当たったぞい!

おー、それは。。。すぐに謝罪に伺います。。。(汗汗汗)

そこのおうちの方は大変良心的で、5センチほどの傷を補修してくれれば良いからと言ってくださいました。作業者もわざとではないとは思うのですが、特に解体作業は慎重に慎重を重ねていただきたいものです。

これで怪我人でも出ていたらと思うと、本当にゾッとします・・・。

あんたのところの建物が建ったらテレビが映らなくなったよ。なんとかせえ!

その時は、ずっと更地だった土地に新築工事をしました。もちろん、その方は隣に家が建つことを想定せずに、ずっと前にアンテナを立てています。

そして、建築工事が進み階数が上がると、新築建物でアンテナ電波を遮ってしまうために、電波障害を起こしました。この時は、アンテナ工事店さんにすぐに行ってもらい、テレビが映るように調整をしてもらいました。

工事着工前に、電波障害になりそうなアンテナがあるかどうかは慎重に見れば分かること。それに私が気づいていれば事前に説明をすることもでき、クレームにならずに済みます。この時は私の観察力がまだ未熟だったんですね。

作業員が近所の空き地に空き缶をポイ捨てした上に立ちションしていたぞ!!

あー、もうこれは防ぎようがございません。。。

だって現場には仮設トイレもあるし、空き缶をポイ捨てしてはいけないってことは常識だし。つまり、その作業員のマナーが低いってことです。

現場監督は、建築現場で働く作業員のマナーがそこまで低いなんて思っていないし、それを教育する義務もありません。残念ながら、そういう最低限のマナーも守れない作業員は、いくら良い仕事をしてくれていても、今後その現場には立ち入り禁止としました。

当たり前のことですが、建設業界の悪い印象はそういうところから派生していくんですから。謝りに行ったその先でその方と「ごもっともです。私も許せないです。」って意気投合するしかありませんでした。

レベル2 ~それはそれは、すみませんでしたねレベル~

音がうるさいし振動がすごい。今すぐ工事止めろ!

うん。近隣の方全員が良心を持ち合わせていることなんてあり得ないんですよね。挨拶に行ったからって、それを快く「お互い様だから」って受け止めてくれる人ばかりではないということです。

工事をすれば音も出るし振動も起こる。だから、迷惑をかけますが辛抱してくださいねっていう意味で挨拶に回ってるんです。それを受け止めてくれなかったってこと。

配慮をすることはできますが、工事を止めることはできません。そこは現場監督としてはっきり言わないといけないんです。こういう人は弱みを見せるとつけ込んできますから。

境界杭の位置がズレてるのでは?ちゃんと確かめてから工事にかかっているんだろうね?

古くからある土地を建て替えるときに、隣地の境界を示す杭がずれていたり、入っていないことがあります。通常ですと確定測量をして測量士さんに境界杭を入れてもらいます。

しかし、確定測量にかかる費用を抑えるために、そのまま工事を進めようとする営業や施主がいます。そうすると、隣地の住人から境界杭はここであっているかどうか確かめて欲しいというクレームが入ります。

私からしたら、確定測量をするのは当たり前です。もし、そんなの費用がもったいないからやらなくていいですよっていう営業マンが担当者でしたら、その人はあなたの将来のことは何一つ考えていないってことです。

解体工事のホコリでウチが汚れたやん!

まぁ、そうですよね。解体工事でホコリが出ないことはないですからね。散水をしながら解体はしてもらってるんですが、完璧ではないですよね。そういう方に対しては水洗い洗浄を解体工事屋さんにしてもらいます。

でもその方、「ウチが手配したクリーニング屋を入れるからそのクリーニング費用を支払え」と法外なお金を要求してきた。それは受けかねますと丁寧にお断りしました。

あんたんとこの建物のバルコニー、うちと同じような位置やから部屋の中を覗かれるやんか!

隣の並びの住民からのクレーム。とはいえ、この並びの敷地で建物を建てるとだいたいこういう形になってバルコニーの位置も揃いますやん。

『先に建てた人の優位性をバリ出しにしてこられますやん~』とは思ったものの、その時は施主様と相談して、目隠しパネルをバルコニーのサイドにつけさせてもらいました。

まぁ、私が願うのは、担当したお施主様が末長くそこで幸せに生活をしてくれることです。この場合は、このような対処法が最良の解決方法だったような気がします。

レベル3 ~えぇー、この人何ゆうてんの?レベル~

あんたの現場の前を通ったらタイヤパンクしたやんけ!

え?E?絵?何ゆうてるんでしょうか?うちの現場はまだ基礎工事ですよ。型枠もパネル使ってますし、釘なんか一切使っていないはずです。

一応その日の夜にその方に会いに行きました。パンクしたというタイヤを見せてもらいました。うん。確かに釘が刺さっています。その人はわざわざ抜いて見せてくれました。・・・サビサビの釘を。

「うーん。大変申し上げにくいのですが、新築工事でこんなサビサビの釘は使わないはずです。。。絶対とは言い切れないですけど、おそらくこれはウチの現場で使っている釘ではないと思われます。それにこれがウチの現場の前を通った時に刺さったという確証は何かあるんでしょうか?ちなみにパンクに気づいたのは遠く離れた仕事場とおっしゃっていましたが。」

その人はハッとした顔で、「・・・ならいい。まぁ、すぐに来てくれたその対応は良かったから許す。」ということで、何を許されたのかよく理解できなかったが、とりあえず一見落着。

工事を始めているようだが、ウチの敷地にあんたのところの建物の影を落とすんじゃねえぞ!

電話越しに一方的な口ぶりで怒鳴りつけられました。

その方の敷地は今回の建築地の北東角。確かに冬至には一番長い影を落とす方角です。ただ、もちろん計画の法的な問題点はなく、そこに新築を建てることを阻止される筋合いもない。

『一体何を理不尽なことを言っているんだろう・・・』と思いながら、説明をするために日影図(建物から落ちる影の軌跡を記した図面)を用意して会いに行くことに。説明をするのと同時に話を聞いていると、思いもよらず、その人の気持ちに少し同情することとなりました。

その人によると10年ほど前、説明もなく西隣にいきなり4階建てのマンションが建設され、まともに影を落とされたそうな。それまで庭に干していた洗濯物も乾かなくなったので、二階のベランダまで干しに行くことになってしまい生活にも支障が出て苦労したと。

確かにそれは酷い話。「でも今回は安心してください。新築工事は平家建てですし、影の長さもこれくらいですので、あなたの家に影を落とすことはありませんよ。」と伝えると、「それなら大丈夫です。」と少しホッとした表情を浮かべてくれました。

あんたのところに降った雨が私の敷地に流れてくる!なんとかせいや!

建築地は傾斜の大きい坂道の上の敷地。その下の敷地の人からのクレーム。土地間の高低差をコンクリート擁壁で土留しているし、通常、コンクリート擁壁には水抜き用の穴があります。降った雨水が土に染み入り飽和状態になり、その水圧が擁壁にかからないようにするための措置です。

そりゃ、そこから水はあなたの敷地に垂れますわ。いや、わかりますよ。その水が生活雑排水だったら嫌ですよね。それは私でも嫌です。はい。でも雨水ですよ。自然と空からどの家にも降り注ぐ、雨の水ですよ。

何度も話し合いをしましたが、その方と価値観の押しつけ合いで結論は出ず、平行線となるだけでした。結局、「では、この擁壁の開発許可を出した行政に申し出てください。」って言ってその場を切り抜けました。その後どうなったのかは分からないままです。

ペットが弱ってしまうので工事の音を立てないでくださいますか?

近隣挨拶に行った時、上品でおとなしそうな隣の奥様にそう言われました。

いや〜、これは困惑しましたね。たかがペットですか?とも言えないですし。でも工事は音が出るものですし…。ちなみに、そのペットとはウサギです。

確かに臆病だとは聞きますが。。。工事の音で弱って死んだって話は聞いたことがない。。。施主様も一緒に回っていましたが、明らかにちょっと引いていたのが分かりました。

念の為、その方の家側のみ、足場のネットを防音シートに変えて対応しました。もう工事は終わっていますが、そのウサギちゃんは無事生きているんでしょうか?(苦笑)

最後に

いかがでしたか?私が体験した近隣クレームを一挙公開してみました。並べてみると、本当に色々なクレームがあることが分かりますよね。まだまだ他にもありますが今回はここまでとします。

読んでいただいた通り、クレームと言っても本当に迷惑をかけてしまったものから、え?っと思えるような理不尽なものまで様々です。

私は現場監督なので、施主様の今後の新生活に影響を与えないように最大限の努力をしていきます。でも、世の中にはいろんな価値観の人がいて、その全ての方に合わせることはできません。解決できないクレームもあるのです。

その都度ストレスを感じていては、きっと精神的に参ってしまいます。最初に近隣クレームをブログにして何の意味があるのかわからないと書きました。しかし、もしかしたら唯一、私のストレスのはけ口にだけはなるのかも知れませんね(笑)。

最後まで読んでいただきましてありがとうございました。

※この記事は『マイホームチュートリアル』の記事を再編集したものです。

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