左から保坂さん、馬場さん、飯田さん

左から保坂さん、馬場さん、飯田さん

【グリコンシリーズ第3弾】好きに仕事させてもらえるので、働きがいがある

グリコンシリーズ第3弾【関東営業所技術部の3名】

グリコンシリーズ第3弾は、グリーン・コンサルタント株式会社関東営業所技術部のお三方だ。

関東営業所の技術部と言われても、いまいちイメージが湧きづらいが、舗装に関する試験や開発などを行う部署だと考えて差し支えない。オフィスは、埼玉県さいたま市(大宮)にある。

試験と聞くと、室内のイメージだが、現場試験と言って、舗装工事の際には材料試験を行う必要があり、こちらも担当している。お三方のこれまでの仕事を振り返ってもらいつつ、調査業務のやりがいなどについて話を聞いた。

  • 馬場 良輔さん
    グリーン・コンサルタント株式会社 関東営業所 技術部長
  • 飯田 隆紀さん
    グリーン・コンサルタント株式会社 関東営業所 技術部技術2グループ課長代理
  • 保坂 龍太さん
    グリーン・コンサルタント株式会社 関東営業所 業務部業務課業務グループ
    (株式会社NIPPO 関東第一支店試験所派遣)

アスファルト混合物の材料の良し悪しを評価

馬場さん

――入社して何年目ですか?

馬場さん 28年ぐらいになります。

飯田さん 中途で入ったので、14年ぐらいです。

保坂さん 10年目です。

――今のお仕事について教えて下さい。

馬場さん 関東営業所の技術部は、主に試験業務を担当している部署になります。アスファルトや骨材、アスファルト混合物の試験を行い、材料の良し悪しなどを評価しています。このほか、道路管理者から舗装のサンプルを提供していただき、どれぐらい傷んでいるかとか、どのように壊れているかなどについて評価し、原因を特定したり、補修工法を提案したり、あとどれぐらい持つか推定したりする業務もあります。部門の社員数は15名ほどです。

――部内にグループがあるんですね。

馬場さん 3つの技術グループがありまして、技術1グループは、舗装に関するさまざまな試験業務を行っており、材料試験から海外の試験装置を用いた高度な試験まで広範囲を担当します。技術2グループは、合材工場とか舗設現場などから依頼される管理試験を主にやっています。技術3グループは、高速道路に関する大型シミュレータ装置を使用した業務を専門に行っており、大型供試体をつくって、走行試験とか性能試験などを実施しています。

飯田さん 私は技術2グループに所属していて、室内や現場で試験を行っています。現場では、実際にでき上がった舗装の平坦性とか出来形というか、強度確認や支持力確認などを行っています。その際には、施工管理している方とか役所の方から質問を受けたり、こちらから説明したりしながら、より良い舗装の品質管理に関するフィードバックなども行っています。

保坂さん 現在は、グリコンの関東営業所業務部の社員として、NIPPOさんの関東第一支店内にある試験所に派遣されて勤務しています。関東第一支店は東京、神奈川、埼玉、山梨をカバーしており、このエリア内の現場試験を主に担当しています。現場では、舗装の試験のほか、調査なども行っています。

――技術部の強みは?

馬場さん やはりトータルの技術力というところだと思います。技術部単独だと試験の精度の高さが強みということになりますが、グリコントータルとして、技術部のほか調査、設計の人間がいるので、お客様からなにか相談があったときに、すべて自社で完結できるのが一番の強みだと考えています。例えば、空港舗装の仕事だと、設計と舗装評価(舗装試験および非破壊調査)の業務がまとめて発注されることがあります。そういう仕事こそ、ウチの強みが最大限活かされるところだと考えています。

いずれもNIPPO絡みでグリコンへ

――グリコンに入社した理由は?

馬場さん いとこがNIPPOさんで働いていて、「働いてみないか?」と言われて、紹介していただいて、入社しました。入社したときは、土木のことはなにも知らない状態でした。

飯田さん 土木系の短大を卒業してから、別の土木関係の会社に就職しました。その会社から、NIPPOさんに派遣され、しばらく働いていました。ただ、その会社は、入社して5〜6年経っても、一向に給料が上がらない会社だったんです。当時の派遣先の課長さんと雑談しているときに、そういう話をしたんです。「今の仕事はキライじゃないけど、給料はなんとかなりませんか」と。それでグリコンに口を利いてもらって、入社しました。当時の課長には足を向けて寝られません(笑)。

保坂さん いろいろあって大学を中退したのですが、当時知り合いにNIPPOから出向されていたグリコンの関東営業所の所長さんがおられて、その縁で入社しました。最初の半年間はアルバイトというカタチでお世話になって、その後、正社員になりました。


試験業務でも、現場経験が役に立つ

飯田さん

――入社してからどんなお仕事を?

馬場さん 入社してすぐにNIPPOの関東第二支店試験所に出向して、いきなり高速道路の工事現場に入れられ、通算13年ぐらい出向していました。その当時は大変でしたが、今になってみれば、このときの現場での経験が役に立っていると感じています。

グリコンの場合、設計なら設計だけとか、試験なら試験だけとか、社員のスキルが偏りがちなところがあるんです。グリコンの外に出ることで、いろいろな経験できるというのは、今でも当てはまるところがあると思っています。

飯田にしても、保坂にしても、派遣先の現場での仕事を経験しています。とくに保坂については、今現場で経験していることが後々役に立つだろうと思っています。

グリコンに戻ってからは、当時あった技術3課というところで、これも当時あった財団法人道路保全技術センター舗装研究部という部署の調査検討業務をやっていました。そこでは解析など仕事を学んだほか、グラフなどを用いた報告書のつくり方なども勉強しました。FWDも経験しています。試験所で現場の仕事を知り、技術3課で解析的な仕事を学んだことで、舗装に関することならなにが来ても、だいたい答えられるようになりました。

自分の仕事を振り返ると、仕事面ではツイてたと感じています。今は、舗装に関するすべてを経験できるような人事ではないので、若い人たちは大変だろうなと思います。例えば、FWDは調査センターの所管なので、他の部署の人間が実務を経験することは難しいところがあります。この辺はなんとかうまくやっていきたいと思っているところです。

――上司に恵まれたということはありましたか?

馬場さん それはありましたね。技術3課にいたとき、当時の上司は放任主義で、いろいろと仕事を任せてもらえました。中には厳しい人もいましたが、ツライ思いをしながらも、なんとか支えられてこれまでやってきました。

――飯田さんはどうでしたか?

飯田さん グリコンに入ってからは、NIPPOの技術研究所で働いていました。当時の技術研究所は舗装に関する基礎から教えてもらえるような環境がありました。私は一応土木の勉強をしていましたが、舗装に関してはほぼ素人だったので、一から教えてもらいながら、仕事を覚えることができました。遮熱性舗装などの新技術の開発にも携わることができました。その後は、関東第一試験所に異動して、主に現場試験に携わりました。

――職場の雰囲気はどうでしたか?

飯田さん 諸先輩にわからないことを聞ける環境だったと思います。『試験法をしっかり読んでから質問をしなさい』ともどされたりもありましたが、今思えば、あたりまえのことですね。

――保坂さんはどうでしたか?

保坂さん 1年目は、グリコン関東営業所に配属されました。当時は舗装のことはなにもわからなかったので、室内試験のお手伝いとか、目の前にある仕事をこなすだけでした。2年目からは、NIPPOの技術研究所に派遣され、新商品や新しい工法の開発などに携わっていました。例えば、太陽光パネルの舗装とか、セメント乳剤安定処理などです。その後は、現在お世話になっております関東第一支店試験所です。1年目に現場に入る機会があって、室内試験の考え方と現場試験の考え方の違いなどを知ることができて、凄く勉強になりました。

――舗装のことをまったく知らなくても、なんとかなるものですか?

馬場さん 本人に向上心があれば、一から勉強して一人前になれると思います。

車道透水性舗装のマニュアルに自分が携わったデータが載った

保坂さん

――印象に残っている仕事は?

馬場さん 2003年につくばの土木研究所で車道透水性舗装に関する研究を行ったのですが、それにメンバーとして参加したことです。荷重走行実験場に4種類ぐらいの大きな試験舗装ヤードを施工し、大型散水装置を使って研究しました。この研究に関しては、グリコンの社員として参加しました。研究の後、車道透水性舗装のマニュアル本が世に出ることになるのですが、その中には、私が携わったデータが本に載っています。それを見たときは、充実感というか、満足感を感じました。

飯田さん 派遣先で耐震舗装の検討業務に携わったことです。地震によって、道路が陥没すると、緊急車両などが通れなくなってしまいます。地盤が沈下しても、路面はそのまま残るというのが耐震舗装です。検討では、実物大の路床、路盤、アスファルト層を構築して、わざと路床を陥没させ、舗装がちゃんと残るかを実験しました。ただ、途中で異動になっちゃいましたけど(笑)。

保坂さん コンテナヤードの舗装を調査したことが印象に残っています。室内では舗装構造の知識は学べましたが、実際の現場では、室内で行われたことがどのように反映されているのか学べました。また、排水口やフェンス、門扉などを含めた構造物関係は、どのように設置しているかなど現場でしかわからないことばかりでしたが、経験できて良かったと思っています。

人が足りないので、仕事量が偏りがち

――グリコンの良いところ、悪いところは?

馬場さん 良いところは、会社から細かいことを言われることはあまりなく、好きに仕事させてもらえるところです。信頼してもらっていると捉えていますが、働きがいがあります。最近は若い社員も増えているので、若い者同士ヨコのつながりが生まれて、部内の風通しも良くなってきています。

悪いところは、仕事量に偏りがあって、忙しい部署とそうでない部署がわかれるところかなと思っています。人が足りていないわけです。技術1グループは、半年~1年の工程を組立て実施する仕事が多いのですが、技術2グループは急に依頼が入ってくることがあります。マイペースで仕事ができるところと、そうでないところのバランスをなんとかしたいと思っています。ただ、急な仕事に対応できる人間はそう多くないので、なかなかできないのが悩みどころです。

道路横断形状の測定をする飯田さん

飯田さん 良いところは、米軍基地とか、ふだん立ち入れないようなところに出入りしたり、仕事内容によりますけど、全国に出張できるところです。レインボーブリッジなどを歩いたりするのは、なかなか経験できないことだと思うので。あとは、会社の風通しが良いところです。社長などともふつうにお話できます。ただ、若い社員は、上司などに対しては、遠慮して一歩引いているようなところがあるので、そこは改善したほうが良いのかなと思っています。

悪いところは、馬場も言っていましたが、人が足りないところです。他のグループの社員に頼むのも、ノウハウ的になかなか難しい状況です。

路面のキメ深さ測定を行う保坂さん

保坂さん 良いところは、プータローだった人間でも雇ってくださる「寛大な会社」だというところです(笑)。あとは、舗装に関するいろいろな業務を経験できるところです。新しい業務を経験するたびに、いろいろな人と出会え、スキルアップできるからです。

悪いところは、なかなか後輩ができないところです(笑)。職場がいつまでも「年上ばかり」というのは、なんか悲しいです(笑)。

グリコンシリーズ第1弾【荒井明夫 代表取締役】の記事はコチラから

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